編集長が語る!講義の見どころ
満洲事変から90年。その真実とは(特集&小澤俊夫先生)【テンミニッツTV】
2021/09/10
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
満洲事変が起きたのは、昭和6年(1931年)9月18日。ちょうどいまから90年前ということになります。
「満洲事変は日本の侵略」。そう言い切ってしまうと、歴史の大事な教訓を見失いかねません。当時、満洲をめぐる情勢はまことに複雑であり、さらに日本のご都合主義的な政策や、いわゆる「軟弱外交」が大きく影を落していたからです。加えて、そこに諸外国の思惑も絡まり……。
「日本のこれから」を考えるうえでも、実際に90年前に何が起きていたのかを知ることは重要でしょう。本日は満洲事変を考える講義を集めた特集と、そのなかから小澤俊夫先生の講義を紹介いたします。
■本日開始の特集:満洲事変から90年~その歴史的意味とは
なぜ満洲事変は起きたのか? この事変が歴史に与えた影響とは? 日本の運命の岐路となった事件を多角的に検証できる講義を集めました。
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=131&referer=push_mm_feat
小澤俊夫:「五族協和」に命を懸けた小澤俊夫・征爾・幹雄兄弟の父
片山杜秀:「100年戦争」と考えて戦争に突入した日本の現実
渡部昇一:放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
■講座のみどころ:満洲事変の「真実」~そのとき現地で何が起きていたのか
本日ピックアップするのは、満洲事変の当時、現地にいた日本人たちが何に直面し、何を考えていたのかを知ることができる講義です。指揮者・小澤征爾さんの実兄である小澤俊夫先生(小澤昔ばなし研究所所長/筑波大学名誉教授)に、父・小澤開作について語っていただいたものです。
小澤開作は知名度は低いですが、実は満洲事変において大きな役割を果たしていました。またその活動は、当時の日本人の心意気や理想を体現したものでもありました。
小澤俊夫先生の洒脱な語り口に魅了されながら、当時の真実が学べる講義です。
◆小澤俊夫:小澤開作と満洲事変・日中戦争(全10話)
(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
「五族協和」に命を懸けた小澤俊夫・征爾・幹雄兄弟の父
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3606&referer=push_mm_rcm1
小澤征爾さんの「征爾」の字が、満洲事変を主導した板垣征四郎と石原莞爾の名前から取られていることをご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
小澤俊夫先生、小澤征爾さん、俳優でエッセイストの小澤幹雄さんの父・小澤開作は、満洲事変の当時、長春(満洲国時代は新京)で歯科医を営みつつ、満洲在住の日本人の集まりである「満洲青年連盟」の一員として活動をしていました。そして、満洲事変や日中戦争に関わっていくことになります。
満洲事変直前の1931年7月、長春近郊で「万宝山事件」が起こります。これは朝鮮人農民が開拓していた農地や用水路を、中国人の官憲が破壊しようとしたことに端を発するものでした。
実は、満洲で日本人は厳しい排斥運動に直面していました。満洲を支配していた張学良政権は、「日本人や朝鮮人に土地を貸したり売ったりした者は、国土を盗売した者として処罰する」という「盗売国土懲罰令」まで制定していました。
とりわけ、立場の弱い朝鮮人(朝鮮併合後、日本国民として扱われていました)に対する攻撃が激しく、満洲各地で土地を奪われたり、追放されたり、監獄に入れられるケースが続出します。万宝山事件はその一例でした。
当時、満洲に日本人が居住していたのは、日露戦争後、日露間で結ばれたポーツマス条約と、日清間で結ばれた満洲善後条約(満洲ニ關スル条約)に基づくものでした。にもかかわらず、いわば国際法違反のような形で、迫害・排斥が続いたのです。
万宝山事件に直面した朝鮮人農民たちは、当時、満洲青年連盟長春支部の中心人物であった小澤開作に救いを求めます。義憤にかられた小澤開作は、満洲青年連盟を突き動かし、万宝山事件に対する抗議活動を行なうとともに、事実を広く知らせるべく演説会や日本遊説などを行なって世論を喚起していきました。
当時、日本の外務大臣は幣原喜重郎。「平和外交」を標榜する幣原は、満洲での排日運動に有効な手を打ちません。繰り返される迫害に、在満邦人の怒りと不満は高まっていました。この大きな怒りと不満が、満洲事変の大きな背景となっていくのです。
満洲事変が勃発すると、小澤開作や満洲青年連盟は積極的に支援活動を展開します。小澤開作は私費を投じて、なんと長春に飛行場を建設。さらに満洲青年連盟のメンバーとともに、満洲人や漢人に働きかけを行なっていきます。
小澤開作はじめ満洲青年連盟のメンバーたちは「民族協和」という理想を真剣に掲げ、満洲に住まうすべての人々のための独立国を建国すべく奔走。「満洲国協和会」の結成に至ります。しかし、権益主義的な軍官僚や経済官僚が満洲の地にやってきて、その理想は挫折していくことになるのです。
小澤開作の中国での活動のエピソードや、昭和史を彩る多くの軍人たちや小林秀雄をはじめとする有識者たちとの交友から、当時の雰囲気や日本人の想いが手に取るように伝わってきます。また、日本に帰国した後に奔走した和平工作や、終戦の日に語った「日本人は長いこと涙を忘れてきた。これで涙を知ることはいいことだ」という言葉、さらに戦後の小澤俊夫・小澤征爾兄弟との逸話などから、小澤開作の魅力的な人柄をうかがい知ることができます。
なぜ、満洲事変は起きたのか。そして、理想はなぜ挫折したのか。自ら行動を起こし、様々な現場を経験することになった小澤開作の姿から、いまこそ多くを学ぶべきではないでしょうか。
(※アドレス再掲)
◆特集:満洲事変から90年~その歴史的意味とは
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=131&referer=push_mm_feat
◆小澤俊夫:小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3606&referer=push_mm_rcm2
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レッツビギン! 穴埋め問題
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今回は、「ダーウィンの研究」についての問題です。ではレッツビギン。
ダーウィンの主張は、地面は「 」によってつくられているということです。「 」は4億年前からこういうことをやっているそうです。日本にも研究者がいて、間違いないことなのです。
さて「 」には同じ生物の名前が入ります。何が入るでしょう。答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2880&referer=push_mm_quiz
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編集後記
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今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。
さて先週の土曜日(9月4日)から高橋孝雄先生(慶應義塾大学医学部 小児科主任教授)のシリーズ講義<現代の小児科学と最高の子育て>の配信が始まりました。
◆高橋孝雄:現代の小児科学と最高の子育て(全7話予定)
(1)現代の小児科学の役割
困難の克服と幸せな人生の獲得、それが小児科学の目的
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4148&referer=push_mm_edt
高橋先生は話題になった『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』(マガジンハウス)の著者ですが、今回のシリーズ講義でもそのエッセンスを分かりやすく丁寧にお話されています。
明日(9月11日)は第2話「遺伝子と環境の相互関係」についてのお話です。現在子育て真っ只中という方だけでなく、どの世代の方にも聴いていただきたいお話が続きます。3話目以降も毎週土曜日配信予定です。ぜひシリーズを通してご視聴ください。
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