編集長が語る!講義の見どころ
真実の徳川家康とは?その凄さに迫る/特集&小和田哲男先生【テンミニッツTV】
2023/01/06
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。
今年のNHK大河ドラマは「どうする家康」。1月8日から放送スタートです。
徳川家康といえば、日本史の超有名人でもあり、なんとなくイメージをお持ちの方も多いでしょう。しかし、本当にそれが正しいのか。徳川家康の凄さは、どこにあるのか。
並みいる大名のなかで、戦国の世を完全に終わらせて日本全国をまとめあげる位置に立てたのは、なぜなのか。さらに260年にも及ぶ平和な時代の基盤を築けたのは、なぜか、
テンミニッツTVには、徳川家康にまつわる講義が多数あります。さらに新規講義も配信しています。徳川家康への注目が高まるいまこそ、ぜひ、その「知られざる実像」について学んでみてはいかがでしょうか?
■本日開始の特集:真実の徳川家康
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=189&referer=push_mm_feat
小和田哲男:今川「人質」時代、徳川家康の実像を物語る3つのエピソード
片山杜秀:徳川家康の「天下泰平」デザインとは?先人達の失敗に学ぶ
山内昌之:徳川家康の2つの功績…現代日本はいかに形づくられたか
小和田哲男:10分でわかる「徳川家康の経済学」
山内昌之:パックス・トクガワーナを築いた徳川家康の大胆さと慎重さ
本村凌二/中村彰彦:なぜ「父祖の遺風」がローマと江戸に共通する価値観なのか
■講座のみどころ:家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(小和田哲男先生)
本日、特集のなかからピックアップするのは、今回の大河ドラマ「どうする家康」の時代考証も務めておられる小和田哲男先生(静岡大学名誉教授)の新着講義です。
特に今回の講座では、家康の若いころのエピソードも、ふんだんにお話しいただいています。おのずと、家康に対するイメージも一新されるはずです。
◆小和田哲男:家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(全5話)
(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
今川「人質」時代、徳川家康の実像を物語る3つのエピソード
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4756&referer=push_mm_rcm1
まず最初に小和田先生は、小説家の山岡荘八さんの『徳川家康』が人気だった頃と現在とを比べて、「家康像」の違いをお話しくださいます。
《山岡さん原作の頃はまだ、「徳川中心史観」という言い方をしますが、「家康に間違いはない」というような見方で、小説も描かれていました。しかし、その後少しずつ、やはり家康にも失敗はあったし、間違いも犯したというように、少しずつイメージが変わってきています。
昔はどちらかというと、家康のリーダーシップが前面に出て、それでみんながついてきたという感じでした。しかし、最近はむしろ家康は家臣団によって動かされてきた、ないし家臣によって支えられていたというイメージが、かなり定着しています》
「初めから偉かった人」というのではなく、「いかに人間的に成長していったか」ということでしょう。
さらに興味深いのは、徳川家康の「人質時代」の話です。
徳川家康が幼少のとき、最初は織田家の、そして次には今川家の人質となった話は有名です。時代劇ドラマでも、人質時代は抑圧された生活を送っていたかのように描かれがちです。
しかし小和田先生は「実は、そうでない」というのです。
《私に言わせると、家康の子ども時代はむしろ奔放であり、結構腕白ともいえる、自由気ままなものでした。それは、いわゆる人質というイメージが実際と違っていたということです》
小和田先生は、その理由や人質時代の興味深いエピソードを語ってくださいますが、それについてはぜひ講座第1話をご参照ください。
さらに徳川家康の「人間的成長」を考えるときに重要なのは、今川家の軍師的存在でもあった僧侶・太原雪斎の教えを、直接受けていることです。
実は太原雪斎は、当時の今川家の当主・今川義元を育てた人物でもありました。今川義元は、家康に相当な期待をかけて、自分と同じ教育を受けさせたのです。
戦国時代に第一級の僧侶が務めた役割は、独特のものがありました。外交も担当しますし、書物が読めるので兵法書を読んで軍師的な役割も果たす。さらに宗派のネットワークも活かしてインテリジェンス的な部分も担当したのです。
そのような太原雪斎の薫陶(くんとう)を受けた家康は、大きな影響を受けることになるのです。
第3話では、桶狭間の戦いの後、戦国大名として自立した後の家康の苦労について教えていただきます。
今川家から独立して間もなく、徳川家康が統治する三河では「一向一揆」が起きます。しかも有力な一族や家臣が、一向一揆側についてしまうことも起きました。
それをなんとか鎮圧した家康ですが、その方法論は織田信長とはまったく違ったとのこと。このあたりの違いも、まことに興味深いところです。
そして次の試練は、武田信玄との対決です。武田信玄との戦いで、当時8000人いた家臣のうち、1割にもあたる800人も失ったといいます。完膚なきまでの敗北です。
しかしこのことによって、家康はますます家臣を大切にするようになったといいます。何人もの家臣が、自分の身代わりとなって討ち死にをしていったからです。
しかも家康は、そこまで苦しめられた武田信玄に大いに学びます。武田滅亡後は、武田の遺臣を多く登用してもいるのです。そんな家康について、小和田先生はこうおっしゃいます。
《私はよく「信長と家康の違いは何か」という質問を受けます。信長は自分に敵対した者に対しては徹底的な排除を行いましたが、家康はむしろ自分に敵対した者でも、使えるものはどんどん取り込んで成長した側面があります》
さらに小和田先生は、豊臣秀吉政権の「中央集権制&官僚制による支配」と、徳川家康の「幕藩体制」の違いについてもご解説くださいます。
幕藩体制の確立においては、関ケ原の合戦の後の、家康の巧妙な仕組みがありました。「禄」と「権」を両立させない体制をつくったのです。実はそれは、そのときに始まったことではなく、すでに家康が関東に移封になったときに淵源があるというのですが、その詳細については、ぜひ第4話をご覧ください。
そして第5話で小和田先生は、家康のブレーン集団と、家康の死生観についてお話しくださいます。
よく知られているように、家康の家臣団はとても「多様性」に富んでいました。それができたのは、なぜなのか。
さらに、徳川家康は幾度も「もう腹を切る」というほどのピンチに直面しますが、そのたびに家臣などに諫められて一命を取り留めています。その結果、到達した死生観とは?
それらについても、ぜひ講座本編をご参照ください。
様々なエピソードを知るうちに、家康の真実の姿がおのずと浮かび上がってきます。その人物像は、現代の世でも大いに参考になるものです。否、いまこそ、このような人物が必要だといえるでしょう。
まさに、いまこのタイミングで学びたい講義です。ぜひご覧ください。
(※アドレス再掲)
◆特集:真実の徳川家康
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=189&referer=push_mm_feat
◆小和田哲男:家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4756&referer=push_mm_rcm2
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レッツビギン! 穴埋め問題
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今回は「カーボンニュートラル」についての問題です。ではレッツビギン。
サーキュラーエコノミーは、日本では( )ともいわれます。循環型社会や循環型経済という言葉は、日本でも古くからあります。3R(編注:Reduce・Reuse・Recycleの3つのRの総称)などといわれますけれども、資源を使う量を減らして、削減をして、できればリユースをして、最後はリサイクルしていくというものです。これをもっと強化していこうということで、今あらゆるものをモノとして使い続けるのです。
さて( )には何が入るでしょう。答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4658&referer=push_mm_quiz
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編集後記
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皆さま、今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。
さて本日より橋爪大三郎先生(社会学者)の新シリーズ講義の配信が始まりました。
◆橋爪大三郎:「アメリカの教会」でわかる米国の本質 (全5話予定)
(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4762&referer=push_mm_edt
この講義は橋爪先生の近著『アメリカの教会~「キリスト教国家」の歴史と本質』(光文社新書)のエッセンスを分かりやすく解説しており、さらに真のアメリカ社会とは何かをアメリカの歴史とともに理解できる貴重な講義です。
全5話で毎週金曜日配信です。ぜひ続けてご視聴ください。
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