編集長が語る!講義の見どころ
経済学でビジネスと社会がわかる!(特集&伊藤元重先生)【テンミニッツTV】
2022/03/25
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
世界情勢の激動を受けて、ビジネス環境も経済状況も激変しつつあります。このようなときは、「本質」をきちんと考えたうえで見通していかなければ、判断を大きく誤りかねません。
「経済学」の深い知見を用いて、ビジネスや現代社会を斬っていくと、気づかなかったことが見えてきます。また新しい動向や、現状の問題点も、よく見通せるようになります。ぜひテンミニッツTVのわかりやすい経済学講義を学んでみてはいかがでしょうか。
■本日開始の特集:「ビジネス×経済学」の必須常識
「経済学」の視点から、どのようなヒントが見えてくるでしょうか。本質を深く突きつめる様々な議論を学ぶことで、ビジネスや社会の「見え方」が大きく変わってきます!
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=161&referer=push_mm_feat
伊藤元重:差別価格の実例でダイナミックプライシングの真髄がわかる
柳川範之:今、話題の「新しい資本主義」の可能性と企業の課題とは?
橋爪大三郎:現在のグローバル経済をマルクス主義で見てみると?
柳川範之×松尾豊:AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
吉川洋×小宮山宏「hidden Value」をどのように考えるかが重要
■講座のみどころ:経済学とビジネスがわかる「ビジネス・エコノミクス」(伊藤元重先生)
本日ピックアップするのは、伊藤元重先生(東京大学名誉教授)の「ビジネス・エコノミクス」講座です。
伊藤先生は2004年に『ビジネス・エコノミクス』(日本経済新聞出版)という本を出版されベストセラーになりましたが、2021年9月に、新しいビジネスと経済学の動きを加えて抜本的に改定された「第2版」が刊行されました。
540ページの大著で、ビジネスの世界を経済学のツールで次々と解き明かしていきます。章立てを追えば、「ビジネス・エコノミクスとは何か」「価格に始まり、価格に終わる」「流通からビジネスを考える」「変わる市場のあり方」「市場を理解することがビジネスにつながる」「ゲーム理論が視野を広げる」「インセンティブとは何か」「行動経済学とビジネス」「戦略をより深く理解する」「イノベーションがすべてを変える」。
ビジネスの様々な事象が、経済学の理論でわかりやすく解剖されていくのは、まことに爽快です。
テンミニッツTVでは、伊藤先生がこの『ビジネス・エコノミクス(第2版)』のエッセンスを、とてもわかりやすく講義くださいました。著者自らによる明解講座。まさに必見です。
◆伊藤元重:ビジネス・エコノミクス(全5話)
(1)差別価格から学ぶダイナミックプライシング
差別価格の実例でダイナミックプライシングの真髄がわかる
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4365&referer=push_mm_rcm1
この講座で伊藤先生が教えてくださるのは、「価格戦略」「流通戦略」「ゲーム理論」「行動経済学」です。実例も豊富に入れて、とてもわかりやすくご解説くださいます。
まず、「価格戦略」で取り上げるのは、「ダイナミックプライシング」。これは、きめ細やかな価格設定やポイント制度などによって、うまく顧客のインセンティブを提供していくことです。
伊藤先生はこのうち「差別価格」の実例をお話しくださいます。「高い金額で買ってくれる人には高い価格で。安くしないと買わない人には安い価格で」というのですが、そんなことが可能なのでしょうか?
次に、「流通戦略」では「縦の構造」について言及されます。メーカー→問屋→小売店→顧客という一連の流れです。たとえば、伊藤先生は学生に「個人薬局である症状を訴えたときに、どの薬を勧めるか」を調べさせたといいます。その結果、特定のメーカーを勧めることが多かったのですが、それはなぜか?
また、普通は製造業というと、自動車でいえばトヨタやホンダなどといった大企業がピラミッドの頂点で、そこから下請け産業が広がっているイメージを持ちますが、実はいま、下請け企業のほうが、大企業よりも立場が強くなる事象が出始めているといいます。キーワードが「ティア0」ですが、はたしてどのようなことなのでしょうか?
「ゲーム理論」について伊藤先生は、「学問の世界では非常に大きな潮流になっていて、経済学を少し真面目に学ぼうと思うと、ゲーム理論なしには済まなくなってきている」とおっしゃいます。そのうえで、オークションの例を挙げて、ゲーム理論のエッセンスを解説くださいます。ここも、ゲーム理論の「いろは」を知っておくために必見です。
そして「行動経済学」について、実は「行動経済学」を新しい1章として取り上げたのは2021年の「第2版」からだといいます。近年、学問として非常に重要になってきたからです。行動経済学の内容について、伊藤先生はこう説明されます。
《人間は必ずしも合理的な行動をするわけではありません。合理的に行動するわけではないのですが、合理的に行動しないにしても、全くランダムに非合理に行動するわけではなくて、ある種の癖を持っています。その非合理性をきちんと分析することによって、実はいろいろなことに役に立つ、あるいはいろいろなことが見えてくる》
たとえば、レストランでワインをどのように選んでいるのか。ある雑誌を、インターネットの電子版で買ってもらうためには、どうするか。さらに話は、株価やバブルの話に広がっていきます。
わかりやすい伊藤先生のお話をうかがううちに、経済学とビジネスについて「知っておきたいこと」がどんどん頭に入ってくる秀逸な講義です。ぜひご覧ください。
(※アドレス再掲)
◆特集:「ビジネス×経済学」の必須常識
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=161&referer=push_mm_feat
◆伊藤元重:ビジネス・エコノミクス(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4365&referer=push_mm_rcm2
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レッツビギン! 穴埋め問題
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今回は「徳と『大学』」についての問題です。ではレッツビギン。
江戸期に寺子屋に上がるのは、今の小学校1年生と同じ6歳でした。
その時に読む書物が『大学』ですが、その冒頭には「大学の道は( )を明らかにするに在り」とあります。
さて( )には何が入るでしょう。答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=762&referer=push_mm_quiz
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編集後記
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今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。
さて本日は、3月20日(日)から配信開始となりました鎌田東二先生(京都大学名誉教授/上智大学大学院実践宗教学研究科特任教授)の新たなシリーズ講義を紹介いたします。
◆鎌田東二:古事記・日本書紀と世界神話の類似(全10話予定)
(1)オルフェウスと死
なぜ『古事記』と『ギリシア神話』は似ているのか
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4398&referer=push_mm_edt
こちらは世界神話についての講義の第3弾ということで、今回は「類似の神話学(神話の中でも不思議と似た神話がある)」についてです。
なぜ別々の場所、地域で似た神話が生まれたのか。とても不思議なことですが、その謎に日本とギリシャの神話をもとに迫っていく、とても興味深い講義です。
毎週日曜日配信予定です。ぜひ続けてご視聴ください。
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