編集長が語る!講義の見どころ
近年話題の「健康経営」とは何か(特集&阿久津聡先生)【テンミニッツTV】
2021/11/05
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。
「健康経営」という言葉を聞いたことが、おありでしょうか? 企業の経営者や人事担当者などに聞くと、「いま、最重要の課題です」という声も多く上がります。
とはいえ、この言葉を聞いたことがある人でも、「その内容を本当に理解できていますか?」と問われると不安になる方も多いのではないでしょうか。
実際に、《ビジネスパーソン365名を対象にしたアンケートで、「言葉も内容も知っている」という答えが21%。「聞いたことがあるが、内容はわからない」という方が36%。「聞いたことがない」という方が43%》という指摘もなされています(阿久津聡先生の講義より)。
本日は、この「健康経営」についての特集と、そのなかから阿久津聡先生(一橋大学大学院経営管理研究科国際企業戦略専攻教授)に、「10分でわかる」と銘打って教えていただいた概論講義を紹介いたします。
■本日開始の特集:健康経営の必要性と取り組み
近年、企業経営の最重要課題の1つともいわれている健康経営。今回の特集では、各分野の有識者に健康経営の必要性とその具体的な取り組みについて語っていただいた講座や、さまざまな確度から関連する内容を語っていただいた講座を紹介します。
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=140&referer=push_mm_feat
・阿久津聡:10分でわかる「健康経営」
・今村聡:就労ストレス50%以上!健康経営のため企業がすべきこと
・新浪剛史:生え抜きでないから見える「サントリーの面白さ」
・久住時男:「健幸ポイント」制度導入によるブレイクスルー
・神代雅晴:「労働寿命」が延びれば「健康寿命」も延びる
■講座のみどころ:10分でわかる健康経営(阿久津聡先生)
本日ピックアップする阿久津聡先生は、まさに健康経営の第一人者ともいえる先生です。健康経営論のほかに、マーケティング、ブランド論、消費者心理学などをご専門とされています。
テンミニッツTVでは現在、阿久津先生に、健康経営について「10分でわかる」概論講義を配信していますが、11月10日から、さらに詳細に解説いただいた「深掘り講義」(シリーズ講義「健康経営ブランディングのすすめ」)も配信する予定です。
◆阿久津聡:健康経営とは何か~その取り組みと期待される役割~(全1話)
10分でわかる「健康経営」
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4179&referer=push_mm_rcm1
「健康経営」の基になるのは、19世紀から構築されてきた「産業保健体制」です。これまで日本でも、工場法、労働基準法、労働安全衛生法などの法律がつくられてきて、職場での健康診断なども行なわれてきました。これらは厚生労働省が主導して進められてきたものです。
それに対して、「健康経営」を推進しているのは経産省です。なぜ経産省が進めているのでしょうか。
その背景には、アメリカで、1992年にRosen and Bergerの『The Healthy Company』という書籍が出版され、「会社は従業員の健康に戦略的に投資をすることで、しっかりとリターンが得られる」と唱えられたことがありました。実際にJohnson & Johnsonでは、1ドルの投資に対して3ドルのリターンがあったということも指摘されました。
この「リターン」とは、どのようなものなのでしょうか。Johnson & Johnsonの例でいえば、人件費や設備費などに健康投資をすると、そのリターンとして、生産性の向上や医療コストの削減、モチベーションの向上、リクルート効果につながるのだといいます。さらに、企業のイメージアップにつながり、企業ブランドの価値が向上し、株価上昇を通じた時価総額のアップにまでつながるのです。
阿久津先生はこうおっしゃいます。
《産業保健は法令順守、そして福利厚生の一部としていろいろな取り組みをしてきました。したがって、これはやはり会社の責務としての「守りの産業保健活動」といえるのではないでしょうか。一方で健康経営は、経営的なリターンを狙います。従業員の健康への投資として、より戦略的に考え、企業理念の実現によって高収益を目指します。いわゆる攻めの発想、経営手法と考えて良いと思います。産業保健を基盤としながらも、経営理念が土台にあって、そこから企業価値を創造し、さらには社会貢献をしていくというものです》
さらにいえば、このような取り組みを進めることで、長期的には社会全体としての医療費の削減も期待できるといいます。
とはいえ、すべての企業でこのような成果がすぐに上がっているわけではありません。もちろんのことですが、外部から「この会社は健康経営に力を入れている」と評価されなければ、イメージアップや社員のモチベーションアップ、さらにリクルート効果のアップにもつながりません。
だからこそ、健康経営を進めるに当たっては「企業ブランディング」をしっかりと行なっていくことが重要だと阿久津先生はおっしゃるのです。
健康経営について、まず、あらましを知りたいという方には、この《10分でわかる「健康経営」》講義は最適です。さらに上述したように、11月10日から、同じ阿久津先生による「深掘り講義」(シリーズ講義「健康経営ブランディングのすすめ」も配信予定ですので、さらに詳しく学びたい方は、ぜひそちらもご覧ください。
(※アドレス再掲)
◆特集:健康経営の必要性と取り組み
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=140&referer=push_mm_feat
◆阿久津聡:健康経営とは何か~その取り組みと期待される役割~
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4179&referer=push_mm_rcm2
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レッツビギン! 穴埋め問題
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今回は「資本主義」についての問題です。ではレッツビギン。
アメリカのなかで金融危機が起きたり、それからいろいろと世知辛くて住みにくい、富の二極分化が起きたようないろいろな社会的な現象の分析はたくさんありますが、一言で言うと、ルーツは「会社は( )のものだ」という言葉に尽きると思います。
さて( )には何が入るでしょう。答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=57&referer=push_mm_quiz
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編集後記
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今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。
さて皆さま、「行列のできる~」というお店がありますが、「行列のできる~」講師(先生)というと誰を思いつくでしょうか。
長谷川眞理子先生(総合研究大学院大学長)は東京大学の先生だった頃、まさにそのお一人だったそうです(当時学生だった方に聞いた話ですが)。
「この先生の話は絶対に聴かなくちゃ」「このテーマについてこの先生が話してくれるなら聴き逃せない」といった、格別な講義、あるいは貴重な講師のお話を、今後も収録・配信を進めてまいります。ぜひご期待ください。
ということで最後に長谷川先生の以下の講義を紹介して終わりたいと思います。
人間だけが大人になっても「学び」を持続できる
長谷川眞理子(総合研究大学院大学長)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2125&referer=push_mm_edt
※訂正のお知らせ:
前回のメルマガの編集後記で、渡部玄一先生のシリーズ講義2話目の配信日についてお伝えいたしましたが、(11/30)ではなく、正しくは(10/30)でした。この場を借りて訂正しましてお詫びいたします。
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