昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編
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ソ連軍に断乎反撃せよ…終戦後の占守島侵攻をなぜ撃破できたか
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(3)占守島での「戦後の激闘」
1945年8月15日に終戦となった後、千島列島のソ連との国境の島・占守島に、突如としてソ連軍が侵攻を開始した。スターリンが率いるソ連は、北海道の占領をも狙っていたのだ。この国家存亡の危機に「断乎反撃」を命じたのが、樋口季一郎である。終戦後であるにもかかわらず、なぜ樋口はその決断が下せたのか。さらに「戦車の神様」と称えられた池田末男ら精鋭部隊が、命を賭した猛攻でソ連の野望を挫く。日本の分断を阻止し、現代の日本の「国のかたち」を死守した激闘に迫る。(全4話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:16分27秒
収録日:2019年7月30日
追加日:2026年5月28日
≪全文≫

●終戦後、北海道を奪わんとするソ連軍の侵攻への「断乎反撃」


―― ちょうど今は撤退ですね。奇跡の撤退戦といわれる撤退の話になるわけですが、三つ目のポイントとして挙げられたのが終戦後ですね。今度は撤退どころか、戦争が終わったにもかかわらず、撃滅せよという命令を出す局面になったわけですけれど、それが占守島の戦いというところですね。

早坂 そうですね。占守島の戦いですね。これは終戦後になるのですね。昭和20(1945)年の8月17日から18日にかけての夜に、ソ連軍が占守島に攻撃をしてくる。(つまり)ソ連の侵攻が始まるということなのです。

 まず、占守島は千島列島の一番北にある島で、カムチャッカ半島と目と鼻の先というような島なのですね。ここにも守備隊がいて、まさにキスカ(島)から撤退した兵もいたのです。占守島は北の最前線ですね、そこで守っていたということなのです。

―― ソ連との国境線ですね。

早坂 そういうことです。

―― 当時の状況を簡単に振り返ると、日本とソ連は中立条約を結んでいたと。

早坂 そうです。日ソ中立条約があったのですが、これは話を少しさかのぼると、昭和20年2月にヤルタ会談がありました。米ソ、それから英ですね。ルーズベルトとスターリンとチャーチルがクリミア半島のヤルタで会談をする。そこで密約があった。要するに、そのときにスターリンが言ったのは、対日参戦するから、千島列島と南樺太は領有するということで、ルーズベルトもそれを飲むわけです。これが密約なのですね。

 ところが、その後に、昭和20年の4月にルーズベルトは亡くなって、(アメリカの大統領が)トルーマンに代わるのです。昭和20年の8月15日に日本が降伏するわけですが、トルーマンはスターリンに対して、千島列島はダメだと言うわけです。これに対して、スターリンは「自分たちが取る」と。そして、北海道も北の半分、留萌と釧路を結んだ北側、これは領有するということをスターリンは言うわけです。

 8月15日が終わって、日本側はもう武装解除しているわけです。当たり前ですけれど、戦争は終わったということで、占守島にいた兵士たちも戦車をばらして、海に捨てようかとか(している)。夜にはお酒を飲んで、故郷に帰ったら何をしようかと、そういう状況だったわけです。

 ところが、8月17日未明から18日にかけて、占守島にソ連軍が侵攻してきた。と...

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