編集長が語る!講義の見どころ
プラトンの「アカデメイア」から学びの意義を考える/納富信留先生【テンミニッツ・アカデミー】
2025/08/22
いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。
7月末から、弊サービス名を「テンミニッツ・アカデミー」に改称させていただきました。
この名称変更の想いは、テンミニッツ・アカデミーが「素晴らしい有識者(真のプロフェッショナル)が集う場であること」「その方々が、この場で熱い話を繰り広げていること」、そして「人類が紡いできた『知』を、『人から人へ』『過去から未来へ』伝えていくべきメディアであること」を、より明確にするためのものでございました。
この「テンミニッツ・アカデミー」への名称変更を機に、納富信留先生に、プラトンの「アカデメイア」を基に、現代の「正しい知」と「学び」のあり方を考えていく講義をいただきました。
「アカデメイア」は、プラトンが古代ギリシアで紀元前4世紀に創った学校の名前です。実はこの学園は、西暦529年まで続きました。創設されてから900年にわたって存在していたのです。当然、その後のヨーロッパの大学のあり方などにも大きな影響を与えていきました。
ご想像のとおり、現代にも広く使われている「アカデミー」という言葉の語源は、まさにこの「アカデメイア」です。
はたして、アカデメイアはどのような学園だったのでしょうか。そこでは何が行なわれ、なぜそんなに長期間続いたのでしょうか。また、そこから見えてくる現代の課題とはどのようなものなのでしょうか。
人類の学びの軌跡から、多くの気づきを得られる講義です。
◆納富信留:「アカデメイア」から考える学びの意義(全4話)
(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5888&referer=push_mm_rcm1
まず第1話で納富先生は、現代社会の大きな懸念点として、次の3つを示されます。
(1)社会:学問への反発・不信
(2)政治:政治の介入・抑圧
(3)経済:経済原理の浸透・支配
1つめは、まさに「反知性主義」「反科学主義」といわれる動きと軌を一にするものです。
2つめは、大学などに対する政治の圧力です。アメリカでも顕著ですし、日本でも一部そのような事態が起きはじめています。
3つめは、すべてを「経済原理」で片づけようとするあり方です。基礎研究や人文科学などの研究は「儲からない研究は切り捨てろ」といわれる。そのために、学問のバランスが崩れつつあります。
では、このような社会のあり方に対して、古代ギリシアの哲学者・プラトンが設立した「アカデメイア」はいかなる教訓を与えてくれるのでしょうか。
アカデメイアとは具体的にどのような学園だったのか、プラトンがなぜアカデメイアを設立したのかは、講義の第2話、第3話をご参照ください。
興味深いのは、次の納富先生のご指摘です。
《つまり、中学や高校のように先生がレクチャーするというのではなくて、どちらかというと研究機関のようにお互いにみんなが最前線の知識を持ち寄って一緒に議論するという、そういった場であったと考えられます。そこでは自由闊達な対話や議論が行われ、そこで最先端の知がどんどん生まれていたと考えられます》
ギリシア内外から、異なった考え方や背景の人たちが集まってきて、一緒に議論することで学問が活性化していく。
そもそも、設立者のプラトンが、アカデメイアに集った弟子たちに、プラトンの学説への批判を積極的にさせたといいます。そのようなことが伝統となり、単なる「教わる場」ではなく、一緒に集まって議論、研究していく場となったのです。
このようなアカデメイアのあり方が示すものとして、納富先生は「私たちにとっての学びの意義」を説いていきます。
1つめは「開かれた知の重要性」
2つめは「批判の精神」
3つめは「学ぶ主体の育成」
たとえば納富先生は、《知をきちんと使うための人間に成長することがなかったら、いくらデータがあっても何の意味もない》とおっしゃいます。はたして、どのようなことなのでしょうか?
そのうえで、次のように指摘されます。
《何か「すぐにこのため」とか「このために役立つ」とかそれを超えて、私たちは生きることそのものをまさに実現する。それは何なのだろうと考えながら実現する。それがアカデメイアというところである》
われわれの人生を支えてくれる「学び」のあり方、われわれが次世代に望みを与えることができるあり方を、じっくりと考えることができる講義です。ぜひご覧ください。
(※アドレス再掲)
◆納富信留:「アカデメイア」から考える学びの意義(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5888&referer=push_mm_rcm2
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