編集長が語る!講義の見どころ
哲学的に考えてみる(特集&津崎・五十嵐先生の哲学カフェ)【テンミニッツTV】
2021/08/20
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
自分の頭で「哲学的」に考えてみる。そんなことができたら、どんなに素晴らしいだろうと思ったことはないでしょうか。敷居が高そうですが、実は案外そうでもありません。よい導き手さえいれば、様々なことを考えることができるものです。
現在、各大学の哲学科の先生方が「哲学カフェ」なるイベントを開催しています。フランスの哲学者マルク・ソーデが、パリのバスティーユ広場で哲学カフェを開いたのが最初といわれます。テンミニッツTVにご登場いただいている津崎良典先生、五十嵐沙千子先生が所属されている筑波大学人文社会科学研究科哲学・思想専攻でも、「ソクラテス・サンバ・カフェ」という哲学カフェを毎月開催しています(現在はzoom開催)。
「哲学カフェ」とは何かを知るのに、この「ソクラテス・サンバ・カフェ」のウェブサイトでの説明がわかりやすいので、引用してみましょう。
《哲学カフェってなに? ここはどんなところ?
身近なテーマについて哲学者を交えて話合うイベント=「哲学カフェ」は、コーヒーやお茶などを飲みながら、自分たちがふだん考えているあらゆるテーマについて議論し、考えをシェアしていく「街角のカフェ」です。ここは「教室」ではありません。だからここには「先生」も「生徒」もいません。古今の哲学者の考えや思想史を講義する「授業」もありません。当然、「正解」も「解答」もありません。わたしたちがやりたいのは、ただ、わたしたち参加者が対等の市民たちとして、哲学の難しいことばを使わずに、日常の言葉で自分の考えを率直に他者に伝え、他者の考えを聞き、一緒に考えていくこと。自分とは異なる考え方を持つ他者たちと一緒に考え、「答え」を探していくこと。それだけです》
参加してみると、まことに楽しい「哲学的にものを考えてみる場」です。本日は、まさに哲学カフェのように「哲学で考えてみる」講義を集めた特集と、そのなかから津崎・五十嵐両先生の最新講義を紹介いたしましょう。
■本日開始の特集:哲学的に考えてみる
いま流行りの哲学カフェ的な問題設定で、その方法を教えてくれる講義を厳選。深く考えるためのヒントが満載です。
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=128&referer=push_mm_feat
津崎良典/五十嵐沙千子:「哲学カフェ」再現講義第二弾「教養とは何か」語り尽くす
中島隆博/納富信留:「正しい言葉とは何か」とは、古来議論されているテーマ
一ノ瀬正樹:原因と結果の迷宮―因果関係と哲学
津崎良典/五十嵐沙千子:「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
■講義のみどころ:哲学カフェで「教養」の本質を考える(津崎良典先生/五十嵐沙千子先生)
本日ピックアップするのは、テンミニッツTVの哲学カフェともいえる津崎・五十嵐両先生の対談講義です。2020年7月から両先生の「幸福論」についての対話を配信して、大好評をいただきましたが、今回は「教養」について縦横無尽に語っていただいています。
◆津崎良典/五十嵐沙千子「教養とは何か」を考えてみよう(全15話)
(1)「あの人って教養あるよね」とは
「哲学カフェ」再現講義第二弾「教養とは何か」語り尽くす
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3986&referer=push_mm_rcm1
哲学カフェ講義はどのような雰囲気で話が進むのか……。それは、ぜひ講義本編をご覧ください。両先生のやわらかな対話に導かれて、「教養とは何か」という本質について、次々と「考えてみる」ことができます。
本講義の議論の流れのなかでは、たとえば次のような哲学者の言葉が次々と登場してきます。
●パスカルが語る「オネットム(=素晴らしい人間)」。
●レヴィ=ストロースが語る「ブリコルール(=手持ちのもので何かつくっていくこと)」
●キケロが語る「クルトゥラ・アニミ(=魂の教養)」
●ヘーゲルが語る「普遍性を目指す永遠の歩み」
●アーレントが語る「多様性」
●ライプニッツが語る「不可識別者同一の原理」
●セネカが語る「運命の逆境」
●ハイデガーが語る「抛下(放下)=リラックス」
●ハーバーマスが語る「人間の社会化と自己疎外」
●プラトンが語らなかった「ある事柄」
●福澤諭吉の語る「修身の大切さ」……などなど。
また、「教養がある人はどういう人か」については、次のようなメッセージが提起されます。
●「教養がある人は何か一つだけに秀でているのではなくて、いろんなことにそれなりに、ある程度の知識や理解がある」
●「教養がある人は本来の在り方を拡張し、文脈をつくり変えていく」
●「教養がある人は、全然関係がなかったような知識や情報やデータなどとの間に見えなかったミッシングリンクを見つける」
●「教養のある人は『知識の箱』に縛られていない」
●「教養のある人は、『死者(相手を決めつけて、遮断する人間)』ではない」……などなど。
このように列挙すると、何やら難しそうですが、この講義は「哲学カフェ」ですので、とてもわかりやすく、その「こころ」が語られていくのです。まさに「目からウロコ」の時間が続いていきます。
講義のなかで、「鍬(クワ)で畑を耕すのは『畑が痛い』」というたとえ話が出てきます。安定した安全な世界に鍬を入れられるのは、すごく痛いことではないか、ということです。しかし、それをやって答えを求めていくのが哲学であり、教養なのかもしれません。
また、講義の最後の「深掘り編」3話では、教養を学ぼうとする者が陥りやすいケースについて、真摯に(哲学的に)お答えいただいています。
本編が12話、質疑の深掘り編が3話の全15話という長いシリーズですが、ゆったりと浸って、様々なことに思いを馳せることができる珠玉の「哲学カフェ」ですので、ぜひお気に入りのお茶やコーヒーを片手に楽しんでみてはいかがでしょうか。
(アドレス再掲)
◆特集:哲学的に考えてみる
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=128&referer=push_mm_feat
◆津崎良典/五十嵐沙千子「教養とは何か」を考えてみよう(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3986&referer=push_mm_rcm2
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レッツビギン! 穴埋め問題
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今回は、「渋沢栄一」についての問題です。ではレッツビギン。
渋沢は天保11年、なんと1840年に生まれました。「なんと」と言ったのは、これが「 」の年にあたるからです。
さて「 」には何が入るでしょう。答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4101&referer=push_mm_quiz
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編集後記
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今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。
さて最近、『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』という本を読み始めています。
『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』(ブレイディみかこ著、文藝春秋)
https://www.amazon.co.jp/dp/4163913920/
この本は、一昨年『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』が大ヒットしたブレイディみかこ氏の著書で、すでにお読みになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
なぜこの本を読み始めたかというと、実は本日配信開始の特集でも取り上げている津崎先生と五十嵐先生のシリーズ講義<「教養とは何か」を考えてみよう>のなかで、両先生が「エンパシー」のついて触れているのがとても印象に残っていたからです。
シンパシーとエンパシーの違いと「教養」について考える
津崎良典(筑波大学人文社会系准教授)
五十嵐沙千子(筑波大学人文社会科学研究科准教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3989&referer=push_mm_edt
講義の中では、シンパシーとエンパシーの違いから、エンパシー、つまり「相手の靴を履く」ことについての意味を解説されているのですが、このことは8月3日のメルマガのテーマだった「利他」ともつながる話。今回紹介した本はもちろんのこと、この講義も非常に興味深く、改めて「利他」について考えさせられます。
すでにご視聴された方はもう一度、これからという方はぜひご視聴ください。
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