2023/11/03

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。

いよいよ11月に入りました。今年もあと2カ月。早いものですね。ぜひ、充実した日々にしていきたいものです。

そんなときに考えたいのが「学び」の方法についてです。

「ひとはみな一人では～♪」と聴くと、懐かしい歌（中村雅俊氏のデビュー曲「ふれあい」）を思い出す方もいらっしゃることでしょう。学びもまさにその通りで、一人だけで学ぶことは、なかなか難しいものです。

今回は、「ともに学ぶ」ことの意味について、講師陣がそれぞれ解説されている講義をピックアップして特集としてみました。ぜひご覧ください。


■本日開始の特集：ひとはみな一人では“学べない”ものだから

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=217&referer=push_mm_feat

・津崎良典／五十嵐沙千子：デカルトはなぜ「学ぶ人は一人にしては駄目」と言ったのか

・出口治明：「人生を幸福にする発想法」で考えると「人間は猪八戒だ」

・浜口直太：自分と違う人生を送る者は皆、学ぶべき相手

・藤井輝夫「知を活用する」ためには人間のネットワークが必要だ


■講義のみどころ：なぜ「学ぶ人は一人にしては駄目」なのか（津崎良典／五十嵐沙千子）

本日ピックアップするのは、津崎良典先生・五十嵐沙千子先生の対談講義です。「哲学カフェ」のような雰囲気で、「教養」について縦横無尽に語っていただいています。

◆津崎良典／五十嵐沙千子「教養とは何か」を考えてみよう（全15話）
（1）「あの人って教養あるよね」とは
「哲学カフェ」再現講義第二弾「教養とは何か」語り尽くす
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3986&referer=push_mm_rcm1

哲学カフェ講義とはどのような雰囲気で話が進むものなのか……。それは、ぜひ講義本編をご覧ください。両先生のやわらかな対話に導かれて、「教養とは何か」という本質について、次々と「考えてみる」ことができます。

本講義の議論の流れのなかでは、たとえば次のような哲学者の言葉が次々と登場してきます。

●パスカルが語る「オネットム（＝素晴らしい人間）」。
●レヴィ＝ストロースが語る「ブリコルール（＝手持ちのもので何かつくっていくこと）」
●キケロが語る「クルトゥラ・アニミ（＝魂の教養）」
●ヘーゲルが語る「普遍性を目指す永遠の歩み」
●アーレントが語る「多様性」
●ライプニッツが語る「不可識別者同一の原理」
●セネカが語る「運命の逆境」
●ハイデガーが語る「抛下（放下）＝リラックス」
●ハーバーマスが語る「人間の社会化と自己疎外」
●プラトンが語らなかった「ある事柄」
●福澤諭吉の語る「修身の大切さ」……などなど。

また、「教養がある人はどういう人か」については、次のようなメッセージが提起されます。

●「教養がある人は何か一つだけに秀でているのではなくて、いろんなことにそれなりに、ある程度の知識や理解がある」
●「教養がある人は本来の在り方を拡張し、文脈をつくり変えていく」
●「教養がある人は、全然関係がなかったような知識や情報やデータなどとの間に見えなかったミッシングリンクを見つける」
●「教養のある人は『知識の箱』に縛られていない」
●「教養のある人は、『死者（相手を決めつけて、遮断する人間）』ではない」……などなど。

このように列挙すると、何やらとても難しそうですが、この講義は「哲学カフェ」ですので、とてもわかりやすく、そしてやわらかく、その「こころ」が語られていくのです。まさに「目からウロコ」の時間が続いていきます。

今回の特集に関連していえば、第14話で、津崎良典先生が次のようなお話を展開されます。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3999&referer=push_mm_rcm3

《1628年頃、デカルトが32歳の時に書き上げられなかった本があって、『精神指導の規則』というなかなか意味深なタイトルです。精神を指導するための規則のなかで、こんなことを述べているんだよね。

若い人、学ぶ人は一人にしておいては駄目だと。やっぱり教師が一緒になって学んでいかなきゃいけないということを言っている。そうしたほうが、たとえそれが間違った道だったとしても、どこかにはたどり着くことができるだろう。あるいは、そこまでいかずとも、少なくとも正しい道を一緒に歩いていくことができるだろうと。

なので、まず最初はやっぱり誰かお気に入りの師匠を見つけるといいと思います。それは、ルソーだろうが、デカルトだろうが、ハイデガーであろうが、誰でもいいけれども、「一人で」というのは学びにおいてはとても難しいし、もっと言ってしまうなら不可能だと思います》

これがどのような文脈かは、ぜひ講義本編（第14話）でご覧ください。様々な事例を取り上げて語られていく講義のなかから、テンミニッツTVをうまく活用していくヒントも、必ずや見つかるのではないかと思います。

本編が12話、質疑の深掘り編が3話の全15話という長いシリーズですが、ゆったりと浸って、様々なことに思いを馳せることができる珠玉の「哲学カフェ」ですので、ぜひお気に入りのお茶やコーヒーを片手に楽しんでみてはいかがでしょうか。


（アドレス再掲）
◆特集：ひとはみな一人では“学べない”ものだから
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=217&referer=push_mm_feat

◆津崎良典／五十嵐沙千子「教養とは何か」を考えてみよう（1）
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3986&referer=push_mm_rcm2

◆津崎良典／五十嵐沙千子「教養とは何か」を考えてみよう（14）
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3999&referer=push_mm_rcm4


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編集部#tanka
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五箇条の御誓文こそ日の本の自由と栄えの雄々しき根かな

11月3日は明治天皇の誕生日。ぜひ五箇条の御誓文を振り返ってみてはいかがでしょう。万機公論に決すべし……。日本の自由と民主と繁栄の基本的指針がここにはあります。(達)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2596&referer=push_mm_tanka