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宇宙ビジネスの鍵を握る3つの事業とは?

宇宙ビジネスの現在と未来(3)資金調達と事業の3本柱

概要・テキスト
ビジネスにはもちろんお金がかかる。それが「宇宙」を舞台にしたプロジェクトであればなおさらだ。エンジェル投資家やベンチャーキャピタルから数十億円を調達するため、流れ星というユニークな取り組みをどのようにプレゼンテーションし、イエスを引き出したのだろうか。(全5話中第3話)
※インタビュアー:柳川範之(東京大学大学院経済学研究科教授)
時間:10:53
収録日:2019/09/10
追加日:2019/11/28
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≪全文≫

●ジレンマを避けるためのビジョンの重要性


柳川 話が各論に入るのですが、基礎科学を発展させたいという目的と、具体的なビジネスとは、必ずしも両者が一致しない場面が出てくるような気がしています。流れ星を上手に流すことに集中すると、本当は基礎研究で別のことを地道にやりたいと思っていても、人も資源も資金も使えない……そのような局面が出てくるのではないかと思うのです。そのあたりのジレンマはないのでしょうか?

岡島 今はとにかく流れ星を流そうと言ってやっているので、ジレンマはありません。ただ、するどいご指摘でして、おっしゃられるように、ジレンマが生まれてくるかもしれないとは思っています。

 そこは考えどころで、将来的にどうなるかは分かりませんが、そういったジレンマがなるべく生まれないように、ビジョンを大きく打ち立てて、ビジョンに同意してくれる人たちにご一緒していただきたいなと思っています。


●どのように資金調達を行い、会社を大きくしていったのか


柳川 ちょうどお話が出たので時系列的には少し戻る形になりますが、資金調達について伺いたいと思います。

 会社をつくって、サポートしてくれる人を集めて事業化するとなると、資金調達が必要になりますよね。どういったことを説明して、どのような人からお金を集めて会社をだんだんと大きくしていったのでしょうか。

岡島 資金調達のフェーズはいくつかありました。最初のうちはアイデアが突飛で面白いという理由から、エンジェル投資家の方々に出資してもらい、サポートしていただきました。

 そして、出資していただく以上、面白いというだけでなく、私たちの取り組みをどうやって社会に還元していくか、リターンを意識しないといけないというフェーズが、ここ2、3年でした。そのため、しっかりとしたマネタイズプランなどを弊社メンバーと一緒に考えていきました。

 結果、2019年の8月末にクローズしたシリーズAは、ベンチャーキャピタルさんからのご出資メインのラウンドとすることができました。これは、それまでは心意気を買ってくださったり、面白がってくださるエンジェルの方が中心でしたが、ビジネスとして成立すると確信をもっていただける方も応援していただけるようになったことを意味しています。


●ビジネスの鍵を握る3つの事業


柳川 なるほど。ここまでのお話から、夢があっ...
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