編集長が語る!講義の見どころ
小児科学が教える、人間にとって大切なこと(高橋孝雄先生)【テンミニッツTV】
2021/11/23
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。
子供を持つすべての人にとって、そして、かつて子供だったすべての人にとって、「子育て」や「教育」はとても大きな問題です。子は親の鏡ともいいますが、どのように育てていけば良いのか、あるいはあの子育てで良かったのかなど、日々、いろいろ考えてしまう方も多いのではないでしょうか。
そればかりではありません。人間や社会の基本について考えるうえでも、「子供に対して、どう処するか」と考えることは、とても重要なヒントになります。やはり、子供のあり方はまことに「根源的」だからです。まさに育児、教育は人間社会の根幹です。
本日は、そのことをしみじみ実感させてくれる、高橋孝雄先生(慶應義塾大学医学部小児科主任教授)の講座を紹介します。高橋先生は、2016年~2020年まで日本小児科学会の会長も務められる一方、『小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て』『子どものチカラを信じましょう』(以上、マガジンハウス)などの書籍も発刊されています。
上記の本がベストセラーになったことからもわかるとおり、高橋先生のお話は、人間の本質を、わかりやすくズバリとついてくださいます。
◆高橋孝雄:現代の小児科学と最高の子育て(全7話)
(1)現代の小児科学の役割
困難の克服と幸せな人生の獲得、それが小児科学の目的
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4148&referer=push_mm_rcm1
講座の最初に高橋先生は、「現代の小児科学とは何か」を提示くださいます。1つは「人のからだが形作られる過程(成長)とそこに機能が宿る過程(発達)を科学し、それらの異常やその原因を突き止め、治療法を開発し、治療を行なう」こと。もう1つは、「子供たちが、たとえそれが生まれつきのものであったとしても、困難を克服し、人として幸せな人生を手に入れる」ことです。
高橋先生は、前者は「遺伝の力」に属するものであり、後者は「環境の力」に属するものだとおっしゃいます。そのうえで、「子供にかぎらず、すべての人々の一生が、遺伝の力と環境の力のバランスの上に成り立っている」と強調されます。
高橋先生はまず、遺伝子の仕組みをわかりやすく教えてくださった後に、次のようにおっしゃいます。
《遺伝子ということばを使うと、得てして「取り返しのつかないもの」「努力をしても無駄なこと」、人によっては「生まれつきのことについて、人を差別すること」というように、かなり深い誤解があるのではないでしょうか。私は今日こうやってお話しさせていただくなかで、「遺伝子」あるいは「遺伝」ということばについたサビのような誤解を、ぜひ解いていきたいと思っています》
高橋先生は、遺伝の力は、「努力しても無駄」などということではなく、「決められた順番で、決められた時期に『必ずできますよ』と約束してくれている」のだとおっしゃいます。もちろん、「正常なばらつき(=個性)」があるので、子供たちそれぞれに時期などで誤差はあるけれども、必ず到達すると決めてくれている。つまり「遺伝の力」とは「変わらない力」であり「守る力」なのだというのです。
それに対して、「環境の力」とは、「変わる力」であり「育む力」です。環境が与える適度なストレスは、遺伝子のシナリオ発現にも良い影響を与える。一方、過度なストレスは、悪影響を及ぼす。加えて、環境の力が、後天的な能力にとって追い風になることもあれば、向かい風になることもあります。
この「遺伝の力」と「環境の力」の関係について、高橋先生は様々な角度から、わかりやすくご説明くださいます。とても多くのことを考えさせてくれる部分ですので、ぜひ講座本編をご覧ください。
さらに高橋先生は重要なことをおっしゃいます。子供が過度なストレスを抱くのは「自分は納得していないと思っているのに、無理やりにやらされることではないか」というのです。
では、子供たち自身に「自分で決めたのだから、頑張るよ」と感じてもらうために、どのような社会をつくっていくべきなのか。
高橋先生は「傾聴」の重要性を力説されます。これは小児科医の仕事のなかでも、日々、痛感されているそうです。そして、社会全体としても、「説得したいなら、まず相手の言い分に耳を傾ける」ことが重要なのだと。
傾聴こそが「共感」を育むということ。この重要性も、ぜひ講義本編で学んでいただきたい事柄です。
とても多くのことを考えさせてくれる講座です。ぜひご覧ください。
また、もしご家族やご友人に子育て真っ最中の方がいらっしゃったら、必ずやご参考にしていただけるところの多い講義だと思います。講義動画の下にある「この講義シリーズを贈る」のボタンを押していただき、そこから「ギフトURLを発行する」に進んで、表示されたURLを相手の方にメールやSNSで贈ってみてください。必ずや素晴らしいコミュニケーションの機会になることでしょう。
(※アドレス再掲)
◆高橋孝雄:現代の小児科学と最高の子育て(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4148&referer=push_mm_rcm2
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☆今週のひと言メッセージ
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《夫が見逃している「ついで家事」が自分の想像の6倍あると思っていただければいい》
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4143&referer=push_mm_hitokoto
妻を怒らせてしまう夫の〇〇な行動と脳の進化の関係
黒川伊保子(株式会社感性リサーチ 代表取締役社長/人工知能研究者/随筆家)
夫が見逃している「ついで家事」が自分の想像の6倍あると思っていただければいいと思います。だから、ざくっとでもいいので、妻に感謝して「君のいるおかげで生きていけるよ」と思ってくれたら十分。それを口に出してくれたら、それだけで十分だと思います。
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今週の人気講義
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新型コロナウイルス感染症に関する日本の“いま”を知る
堀江重郎(順天堂大学医学部大学院医学研究科 教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4189&referer=push_mm_rank
儒教由来のスコアリングが格付けに使われる中国の現実
中島隆博(東京大学東洋文化研究所 教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4242&referer=push_mm_rank
三十年戦争の地獄絵図を経験したドイツの宗教社会とは?
渡部玄一(チェロ奏者)
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健康経営銘柄に4年連続選出、丸井グループが成功する理由
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10分でわかる「ウォーレン・バフェット」
桑原晃弥(経済・経営ジャーナリスト)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4234&referer=push_mm_rank
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編集後記
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今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。
さて本日は、21日(日曜日)より配信開始となった島田晴雄先生(慶應義塾大学名誉教授)の新シリーズ講義「シリコンバレー物語~IT巨人の実像と今後」を紹介いたします。
◆島田晴雄:シリコンバレー物語~IT巨人の実像と今後(全7話予定)
(1)GAFAMNTをプレビューする〈上〉
世界を制覇したIT巨人「GAFAMNT」の実像に迫る
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4265&referer=push_mm_edt
この講義では、「GAFA」に代表されますが、いまや「世界の覇者」ともいえるIT企業を育てたシリコンバレーについて、その歴史から実像、そして今後のことまで、島田先生が丁寧に解説をしています。
シリーズが進んでいくと、日本との関係にも触れる講義があります。日本がなぜITの世界で遅れを取っているのか、その背景と課題について学ぶべき点も多い、貴重な講義となっています。
毎週日曜日配信で全7話の予定です。ぜひシリーズを通してご視聴ください。
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