編集長が語る!講義の見どころ
日本の「失敗の本質」を打ち破る!(田村潤:キリンの教訓)【テンミニッツTV】
2021/06/11
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
最近、「コロナ禍で、日本が実はダメな国だったことが世界に露呈してしまった」などという言説を目にするようになりました。遅れるワクチン接種、五輪開催をめぐる混乱と迷走、見るべきところを失いつつある日本経済……。たしかにいま、「日本がどんどん墜ちていってしまっているのではないか」という漠然とした不安を感じざるをえないことも確かです。
果たして日本は、どのようにしなければいけないのか。その点で大いにヒントになる講義をピックアップして特集を設けてみました。本日はその特集のラインナップと、そのなかから田村潤先生の講義を紹介いたします。
◎本日開始の特集:「日本の失敗」の本質~負の経験を生かすために~
いずれの講義も、「失敗の本質」についての深い洞察と、「失敗を糧に立ち上がる」ための要点について語っていただいています。
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=118&referer=push_mm_feat
田村潤:なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
西山圭太:日本経済が行き詰まりの状態を続けている二つの大きな理由
柳川範之:MRJの失敗にみる「日本のものづくり」の問題点
國廣正:なぜ企業はコンプライアンスの本質から外れてしまうのか?
澤田秀雄:18年間赤字を続けた要因は「バランス」にあった?
◎講義のみどころ:キリンビールの復活劇に、日本再生のヒントを学ぶ(田村潤先生)
田村潤先生(元キリンビール代表取締役副社長)が発刊されたベストセラー『キリンビール高知支店の奇跡』(講談社プラスα新書)をご存じの方も多いのではないでしょうか?
実は田村先生は、1995年に左遷されて高知支店長に赴任したのでした。折しも、アサヒビールの「スーパードライ」が市場を席巻していた時期。高知支店は、たいへんな苦戦に陥っていました。しかし、そこから反撃を開始。高知で圧倒的なシェアを実現し、さらに四国地区、東海地区の営業責任者としても成功を収め、本社営業本部長を務めていた2009年に全国トップシェアの奪還を実現されたのです。
田村先生の本講義には、現在の日本企業の苦境の真因、そしてそこからのリカバリーのヒントが、たくさん詰まっています。
◆田村潤:営業の勝敗、キリンの教訓(全7話)
(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3861&referer=push_mm_rcm1
田村先生は、この講義第1話の冒頭で、全世界のビジネスパーソンを対象にした2017年の米ギャラップ社の調査で、日本において「やる気のある社員」の比率がたったの6%で、調査した国のなかで最下位クラスだったという衝撃的なデータを紹介されます。
かつては、「エコノミックアニマル」とまで恐れられていた日本人ですが、今や見る影もなし。なぜ、こんなことになってしまったのか。
このような状況を打開すべく、コーポレートガバナンス改革や働き方改革などが進められましたが、日本人の「やる気」は向上したでしょうか? 目に見える成果は出ていません。
田村先生は、キリンが凋落した原因と重ね合わせて、その理由を解き明かします。「キリンが危機に陥ったのは、キリンビールらしさを失ったから。日本が危機にあるのも、日本らしさを失ったからだ」というのです。
アサヒビールのスーパードライが出てくるまで、圧倒的なシェアを誇っていたキリンは、アサヒビールの快進撃を見て、自分たちの強さを見失います。そして、主力だったキリンラガービールの味を、アサヒビールの味に近づける経営判断を下します。しかし、これが悲劇的な大失敗。古くからのファンは離れ、新たなファンも獲得できず、一気に窮地に追い込まれてしまうのです。
トップシェアから落ち目になった商品を振り向く人はいません。それまで、「左うちわ」的に経営していたこともあり、キリンは我を失って、みるみる転落していきました。
田村先生が、高知支店長になったのは、まさにそのタイミングでした。「このままでは、つぶれるかもしれない」。悩みに悩んだ田村先生は、「お客さまのために最高のビールづくりに挑戦していくのがキリンビールの伝統であり、理念だった。これを高知支店のメンバーで、もう一度つくろう。おいしいビールを提供して、高知の人に喜んでもらうのが自分たちの使命だ」と気づきます。そこで、キリンの経営理念の「ほこり」を払い、本来の「理念」に基づく経営を進めていこうと考えます。
そこから、反撃のドラマが切って落とされるのですが……しかし普通に考えると、現代の日本では「経営理念など、ひと昔前の古い手法」「ただのスローガン」「非合理的」と思われがちです。それはキリンビール高知支店の当時のメンバーも同じこと。そこを田村先生がいかに切り拓き、いかに驚くべき成果を上げていったのか。
その点について、田村先生は多くの事例を挙げて、とても具体的に教えてくださいます。「自分のためには頑張れないが、誰かのためには頑張れる」「精神論は不可。『理念が実現した状態』を具体的に定義せよ」「お客さまのためを考えて、うまくいくまでやり続けると、知恵がどんどん出てきて百戦百勝になってしまう」「実行する側に『自由』がないと、『行動する勇気』がわいてこない」「ノウハウでは勝てない。大切なのはスタイル」などの大切なポイントが印象深く、心に染み込んできます。
キリンビールの復活劇について学ぶことで、本当に大切なことが何かが腑に落ち、日本全体の復活のための貴重なヒントも得られる講義です。
(※アドレス再掲)
◆特集:「日本の失敗」の本質~負の経験を生かすために~
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=118&referer=push_mm_feat
◆田村潤:営業の勝敗、キリンの教訓(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3861&referer=push_mm_rcm2
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レッツビギン! 穴埋め問題
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今回は、「1ドル札」についての問題です。ではレッツビギン。
1ドル札の裏の国章ですが、ピラミッドの一番下に書いてある記号は、ローマ数字で「 」を意味しています。
「 」にはアメリカのある記念の年が入ります。さて何が入るでしょう。答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3709&referer=push_mm_quiz
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編集後記
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編集部の加藤です。今回のメルマガ、いかがでしたか。
さて本日よりワクチンの専門家である内田智士先生(京都府立医科大学 大学院医学研究科 准教授)による新シリーズ講義「感染症予防・がん治療に使えるmRNAワクチン」が始まりました。
コロナだけでなく個別化医療の可能性を秘めたmRNAワクチン
(1)mRNAとは何か
内田智士(京都府立医科大学 大学院医学研究科 准教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4042&referer=push_mm_edt
mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンは、新型コロナウイルス感染症の予防ワクチンとして世界に普及して、現在接種が始まっているワクチンです。
そして、さらに注目すべきはこのmRNAワクチンが「感染症を予防するだけではなく、がんの治療にも使える」ということです。
いったいどういうことなのでしょうか。その詳細が5話にわたって展開されます。
2話目以降も非常に大事なお話が続きますので、ぜひシリーズを通してご視聴ください。毎週金曜日配信の予定です。、
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テンミニッツ・アカデミー編集部