編集長が語る!講義の見どころ
「幸せ」になるために大切なことは何か/田村潤先生【テンミニッツTV】

2022/09/06

「幸せ」になるために大切なことは何か/田村潤先生【テンミニッツTV】

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。

「幸せ」というのは、誰にとっても大切なテーマです。どうすれば「幸せ」になれるのか。

本日は、そのことについて多くの事例をもとに語っていただいた田村潤先生(元キリンビール株式会社代表取締役副社長/100年プランニング代表)の講座を紹介いたします。田村先生はとりわけ、仕事を通していかに幸せにになるかについて、徹底的にご分析くださいます。

田村潤先生には、もう何度もテンミニッツTVにご出演いただいていますが、キリンビールが、アサヒビールの「スーパードライ」のヒットで猛追されていた1995年に、全国最低ランクで苦しんでいた高知支店の支店長となり、そこから大逆転劇を起こしました。最終的には副社長を務め、2009年のキリンビールのシェア奪還を成し遂げます。

その経緯を記した書籍『キリンビール高知支店の奇跡』(講談社+α新書)がベストセラーになりましたので、ご存じの方も多いと思います。

今回の講座では、さらに具体的に様々な事例を深掘りしてお話しくださっています。必ずや「多くの気づき」を得られること、うけあいです。

◆田村潤先生:キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(全8話)
(1)悩みの99%は他者との関係性
「使命観=パーパス」に立脚できないのは自分のエゴのせい
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4584&referer=push_mm_rcm1

第1話の冒頭で、田村先生は興味深いエピソードをご指摘くださいます。

ある新聞の記事で紹介された事例ですが、「いのちの電話の2万件を分析したら、『自分と他者との関係性』が99.何%だった」というのです。

これは大いに納得させられる話です。では、どうすればいいのか。

ここで田村先生がおっしゃるのが、社会との関わりのなかでいかに幸せになるか。特に、仕事によっていかに幸せになるかです。

田村先生は、こうおっしゃいます。

《社会になんらかの役に立つから事業が起きて、成立しています。必要とされる仕事であれば「もっと必要としてもらおう」「もっとお客さんのために」と考えてやっていくことで、お客さんから喜んでもらえる。認められる。社内からも認められる。そこで幸せが感じられる。それがやはり、企業の原点ではないかと思うのです》

実は、田村先生が高知支店で奇跡的な復活劇を実現したのは、この「お客さまのために」を徹底的に展開したからでした。

まず、田村先生が強調するのは、「幸せにならない理由は、『エゴ』にとらわれてしまうからだ」ということです。上司から与えられた目標をやって評価してもらいたい、給料を上げてもらいたい、偉くなりたい……。

目標達成のために、自分の都合で、相手にお願いしてしまう。これでは、「相手に喜んでもらう」ことは、とてもできません。

これを乗り越えるために「使命」が大切だと、田村先生は強調します。

たとえばキリンビールであれば、「世界一おいしいビールをつくって、それを飲んで喜んでもらい、お客さんを幸せにすること」が使命だと、田村先生はおっしゃいます。

しかし、そうはいっても、どうやればいいのか。

そこで高知支店で、お客さんに聞きまくりました。ところが、最初は聞きに行っても、いろいろな意見が出てきてわかりません。

そればかりか、お客さん(飲食店など)の求めに応えて、協賛金やグッズなどをどんどん出してしまいます。そのため、営業成績が最低ランクであったにもかかわらず、1年分の営業予算をたった3カ月で使い切ってしまい……。

これは当然、本社から大いに怒られることになります。すると高知支店の部下たちは「お金を使わないで、得意先のいうことを聞かないといけない」と考えるようになりました。さらに、本社にこまめに情報を上げて、提案をして、本社と現場の「情報量をそろえる」ことをしていきます。

そこから、次々と工夫が生まれ、営業手法にイノベーションが起きてきたのです。

田村先生は、「大切なのは『戦略』ではなく、『実行力』だ」とおっしゃいます。はたして、どのようなことかは、ぜひ講座の第3話をご覧ください。

しかも、「使命を果たす」ためには、現場の「自由」に任せるしかないと田村先生はおっしゃいます。状況は、個々別々だから、個別の正解を自分で見つけるしかないのです。

もちろん最初は簡単ではありません。しかし、徹底していけば、現場は「自由」になる。そして「自由」だからこそ「幸せ」になるのです。ここも、まことに大切なところでしょう。

高知支店を経て東海地区本部長になった田村先生は、高知支店で体得した方法論を大きな地区でも実行します。

営業部門なのに「なぜ達成できなかったのか」の過去を問わない。「使命」が実現した具体的な姿を毎週の週報で紹介し、全体で共有する。「お金を使わないで使命を果たせ」と徹底する……。

その結果、味方も大いに増えて快進撃していくことになるのですが、その具体的な姿は、ぜひ講義本編をご覧ください。

成功へのプロセスを、わくわくしながら聴くうちに、知らず知らずのうちに、「仕事」だけでは収まらない大きなヒントを得ることができる絶品講座です。


(※アドレス再掲)
◆田村潤先生:キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4584&referer=push_mm_rcm2


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☆今週のひと言メッセージ
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《感謝の人間関係》
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=762&referer=push_mm_hitokoto

「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
田口佳史(東洋思想研究家)

人間関係には損得や利害など、いろいろな関係がありますが、「感謝の人間関係」が最も崇高だと言われています。人生とは、「感謝の人間関係」をどのぐらい稼いだり結んだりできるかということだと、中国古典や東洋思想は説いています。


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今週の人気講義
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令和の“黒船”が来ている日本、どう立ち向かうべきか
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長)
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4577&referer=push_mm_rank

「心と感情」とは何か、行動生態学から考える大事な問題
長谷川眞理子(総合研究大学院大学長)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4558&referer=push_mm_rank

イーロン・マスクの躍進を支えた「マスタープラン」とは
桑原晃弥(経済・経営ジャーナリスト)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4593&referer=push_mm_rank

『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎(社会学者/東京工業大学名誉教授/大学院大学至善館教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4001&referer=push_mm_rank

ゼウス以前のギリシア神話は3世代にわたる神権交代の物語
鎌田東二(京都大学名誉教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4579&referer=push_mm_rank


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編集後記
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皆さま、今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。

さて、今夜(9月6日19時~)は小原雅博先生のウェビナーが開催されますが、「11月の米中間選挙と中国共産党大会も念頭に置いて」ということですので、ぜひとも聞いておきたい内容になるのでは思います(実はどんな話が飛び出るのか、スタッフの私も知らないので、興味津々です)。ご参加の方、ご期待ください。

ちなみに、前回のウェビナーは鎌田東二先生で、テーマは〈宮沢賢治「銀河鉄道」を読む〉でした。スタッフの一員としてとても懐かしい思いで聴いておりましたが、初めて知ることも多く、とても面白かったことを覚えています。ウェビナー自体も大盛況でした。なお、こちらは後日、配信予定ですので、ご期待ください。