編集長が語る!講義の見どころ
大人気!「本当によくわかる経済学史」講座、後半再開/柿埜真吾先生【テンミニッツTV】
2023/01/31
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
おかげさまで大好評となっております、柿埜真吾先生の「本当によくわかる経済学史」講座。前半は、第1話を昨年11月16日に配信スタートして、第7話(12月28日配信)まででいったん小休止を挟みましたが、いよいよ「後半」がスタートしました。
前半はアダム・スミスやリカードなど「古典派経済学」の考え方の基本から、その前の「重商主義」「重農主義」、また、異端としての「社会主義」などについて、とてもわかりやすくご解説いただきました。
後半は、いよいよ1929年の大恐慌の分析から、ケインズ経済学、オーストリア学派、ミルトン・フリードマン、そして最近話題に上ることもあるMMT理論まで、まさに現代に直結する議論が次々と展開されます(第8話~第16話)。
世界の見え方や、経済の見え方が一変する、名講義です。
◆柿埜真吾:本当によくわかる経済学史(全16話)
(8)1929年世界大恐慌の真実
貨幣数量説と大恐慌…大恐慌の本当の原因はFRBのミスだった
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4700&referer=push_mm_rcm1
後半のスタートは、いきなり刺激的。「大恐慌」の本当の理由です。
まず、その「本当の理由」を理解するために、柿埜先生は「貨幣数量理論」について教えてくださいます。名前を聞くとややこしそうですが、心配ご無用。とてもわかりやすくご解説くださいます。
この「貨幣数量理論」がわかれば、「貨幣を安定させれば景気は安定するはず」ということが見えてくるようになります。
ところが大恐慌が起きてしまうのです。
アメリカの貨幣発行に携わる中央銀行・FRB(FED)は、当時、「貨幣を安定させるために、われわれがきちんとやっていたにもかかわらず、恐慌が起こった。防げなかった。もう何もできない」と説明しました。
多くの人々がそれを信じ、「古典派経済学」の考え方への信頼が崩壊。片や、マルクス主義経済学が多くの支持を集めるようになり、もう一方ではケインズ経済学が注目を集めるようになります。
ところが……。
後年(1963年)の研究で、実はFRBが「まともな金融政策ができていなかったこと」が明らかになるのです。
どういうことか。そして、それはどのように証明されるのか。それについて、柿埜先生は図表を用いながらご説明くださいますので、ぜひ講座本編(第8話)をご覧ください。
第9話以降は、次のような流れになります。
(9)大恐慌とケインズ…様々な恐慌克服の処方箋の真実を探る
(10)ケインズ理論への誤解…真に独創的なのは、どの部分か?
(11)オーストリア学派…ミーゼス、ハイエク、シュンペーター
(12)「ヒトラーの経済政策はケインズ的で大成功だった」は大嘘
(13)ミルトン・フリードマン…金融政策の復権と自由市場の重要性
(14)「貨幣量と物価」の現代経済史…そしてスタグフレーション
(15)「ケインジアン」の分岐とMMT?…正統と異端の見分け方
(16)結局、主流派と異端派の何が違うか…経済学史の大きな示唆
※第1話からのラインナップは、次のページをご参照ください。
https://10mtv.jp/pc/content/lecturer_detail.php?lecturer_id=308&referer=push_mm_rcm3
柿埜先生は、実はケインズ経済学は「誤解」されている部分も大きいといいます。そのことは、第9話、第10話で語られます。
そして社会主義の計画経済の無理を鋭くついた「オーストリア学派」の主張は第11話で紹介されます。ミーゼス、ハイエク、シュンペーターの名前を聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、彼らが何を主張し、どこに限界があったのかもよくわかります。
そして、必見の講義が第12話です。よく、「ヒトラーの人種政策や戦争政策は『悪』だったが、経済政策はケインズ政策的でドイツを立て直した」といわれることがあります。しかし、それが真っ赤な嘘だと柿埜先生はおっしゃるのです。
それが象徴的にわかるものとして、柿埜先生は次のようにおっしゃいます。
《景気も悪いわけではないというふうに見かけ上は見えるにもかかわらず、乳児死亡率が上がったし、身長の伸びは止まったし、あらゆる健康関連の指標が悪化している》
はたして、どういうことか……。詳しくは、ぜひ講座本編(第12話)をご参照ください。
第13話以降は、現代の経済を知るために、ぜひとも学んでおきたい内容です。
昨年11月18日のメルマガでも書きましたが、経済学には「前提やモデルを立てて、論証していく」側面があります。つまり、それぞれの議論が、別々の前提やモデルを出発点として構築されている場合、どの議論もそれぞれに筋道が立っていて、どれも正しく思えてしまうのです。
では、どうするか。
そんなときに、「確かな座標軸」になってくれるのが、「経済学史」についての教養なのです。これまでどのような議論が行なわれ、歴史のなかでどう検証されてきたかを知っていれば、「どの議論が正しそうか」についての、判断基軸を持つことができるようになります。
柿埜先生は最終話(第16話)で、「正統派」と「異端派」の見分け方も教えてくださいます。
柿埜先生は1987年生まれの気鋭の経済学者、思想史家です。『自由と成長の経済学』『ミルトン・フリードマンの日本経済論』(以上、PHP新書)などの書籍を発刊しておられます。
ご著書の『自由と成長の経済学』は、ベストセラーとなった斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』(集英社新書)の問題点を論理的に示して、大きな話題となりました。
テンミニッツTVの「本当によくわかる経済学史」講座も、柿埜先生が一貫してご自身の立場や判断を明確にしつつ、データを用いて論じてくださっているからこそ、皆さまがご自身の「考え」や「判断軸」を練りあげるうえで、大きな一助となるのです。
頭のなかがクリアに整理され、考え方の基軸が形づくられる講座です。ぜひご覧ください。
(※アドレス再掲)
◆柿埜真吾:本当によくわかる経済学史(8)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4700&referer=push_mm_rcm2
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☆今週のひと言メッセージ
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《少子化がニヒリズムを生む》
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4502&referer=push_mm_hitokoto
情動に訴えるのではなく、思想性と理性と教養を回復しよう
片山杜秀(慶應義塾大学法学部教授)
地震や火山噴火など不安材料が多すぎて、3年先、5年先、10年先を真面目に考えることが2011年以降、実は失われているのではないかと。ニヒリズムを呼んでいることが一番大きな原因だと思うのですが、真面目に考えるということを皆がしなくなっている。
少子化の要素も大きい。子どもや子孫がどうなるのかということに対して、子どもが少ないと訴える人口が少ないので、「俺が生きているうちはなんとかなればいい」という考えで相殺されていきます。少子化がニヒリズムを生むという歴史研究もありますが、日本は今、一番それが当てはまっている状況だと思います。
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今週の人気講義
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第3期習政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4789&referer=push_mm_rank
千人隊、略奪品分配…最強モンゴル軍を生んだ単純な仕組み
宮脇淳子(公益財団法人東洋文庫研究員)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4752&referer=push_mm_rank
「権ある者は禄少なく」とは?徳川幕府260年の安泰の秘訣
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https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4759&referer=push_mm_rank
「回心」「覚醒」…アメリカを突き動かす「信仰復興の波」
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https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4764&referer=push_mm_rank
10分でわかる「行動経済学」
伊藤元重(東京大学名誉教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2068&referer=push_mm_rank
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編集後記
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皆さま、今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。
さて、2023年が始まって1か月が過ぎようとしていますが、ここで昨年(2022年)配信の特集のなかで大変注目を集めた特集を紹介いたします。
◆特集:ウクライナ侵略の背景を読み解く(2022年2月28日配信開始)
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=157&referer=push_mm_edt
昨年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵略。テンミニッツTVでは当時、緊急特集として急遽この特集を組んだわけですが、非常に多くの皆さまにご視聴いただきました。
あれからもうすぐ1年ですが、いったいいつになったら終結を迎えるのか、まだまだ先が見えない状況が続いております。
この機に改めてこの特集をご覧いただき、この問題についてもう一度考えてみてはいかがでしょうか。1年前とは見え方、感じ方、考え方がいろいろと変わるかもしれません。
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