編集長が語る!講義の見どころ
和歌はなぜ31文字で深い表現が可能なのか/渡部泰明先生【テンミニッツ・アカデミー】
2026/01/27
いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。
1月も月末が近づくと、もう正月気分は「今は昔」。さらに今年は解散総選挙にもなりましたので、なおさらかもしれません。
ただ、やはり1月には、あらためて日本文化に向きあってみたいものです。
本日は、渡部泰明先生(東京大学名誉教授/国文学研究資料館館長)に、和歌のレトリックについてお話しいただいた講義を紹介します。
古来、洋の東西を問わず、「詩」は重要な「教養」でした。それは古代ギリシア、ローマの社会でも、中国社会でも、西洋キリスト教社会においても変わることはありません。
なぜ、「詩」が全世界的に重要なものだったのかも興味深いことです。しかしその多彩な世界の詩の文化のなかでも、やはり日本の和歌や俳句などの「短詩」の伝統は、とても特徴的なものです。
世界の人々からすると、なぜ和歌の「5-7-5-7-7(31音)」の短さで、なぜあれほどまでの感情表現や情景描写が可能なのか、不思議に映るようです。逆にいえば、その謎について学んでいけば、「日本の詩」「日本の文学」「日本の歴史の豊かさ」について、大いに自分自身の理解を深めることもできます。
そこでご覧いただきたいのが、本講義シリーズです。
◆渡部泰明先生:和歌のレトリック~技法と鑑賞(全12話)
(1)枕詞:その1
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2711&referer=push_mm_rcm1
今回のメールの冒頭で、古今東西、「詩」は重要な教養だったと述べましたが、それは日本も同じです。日本でも、歴代の天皇陛下が「御製」によってお気持ちを表し、社会を導いてきたことに象徴されるように、三十一文字(みそひともじ)の「歌」は大切な意味を持ちつづけてきました。
紀貫之による『古今和歌集』の仮名序に、日本における「歌」の意義がとても印象深く書き記されているのを、お読みになった方も多いと思います(その「仮名序」についても、渡部泰明先生にご解説いただいていますので、よろしければそちらもご覧ください)。
※渡部泰明先生:『古今和歌集』仮名序を読む (全6話)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5143&referer=push_mm_rcm3
しかし、なぜ日本の和歌は、わずか31文字であれほど深い表現が可能なのか。
この《和歌のレトリック》講義では、渡部泰明先生が「枕詞、序詞、見立て、掛詞、縁語、本歌取り」のそれぞれについて講義くださいます。全12話の講義タイトルをご紹介しましょう。
◆枕詞:その1
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
◆枕詞:その2
枕詞は畏敬を表わす呪文?…和歌の中での役割と効果とは
◆序詞:その1
枕詞よりも長く、使い方が固定的でない序詞
◆序詞:その2
和歌における序詞の役割と意味は「呪文」?
◆見立て:その1
古今和歌集の時代に発展した「見立て」…その意味と技法
◆見立て:その2
菅原道真や在原業平の和歌にみる見立ての役割
◆掛詞:その1
「掛詞」ー和歌の代表的なレトリックの魅力
◆掛詞:その2
わが身と場が運命的に重なるものとして使うのが掛詞
◆縁語:その1
百人一首に多く使われている「縁語」というレトリックとは
◆縁語:その2
紫式部が友を思い詠んだ歌…和歌における縁語の効果
◆本歌取り:その1
藤原定家が完成した「本歌取り」は古歌への恋
◆本歌取り:その2
本歌そっくりだが知れば知るほど際立つ藤原雅経の歌の工夫
非常に幅広くご解説いただいていることが、このタイトルからもご想像いただけるかと存じます。
それぞれの技法の名前や意味などは、学校の授業で学ばれた方も多いと思います。しかし、実際に歌を詠み表現していくうえで、それぞれがどのような役割を果たすものかについて、どれほどご存じでしょうか。
この講義では、各レトリックの実際や意義について、ふんだんに用例を紹介しながらご解説くださいますので、とても深く、かつ、わかりやすく理解できます。
この講義をご受講いただければ、日本人の感性や芸術性、あるいは自然観について、多くの気づきを得ていただけると思います。日本文化の伝統の豊かさとおもしろさも、あらためて発見できる講義です。ぜひご覧ください。
(※アドレス再掲)
◆渡部泰明先生:和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2711&referer=push_mm_rcm2
----------------------------------------
今週の人気講義
----------------------------------------
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純(歴史作家/江戸風俗研究家)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6101&referer=push_mm_rank
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3725&referer=push_mm_rank
欧州では不人気…木村資生の中立説とダーウィンとの違い
長谷川眞理子(総合研究大学院大学名誉教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6097&referer=push_mm_rank
AIは間違いが分からない…思考で大事なのは訂正可能性
中島隆博(東京大学東洋文化研究所長・教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6108&referer=push_mm_rank
想像以上に有能――領民に慕われた秀長のリーダーシップ
黒田基樹(駿河台大学法学部教授/日本史学博士)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6058&referer=push_mm_rank
公式X(@10mtv_opinion)では、毎日独自コンテンツを配信中!
https://x.com/10mtv_opinion
人気の講義ランキングTOP10
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子