編集長が語る!講義の見どころ
「学びの投稿」募集中!&幸せになるためのメカニズム/前野隆司先生【テンミニッツTV】
2023/03/21
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
今年は桜も早く、各地で開花の声が聞こえております。美しい花々が一斉に咲き誇る爛漫の春に、ぜひ、気軽に投稿に挑戦してみたり、「幸せ」について考えてみたりするのはいかがでしょうか。
■学びの投稿アカデミア、第2回テーマは「テンミニッツTVのおすすめ講義とその理由」
https://10mtv.jp/review/?review_id=2&referer=push_mm_new_function
第1回の「テンミニッツTVの学び方、活用法」も、おかげさまで多くの皆さまからご投稿をいただきました。
(ご参考:第1回入選作発表ページ)
・PCでご確認いただく場合
https://10mtv.jp/new_page.php?hash=jgti59R5A6&referer=push_mm_new_function
・スマホでご確認いただく場合
https://10mtv.jp/new_page.php?hash=e3lDsKf6Sq&referer=push_mm_new_function
続いて第2回も募集を開始しています。今回は、皆さまに「おすすめ講義とその理由」をご投稿いただきたく存じております。入選賞もございます。
皆さまのご投稿が、多くの方々のヒントや気づきになります。ぜひ、お気軽な気持ちでご投稿ください! お待ちしております。
■「幸せになるためのメカニズム」の謎に迫る
さて、「幸せになるメカニズム」とは、はたしていかなるものなのでしょうか。
幸福は、けっして単なる哲学的命題や精神論だけではありません。本日ご紹介する前野隆司先生(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)によれば、「幸せな人は、免疫力も高まって、寿命も平均で7年から10年ほど長い」ことも明らかになっているとのこと。
さらに、「幸せな社員は不幸せな社員よりも創造性が3倍、生産性が1.3倍、そして売上も37パーセント高く、欠勤率や離職率も低い」という研究結果が出ているといいます。
「幸せか否か」は「リアル」に大きく跳ね返ってくる問題なのです。
◆前野隆司先:「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(全7話)
(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3527&referer=push_mm_rcm1
前野先生は、心理学をベースに「どのような条件を満たせば人は幸せでいられるか」ということを、世界中の研究成果をひもときつつ、とてもわかりやすく解説してくださいます。
もともと前野先生は、機械工学を学び、ロボットの研究をされていました。ロボットの心を作ろうと試みるうちに、人間の心に興味が移り、その後、人間の心の働きについて研究するうちに、「幸せとはどういうことか」について研究するようになったそうです。
だからでしょう。前野先生の「幸福論」はとても分析的で、エビデンスの説得力もあり、新たな知見をいくつも与えてくれます。いわゆる哲学的なアプローチとは、また違った方向から幸福について考えることができます。
この講義で、前野先生は「幸せの4つの因子」について解説してくださいますが、そのほかにも、興味深い論点が目白押しです。
たとえば第1話では、よくニュースなどでも話題にのぼる「世界幸福度調査(World Happiness Report)」のからくりについて指摘されます。2020年の結果では、日本の幸福度は先進国中最下位の62位とのことで、このような結果から「日本人は不幸だ」などと論じられることが多くあります。
しかし前野先生は、「この調査は割り引いて考えるべき」とおっしゃいます。なぜなら、この調査は、「0が最悪の人生、10を最高の人生としたときに、あなたの人生は何点ですか?」と質問して、その回答の平均値をランキングしたものだからです。
前野先生によれば、欧米に多い個人主義の人たちは「10からの引き算」で考える。つまり、最高な人生(10)から考えて、自分の人生はどのくらいマイナスかを考えるので、平気で「8」とか「9」などといった数値をつける。一方、アジアに多い集団主義の人たちは、「周りを見て普通程度かな」と考える。そのため「5」を基準として、その前後の点を選ぶので「5」を中心とした富士山のような正規分布となりやすい……なるほど、思い当たる節のある話です。
ただし、このようなかたちでデータを取ることによって、「幸福度」の自己分析と、他のデータを照らし合わせて研究することができるようになります。それによって「幸せを目指すことができる時代がきた」のだと前野先生はおっしゃいます。
たとえば、このメルマガの冒頭に掲げた「幸福と仕事」や「幸福と寿命」の関係なども客観的に分析することができるようになります。また、「20代は幸せだが、そこから幸福度は低下して40~50代で幸せの底になる。しかし、50歳以降、歳を重ねれば重ねるほど幸福度はどんどん上がっていく」こともわかってきます。
まことに興味深いデータが示されますので、詳細はぜひ講座本編をご覧ください。
このような客観的な分析で、前野先生は次のようなテーマについて、とても納得感の高いお話を繰り出してくださいます。
●高齢社会と幸福
●長続きしない幸せと、長続きする幸せとは
●幸せの「4つの因子」とは
●「夢や目標」と幸福の関係
●「友だちの多様性」と幸福
●日本人は遺伝的に「心配性」?
●個人主義は幸福にマイナス?
●自分らしさと幸福
●幸せをめざすと不幸せになる?
●幸福度を高める方法とは
いずれも興味深い視点です。とかく茫洋(ぼうよう)としがちな「幸福」について考えるうえで、明確な1つの座標軸を与えてくれる講義です。
ちなみに、前野先生が掲げる「幸せの4つの因子」とは下記のものです。
(1)自己実現と成長の因子(やってみよう因子)
(2)つながりと感謝の因子(ありがとう因子)
(3)前向きと楽観の因子(なんとかなる因子)
(4)独立と自分らしさの因子(ありのままに因子)
それぞれの内容については、ぜひ講座本編をご覧ください。必ずや、自分自身の「幸福のあり方」についても、大きなヒントを得られるはずです。
(※アドレス再掲)
◆学びの投稿アカデミア(第2回)「テンミニッツTVのおすすめ講義とその理由」
https://10mtv.jp/review/?review_id=2&referer=push_mm_new_function
◆前野隆司:「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3527&referer=push_mm_rcm2
----------------------------------------
☆今週のひと言メッセージ
----------------------------------------
《アメリカは大陸国家である》
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3711&referer=push_mm_hitokoto
“アメリカ”という概念の覚醒は欧州での7年戦争に起因する
東秀敏(米国安全保障企画研究員)
本格的な海洋進出は19世紀末以降ですが、その方法はフロンティア開拓と同じです。アメリカの精神性は本質的には閉鎖的で、唯我独尊的な大陸国家と共通しており、国際色豊かで、国際秩序を基盤とする海洋国家の精神性とは異なるものです。ですので、米国=シーパワーという議論が通説となっていますが、私の見解としては、それは歴史に反する見方であると思います。文化的に見ても、アメリカは大陸国家であると思います。
----------------------------------------
今週の人気講義
----------------------------------------
未完の長編『銀河鉄道の夜』の魅力と宮沢賢治の思想に迫る
鎌田東二(京都大学名誉教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4824&referer=push_mm_rank
「結局、金でしょ」…欲望と分断の「堕落論」の読み方
納富信留(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4713&referer=push_mm_rank
東條英機と喧嘩…サイパン島陥落迫る日本と岸信介の覚悟
井上正也(慶應義塾大学法学部教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4817&referer=push_mm_rank
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠(國學院大學文学部日本文学科 教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4855&referer=push_mm_rank
徳川家康が『貞観政要』から学んだのは文治政治への転換
田口佳史(東洋思想研究家)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4845&referer=push_mm_rank
----------------------------------------
編集後記
----------------------------------------
皆さま、今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。
さて今後について少しお伝えしたいことがあります。
現在、メモ機能をはじめ、新たな機能、新たな企画を準備、および検討中で、決まり次第、当メルマガでもお伝えしていきます。ご期待ください。
なお、冒頭でも編集長から案内のありました、第2回「学びの投稿アカデミア」ですが、自由投稿欄もあります。テンミニッツTVへのご意見、ご希望などもお寄せいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
人気の講義ランキングTOP10
熟睡できる習慣や環境は?西野精治先生に学ぶ眠りの本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
「ブッダに帰れ」――禅とは己事究明の道
藤田一照