編集長が語る!講義の見どころ
バイデン大統領のアメリカはどうなる(特集&小原雅博先生)【テンミニッツTV】
2021/10/15
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
アメリカでは、「トップ1%が国の富の約40%をコントロールしている」といわれるほど格差が広がり、それを背景に社会の分断も進みました。前任のトランプ政権が誕生したのも、白人労働者層の不満を背景にしてのことだったことは記憶に新しいところです。
そのトランプ氏をバイデン氏が破ったアメリカ大統領選挙から、1年が経とうとしています。
とはいえ、アメリカの分断と対立に終止符が打たれたわけではありません。バイデン政権は2022会計年度で「6兆ドル」の歳出要求をしましたが、米議会の共和党が反発。審議はなお続き、とりあえずこの10月初旬には、つなぎ予算と債務上限の一時的引き上げ法案が可決しました。
そもそも、バイデン大統領がめざすものは何なのでしょうか。いまアメリカはどのような状況に置かれているのでしょうか。そして世界は……。
本日は、そのことを考えるのに最適な講座を集めた特集と、そのなかから小原雅博先生(東京大学名誉教授)の講座を紹介いたします。
■本日開始の特集:バイデン大統領のアメリカはどうなる
はたしてバイデン大統領はどのようなリーダーなのか? その政策は? 歴史的な位置づけは? そしてアメリカは今後、どうなっていくのか? さまざまな視点から、今後のアメリカと世界を読んでいきます。
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=136&referer=push_mm_feat
小原雅博:10分でわかるバイデン政権
小原雅博:史上最高齢のバイデン大統領に立ちはだかる大きな試練
東秀敏:アメリカ史上80年ごとの制度サイクルを生んだ3つの戦争とは
中西輝政:湾岸戦争以来のアメリカ一国主義時代が終わろうとしている
神藏孝之:アメリカの全体像をつかむ上で理解すべき「いくつもの顔」
■講座のみどころ:バイデンの政治とアメリカの行方(小原雅博先生)
本日ピックアップするのは、小原雅博先生の講座です。
この講座は、第1話の「10分でわかるバイデン政権」と、第2話以降の「深掘り講義」で構成されています。コンパクトに要点を知りたい方は第1話を、さらに背景や今後の展望などを探りたい方は第2話以降もご覧いただければ幸いです。
◆小原雅博:バイデンの政治とアメリカの民主主義(全4話)
(1)バイデン政権の特徴
10分でわかるバイデン政権
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4156&referer=push_mm_rcm1
今回の講座での小原先生のお話の内容は、
・バイデン大統領の経歴と高齢ゆえの問題
・バイデン大統領のめざす政治
・バイデン大統領が直面している国内、国際状況
・日本に求められること
に集約されるでしょう。
バイデン大統領の経歴では、ブルーカラーの両親から生まれ、吃音(きつおん)で苦労したこと。さらに29歳で上院議員に当選した直後、交通事故で妻子を亡くす悲劇に見舞われたこと。上院議員として36年間務めたことなどが紹介されます。自身の苦労や悲劇を乗り越え、長い議員経験のなかで幅広い人脈を築き、信頼と支持を培ってきたのがバイデン大統領なのです。
ただし、バイデン大統領は、いまの任期が終わると82歳になっています。レーガン大統領が辞めたのが77歳ということを考えると、任期中も、そして任期後も予断を許しません。彼の政策の継続性ということを考えたときに、不安が残るのも確かです。
バイデン大統領がめざす政治として、小原先生は以下の3つを挙げます。
・米国の魂をかけた戦い
・中産階級の再建
・1つのアメリカとして行動するための結束
バイデン大統領は、”America is an idea“と訴え、「アメリカは理念の国であり、建国の理想があって、世界を照らす民主主義の灯台になる」と強調します。
この背景となっているアメリカの分断について、深掘り講義で小原先生は全米でベストセラーになったJ.D.ヴァンスの『ヒルビリー・エレジー』という本を紹介くださいます。アメリカの白人労働者階層の実情を描きつつ、彼らがいかにアメリカの繁栄から取り残されたと感じ、政府に不満や憤りを覚えているのかを示した本です。
このような社会的分断に対し、バイデン大統領はその経歴もあって「中道路線」を標榜していますが、たとえば白人層ではバイデン不支持のほうが支持を上回っています。前任のトランプ氏も、次の大統領選挙を見越して活動を続けています。
そのなかでバイデン大統領は、中産階級の再建をめざし、小さな政府から大きな政府への転換を図ろうとしています。ある意味では「世界を照らす民主主義の灯台」であるための戦いといえるかもしれません。
加えて、中産階級の幸福を実現することは、中国との対抗上も必須です。アメリカ社会が分断され民主主義が混迷すればするほど、中国の「自分たちの権威主義体制のほうが優れている」というプロパガンダが威力を増すことになるからです。
しかし、その中国も、恒大ショックに見られるように変調を来しつつあります。そうなるとお互いに理念を唱導して譲らぬ米中両国はどのように動いていくのか。ここも今後、注視すべきところでしょう。
小原先生は日本もアメリカも「ダブルスタンダードでは通用しない」と指摘し、民主主義のレジリエンスを示していかなくてはいけないとおっしゃいます。それはどのようなことかは、ぜひ「第4話」をご覧ください。
バイデン政権の根本と背景がよく理解できる講座です。
(※アドレス再掲)
◆特集:バイデン大統領のアメリカはどうなる
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=136&referer=push_mm_feat
◆小原雅博:バイデンの政治とアメリカの民主主義(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4156&referer=push_mm_rcm2
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レッツビギン! 穴埋め問題
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今回は、「水とナノテクノロジーの関係」についての問題です。ではレッツビギン。
雲は地球上で活動する生命を過酷な宇宙環境から守るブランケットのような役割を果たしています。そして、その正体は( )の集まりです。
さて( )には何が入るでしょう。答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4119&referer=push_mm_quiz
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編集後記
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今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。
さて皆さま、本日(10月15日)は「世界手洗いの日(Global Handwashing Day)」だということをご存じでしょうか。
「世界手洗いの日」サイトにはこうありました。
https://handwashing.jp/what.html
《世界で、5歳の誕生日を迎えずに、命を終える子どもたちは年間520万人。その原因の多くは、予防可能な病気です。
(中略)
もし、せっけんを使って、正しく手を洗うことができたら。 年間100万人もの子どもの命が守られ、また、下痢によって学校を休まなければいけない子どもたちが大幅に減ります》
ということで、手洗いがいかに大事か、そのことをコロナ禍で改めて実感している方も多いのではないでしょうか。
最後に以下の講義をお伝えして、今回のメルマガを終わりたいと思います。
手洗い、隔離、BCG接種の効果とは?
堀江重郎(順天堂大学医学部大学院医学研究科 教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3321&referer=push_mm_edt
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