編集長が語る!講義の見どころ
日本経済が進むべき道/特集・小宮山宏先生&第3回「学びの投稿」入選発表【テンミニッツTV】

2023/05/19

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。
日本各地で、急に猛暑となりました。まだまだ身体が慣れない時期ですので、なかなかキツいですね。皆さまも、どうぞくれぐれもご自愛ください。

さて、本日は第3回の「学びの投稿」の入選発表と、特集&小宮山宏先生の講義のご紹介です。

■(1)第3回「学びの投稿アカデミア」入選発表

4月に募集いたしました「第3回・学びの投稿アカデミア(テーマ:わたしの1冊)」にも、多くのご投稿をいただきまして、本当にありがとうございました!

皆さまからいただいた投稿を拝読しつつ、「ああ、この本、ぜひ読んでみたい」と心から思うものばかりでした。はてさて、どのような書籍についての投稿が入選となったのか、ぜひ発表ページをご覧ください。

◆第3回「学びの投稿アカデミア」入選発表
【PC版】
https://10mtv.jp/new_page.php?hash=GdctJtqGcX&referer=push_mm_new_function
【スマホ版】
https://10mtv.jp/new_page.php?hash=esVcYjKjeZ&referer=push_mm_new_function

ご入選された皆さまには、図書カードNEXTネットギフト(2000円)をメールにて拝送申しあげます(6月上旬の発送となります)。あらためまして、ご投稿いただきました皆さまに、心より御礼申しあげます。

「学びの投稿」は3カ月連続で実施してきましたが、次回の投稿募集は、少しインターバルを空けて実施したいと思っております。引き続きまして、何卒よろしくお願い申しあげます。


■(2)日本経済が進むべき道/特集&小宮山宏先生

はたして、日本経済はどうなるのでしょうか? よく指摘されるように、世界経済が成長していくなかでも、日本経済は伸び悩みを続けてきました。1995年には、世界経済(GDP)に占める日本の割合は17.6%だったものが、2021年には約5%にまで落ちています。

なぜ日本経済は成長できないのか。とかく、厳しく悲観的な話ばかりが語られがちです。しかし本来、客観的に世界と比べてみた場合、日本にも多くの可能性があるのではないでしょうか。

そのようにプラス思考で考えていけば、単なる弥縫策ではない「進むべき道」が見えてきます。希望の未来シナリオを学びましょう。

■特集:日本経済が進むべき道

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=184&referer=push_mm_feat

・小宮山宏:太陽電池も蓄電池も汎用品…原材料費の比率で戦略はわかる

・島田晴雄:「一人負け」状態の日本経済、その回復が政治指導者の使命

・夫馬賢治:なぜ「脱成長」は解決策にならないか…ESG投資の可能性

・西山圭太:10分でわかる「日本企業・2つの失敗」

・柳川範之:新自由主義からの時代背景から「新しい資本主義」を問う

※日本経済の課題と可能性を様々な角度からお話しいただいています。ぜひ気になった講義からご覧ください。


■講座のみどころ:日本の「新しい成長」を具体的に展望する(小宮山宏先生)

本日は、小宮山宏先生(東京大学第28代総長/テンミニッツTV座長)の《日本の「新しい成長」実現のために》をピックアップします。

これまでも、小宮山先生は日本が進むべき道を数多くご提言くださいましたが、今回の講義でも、非常にわかりやすく、希望のシナリオをご紹介くださいます。小宮山先生のお話を聞くと、「なるほど、こう考えれば良いのか」「なぜ、そうできないのだろう」と思わざるをえません。

今回も、「原材料費率」という視点から日本経済の戦略についての考え方を説き起こし、さらに「第一次産業と再生可能エネルギー」を組み合わせることでの発展の道や、太陽電池の新しい可能性をご指摘くださいます。

視聴するだけで、勇気がわいてくる講義です。

◆小宮山宏:日本の「新しい成長」実現のために(全4話)
(1)原材料費率から考える日本の戦略
太陽電池も蓄電池も汎用品…原材料費の比率で戦略はわかる
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4917&referer=push_mm_rcm1

小宮山先生が、まず教えてくださるのは、「原材料費の比率で見れば、とるべき戦略は見えてくる」ということです。

たとえば、ハイブリッド自動車の「プリウス」の原材料は鉄やプラスチックなどですが、約40万円だといいます。プリウスの販売価格が仮に400万円だとすると、原材料の10倍ということになります。

一方、リチウムイオン電池のような「蓄電池」、あるいは「太陽電池」などはどうなのでしょうか?

小宮山先生は、「皆さんの中には、蓄電池や太陽電池は非常に高価な難しいものだと思われている方もいらっしゃるのではないかと思います」と指摘されつつ、実は、蓄電池や太陽電池が原材料費の1.4~1.5倍の価格で売られていることを教えてくださいます。

ここで比較の対象になるのが「電線」です。電線の原料は銅と被覆のプラスチックですが、その原材料費の1.2倍ほどで売られています。

つまり、蓄電池も、太陽電池も、電線も、ほとんど原材料費に近い値段で売られている。すでに「汎用品」になっているということです。

小宮山先生は、こうおっしゃいます。

《汎用の、原料に非常に近いものと、原料費よりはるかに高い売価のものでは、売るための戦略が当然違ってきます》

まさにご指摘のとおりでしょう。

日本は必ずしも、汎用品で弱いわけではありません。たとえば塩化ビニールで世界一のメーカーである信越化学は、熾烈な価格競争に勝ち抜くために、どんどん投資をして勝ち抜いています。

一方で、原材料費と販売価格が10倍以上も違うような製品であれば、それに最適な戦略がある。その戦略の違いについて見きわめができなければ、戦略の基本が立たないということです。

では、もう汎用品となっている太陽電池はどう考えるべきなのでしょうか。それについては、ぜひ講義第1話をご覧ください。

第2話、第3話では、「第1次産業+再生可能エネルギー」で拓ける未来と、新しい太陽電池の可能性についてご指摘くださいます。

小宮山先生がご紹介くださるのは、こんな数字です。

日本の林業の場合、1ヘクタールあたりの収入は、約10万円くらい。お米の場合は、1ヘクタールあたり100万円くらい。一方、太陽電池は、1ヘクタールあたり100万kWh(キロワットアワー)の発電ができて、2000万円の収入になる……。

そのうえで、こうおっしゃるのです。これから脱炭素の動きのなかで、バイオマスが非常に重要になってくるので、日本の林業は非常に大事な資源になる。ここで、もし林業地のたった1%の土地に太陽電池を置けば、それだけで2倍の経済性になる。今まで儲からないと思われて、若い人も跡を継がないような状況から、魅力ある産業へと一変する。

同じようなことが農地でもいえる。農地の3割くらいの面積に、3メートルの高さくらいで太陽電池を設置すれば、農作物の成育にはまったく影響なしに、2倍~5倍の経済性になることがすでに実証されている。

このような具体的な数字は、非常に説得力があります。

さらに太陽電池でも、新たな潮流を教えてくださいます。現在、プラスチックのフィルムに塗るだけで発電してくれる「ペロブスカイト太陽電池」という画期的な技術が発明されている。これは軽量だし、あちらこちらに使えて勝手がいいが、欠点は寿命が短いことである。しかし、寿命が短いなら、メンテナンス込みのサブスクビジネスにすればいいのではないか。それを林業や農業と組み合わせれば……。

まことに具体的、かつ、すぐにも実現可能な話です。

では、このような「すぐそこにある明るい未来」を邪魔し、妨げているものは何か。

それが日本のさまざまな「規制」だと、小宮山先生は指摘されます。たとえば発電から送電までのすべてを各地域毎に1つの電力会社が担う「発送電非分離」のあり方や、またたとえば、山林の不明地主の土地に手が出せないあり方です。それが具体的にどのようなものかは、ぜひ講義の第4話をご覧ください。

ダメだ、ダメだというのは簡単です。その前に、どこに可能性があるのかを見つけていきたいものです。小宮山先生の講義は、今回もそのような「可能性」の数々を具体的に教えてくださいます。

何かを変えれば、あっという間に、大きく花開くかもしれない。そのために起こすべきアクションは、何なのか。そのことについて、ぜひ考えたい講義です。


(※アドレス再掲)
◆第3回「学びの投稿アカデミア」入選発表
【PC版】
https://10mtv.jp/new_page.php?hash=GdctJtqGcX&referer=push_mm_new_function
【スマホ版】
https://10mtv.jp/new_page.php?hash=esVcYjKjeZ&referer=push_mm_new_function

◆特集:日本経済が進むべき道
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=184&referer=push_mm_feat

◆小宮山宏:日本の「新しい成長」実現のために(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4917&referer=push_mm_rcm2


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レッツビギン! 穴埋め問題
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今回は「日本文化と儒教思想」についての問題です。ではレッツビギン。

外来文化をどのようにわれわれの先祖は受け取ったのか。その最大のものが(     )です。冠位といえば、要するに国を司っている役人のポジションを決定するという、非常に国を象徴する部分です。その冠位に早くも儒教の仁義礼智信が採り入れられているということで、そういうものは注目したほうがいいと思うんです。

さて(    )には何が入るでしょう。答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3673&referer=push_mm_quiz