編集長が語る!講義の見どころ
「日本人」らしさの本質を読み解く(特集&鎌田東二先生)【テンミニッツTV】

2021/10/22

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。

「日本人らしさ」とは、どのようなことなのでしょうか。これは、なかなか興味深くも、難しい問題です。

もちろん日本人にだって、一人ひとりに個性がありますから、「日本人らしさ」なる概念ですべてを説明できるものではないはずです。が、しかし、「日本人らしさ」というものは、確かにあるような気がします。

そのような興味深くも難しい「日本人らしさ」を探るためには、それこそ多面的なアプローチが必要でしょう。その点、テンミニッツTVでは、それにふさわしい講座をいくつも配信しています。本日は、そのような講座を集めた特集と、そのなかから鎌田東二先生(京都大学名誉教授)の講義を紹介いたします。


■本日開始の特集:「日本人」らしさの本質を読み解く

「日本人とは何か」。この大問題に様々なアプローチで迫ります。世界の神話と日本の神話の比較からわかること。縄文文明からのメッセージ。日本哲学や日本仏教から見えてくること…。知的好奇心が刺激されるテンミニッツTVならではのラインナップです。

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=138&referer=push_mm_feat

鎌田東二:世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
田口佳史:日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化
中島隆博/納富信留:日本人の価値観は何によって形成されているのか
頼住光子:10分でわかる「日本仏教・3つの特徴」
※「頼」は、実際は旧字体


■講座のみどころ:日本と世界の神話の違いから見えるものは?(鎌田東二先生)

本日ピックアップするのは、鎌田東二先生の講座です。

鎌田先生は、日本神道から世界の神話、民俗学まで、広大な領域を深く掘り下げられ、多くの専門家とともに共同研究も繰り返してこられました。テンミニッツTVでも、その視野の広さと視点の高さをいかした、鎌田先生ならではの講義を進めていただいています。

◆鎌田東二:神話の「世界観」~日本と世界(全8話)
(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4169&referer=push_mm_rcm1

鎌田東二先生の講座といえば、第1シリーズも大人気でした。

第1シリーズでは、最初に世界の神話と日本神話の「人間観」の違いにふれたうえで、『古事記』と『日本書紀』がどのように違っているのかを深掘りいただきました。

(世界神話の中の古事記・日本書紀:全9話)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3943&referer=push_mm_rcm3

今回の第2シリーズでは、世界の神話と日本神話の「世界観」の違いから見えるものについて、縦横無尽にお話しいただいています。この第2シリーズで語られることを、以下に列挙してみましょう。

・ジョーゼフ・キャンベル『神話の力』。
・インド神話のブラフマンとヴィシュヌとシヴァ。
・北欧神話のオーディン、トール、フレイ。
・寺田寅彦の「神話と地球物理学」。
・日本神話と北欧神話は「終末論があるか、ないか」が決定的に違う。
・不老不死への考え方~北欧やギリシャの「黄金のリンゴ」と日本の「非時香菓」。
・スサノオと火山(寺田寅彦)。
・国引き神話とプレート理論(寺田寅彦)。
・ワノフスキー(2つのヒ=FireとSunの戦い)。
・寺田寅彦の「災害雑考」。
・くらげなす漂える国の「ムスヒ」への信頼。
・ムスヒ的な「原恩」の思想と、河合隼雄の「原悲」の思想。
・幸魂と荒魂~自然の恩恵と災害と感染症。
・アマテラス祭祀の始まり。
・式年遷宮や、天皇による祭祀(即位)が続いている不思議な国。

これだけ膨大な話題が次々に語られていく本講座。視聴すると、それぞれのエピソードや神話の違いから、「日本の特徴」が明瞭に浮かび上がってきます。

たとえば、日本神話と北欧神話は「終末論があるか、ないか」が決定的に違う話。鎌田先生は、日本神話の解釈と北欧神話の解釈で大きく違うのは、端的にいえば「氷と火」だとおっしゃいます。これは火山列島・日本と、北極圏の北欧の違いを、明確に反映しています。

しかも北欧神話では、神々の最終戦争が起こり、世界が滅んでしまう。滅んでしまうけれども、また蘇りそう……という世界観が描かれます。

一方の日本神話では、神々が天皇や日本人に与えているミッションは、「くらげなす漂える国」を「修め、つくり、固め、成せ(修理固成しなさい)」ということ。つまり、「適度に手をかけながらメンテナンスしていきなさい」ということなのです。まさに「天壌無窮(=あめつち、きわまることなかれ)」です。

さらに、鎌田先生は、災害が多い日本ならではの神話の考え方についてもお話しくださいます。

たとえば、アマテラスオオミカミが天岩戸にお隠れになったという神話をどう解釈するか。「これは日蝕現象を象徴している」という見方はお聞きになったことがある方も多いと思いますが、有名な物理学者・寺田寅彦(1878年~1935年)は、これを火山の噴火と連動させて考えたのだといいます。

というのも、寺田寅彦は、アマテラスオオミカミの弟神であるスサノオノミコトについて、「火山現象を如実に連想させるものがはなはだ多い」としているからです。

そう思って見てみると、日本神話のあの場面、この場面は、実は……、と話が続いていきます。さらに、亡命ロシア人のワノフスキーが、日本の神話を「火(fire)」と「日(sun)」の2つの「ヒ」の対立として解釈した話も紹介されます。

ことほどさように、パートをいくつか取り上げるだけで、いかに広範な話題が展開されるか、ご理解いただけることと思います。神話をきっかけに、とても多くのことを考えさせてくれる講座です。ぜひご覧ください。


(※アドレス再掲)
◆特集:「日本人」らしさの本質を読み解く
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=138&referer=push_mm_feat

◆鎌田東二:神話の「世界観」~日本と世界(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4169&referer=push_mm_rcm2


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レッツビギン! 穴埋め問題
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今回は、「習近平思想」についての問題です。ではレッツビギン。

2017年の党大会で、党の憲法でもある党の規約に、習近平思想を盛り込みました。「思想」という言葉を使ったのは(   )以来です。

さて(   )には何が入るでしょう。答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4155&referer=push_mm_quiz


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編集後記
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今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。

さて先日、テンミニッツTVを視聴される主な時間帯のことを取り上げましたが、皆さまのなかには「食事の支度中」とか「お料理をしながら」といった方もいらっしゃいました。
食は生活の三大要素の大事な一つですから、そのための貴重な時間にテンミニッツTVがお役に立てているのは大変光栄なことです。今後ともよろしくお願いいたします。

最後に「食」と「こころ」を考えるということで、以下の講義を紹介して今回のメルマガを終わりたいと思います。

食べ物のおいしさは味や匂いだけでは決まらない
和田有史(立命館大学食マネジメント学部 教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2334&referer=push_mm_edt