編集長が語る!講義の見どころ
ウェビナー締切り間近!&「読書論」特集/橋爪大三郎先生【テンミニッツTV】
2022/09/02
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
季節の変わり目です。暑かったり、少し涼しくなったり、台風が来たりと不安定な気候が続いております。皆さまくれぐれもご自愛くださいませ。
さて本日は、いよいよ締切り間近になった小原雅博先生(東京大学名誉教授)のウェビナーと、「読書の秋」にちなんだ特集を紹介いたします。
■(1)締切り間近!小原雅博先生ウェビナー「2024年危機…米中関係の行方」
下記の小原雅博先生によるウェビナーのお申し込み締切りが、いよいよ9月4日(日)までとなります。会員の皆さま限定の「無料ウェビナー」です。お申し込みがまだの方は、ぜひ奮ってご参加ください。
【テーマ】2024年危機…米中関係の行方
11月の米中間選挙と中国共産党大会も念頭に置いて
講師:小原雅博先生
時間:9月6日(火) 19:00~20:30予定
お申し込み&開催の詳細は、ぜひテンミニッツTVのトップページのバナー、もしくは下記のアドレスからお願いいたします。
https://10mtv.jp/seminar/202209/index.php?referer=push_mm_new_function
■(2)本日開始の特集:上質な教養としての「読書論」
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=180&referer=push_mm_feat
書物は親友にもなれば、悪友にもなります。いずれにしても「永遠の友」であることは間違いありません。そんなかけがえのない友との上手なつきあい方とは? 「上質な教養」を得るための読書について、この機会にじっくりと考えてみましょう。
橋爪大三郎:将棋と本は似ている。定跡を超えたプロの話が参考になる
山内昌之:書物こそ永遠に尽きることのない知恵を与えてくれる友
中島隆博:「本質主義」に陥らないよう、いかにして日本を語るのか
楠木建:上質なスローメディアを教材に経営のセンスを磨く
■講座のみどころ:なぜ本を読むことが教養なのか(橋爪大三郎先生)
本日は、特集のなかから橋爪大三郎先生(社会学者/東京工業大学名誉教授/大学院大学至善館教授)にお話しいただいた講座を紹介いたします。
この講座の第6話で、橋爪先生は「プロ将棋の棋士と、本の書き手は似ている」とおっしゃいます。
プロ将棋の棋士は、「定跡」を知り尽くしています。知り尽くしているうえに、その定跡を超えて、対戦相手を混乱させて勝利を収めようと苦闘します。
一方、本の書き手も同じです。以前に書かれた本と同じ内容だったら、本を書く意味がない。これまでの本の積み重ねを踏まえ、いろいろな人と議論を重ねたうえで本を書くのが、プロの書き手です。
そのような書き手によって書かれた本とインターネットの融合が、人間の教養にどのような恩恵をもたらしてくれるのかを、橋爪先生は縦横無尽に教えてくださいます。
◆橋爪大三郎:今こそ問うべき「人間にとっての教養」(全7話)
(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4001&referer=push_mm_rcm1
まず橋爪先生は、教養がある人とない人の違いを、保育園の例でご教示くださいます。
園児たちの楽しいおしゃべりは、大人から見れば「狭い世界」です。なぜか。それは多くの園児たちが遊びのことや食べ物など、目の前のことばかりを話しているからです。
もちろん保育園児は子供だからそれでいいのですが、「教養のない人たちの世界」も、教養ある人からすれば、とても「狭く」見えてしまいます。なぜなら、教養ある人たちは広い世界を知っているからです。
橋爪先生は、「教養とは、これまで人間が考えてきたことの全て」だとおっしゃいます。これについて橋爪先生は次のようにおっしゃいます。
《問題がもう目に見えていて、ここにある場合は、それに対処するための方法を学べばいいだけです。これは教養とはいいません。例えば、料理ができるようになりたい人が料理を作りたいのであれば、料理の本を買ってきて、それを読めばいいだけです。
だけど、どのような問題にこれから直面するかが自分でもよく分かっていない場合、あるいは、問題に直面してから勉強したのでは間に合わない場合があります。
重要なのは、そんな出来事になる前に、どれだけの本を読んで、自分で考えて、心の準備をしていたかということです。これが教養です》
まことに橋爪先生のご指摘のとおりです。問題をうまく解決するためには、自分自身の「狭い」考えと努力だけではダメで、過去の人たちがどのようにして似た問題を乗り越え、解決したのかを知っておく必要があるのです。
しかし、「これまで人間が考えてきたことの全て」など、どうやって学べばいいのでしょうか。ここで橋爪先生は「本」の効用を指摘されます。そして、インターネットにおいても「本」的な要素が重要だとおっしゃるのです。
なぜ「本」なのでしょうか。
それは、「これは大事なことだから忘れられてしまわないように、字で書きましょう」と思って残されてきたものが「本」だからです。しかも、編集者という第三者がフィルターとなって、情報の取捨選択や、誤情報の排除などが行なわれているべきものです。加えて、古典やロングセラーは、長い歴史のあいだに多くの読者から「この本は残すべき価値のあるものだ」と思われ続けてきたものです。
一方、インターネットの情報はどうか。SNSなどでは、そのようなフィルターがありません。また、読む人が好きそうな情報ばかりがピックアップされ、おすすめされる仕組みもあります。
加えて、本の場合は、著者が様々な資料や経験を集め、学び、それを煮詰めて本にしていきますが、多くの場合、SNSはそうではありません。橋爪先生は、次のように指摘されます。
《スマホのメッセージは、誰でも読んで、誰でも書きます。だから読む人と書く人は、ほぼ人数が同じです。次に、読む時間と書く時間もほぼ同じです。だから情報がエネルギーを圧縮していませんし、クオリティが保証されません。これらが瞬時に同時代の中を駆け巡っています。実はこれは、保育園と同じです》
ネットやSNSの情報は「クオリティが保証されない」というのも、橋爪先生のご指摘のとおりでしょう。
保育園の場合は、園児たちのあいだで間違えた情報が蔓延しそうになったときには、保育士の方々が「これは間違いです」と指摘するからバランスが取れる。しかし、SNSにはそのような人がいない。「そうすると、奇妙な噂や間違った噂は、たちまち保育園に充満してしまいます。というわけで教養とネットは水と油の関係にあるのです」。
この橋爪先生の喝破は、まことに核心を衝いたものではないでしょうか。
では、ネットの世界はいかにあるべきか。橋爪先生が思い描くのは、「本とネットの共存」です。
しっかりとした編集部がある。しっかりとした本を書ける力がある有識者がフェイス・トゥ・フェイスで語る。そうすることによって、むしろ「テキスト以上の情報」を容易に想像して味わうこともできるようになる……。このご展望は、とても重要なものといえましょう。
ここで橋爪先生は、先ほど挙げた「将棋のプロとアマの違い」の事例や、「AIに本は書けるか」などの視点から、さらに教養の本質をひもといてくださいます。
ネット社会における教養のあるべき姿はいかなるものか? それを知るために、ぜひ本講義をご覧ください。
(※アドレス再掲)
◆特集:上質な教養としての「読書論」
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=180&referer=push_mm_feat
◆橋爪大三郎:今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4001&referer=push_mm_rcm2
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レッツビギン! 穴埋め問題
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今回は「宗教改革」についての問題です。ではレッツビギン。
16世紀の初頭、ドイツを中心に宗教改革が始まるのですが、それがこの宗教戦争の一つの原因になります。
宗教改革というのだから、何かいけないことを改めようという人たちが出てきたということです。一体どういう人たちが出てきたかというと、私たちが今( )と呼ぶ人たちです。彼らが「カトリック」と呼ばれている人たちに対して、異議申し立てをし始めました。これが宗教改革です。
さて( )には何が入るでしょう。答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2502&referer=push_mm_quiz
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編集後記
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皆さま、今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。
冒頭、編集長からの案内にもありましたが、9月6日開催の小原先生のウェビナー《2024年危機…米中関係の行方》のお申し込み期間は9月4日(日)までとなっております。
すでにかなりの皆さまがお申し込みをされていますが、まだ受付をしております。ご希望の方は今すぐ以下よりお申し込みください。
https://10mtv.jp/seminar/202209/index.php?referer=push_mm_new_function
なお、今回のウェビナーの参考として以下、小原先生の講義をお伝えいたします。
最も大事な核心的利益は「共産党の存続」…米中対立の焦点
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4212&referer=push_mm_edt
この講義では、習近平氏による中国共産党創立100周年演説の要点が解説されています。この演説は昨年行われたものですが、ウェビナー参加にむけて押さえておきたいところです。ぜひご視聴ください。
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