編集長が語る!講義の見どころ
「日本」の特性は何だろう?/田口佳史先生(テンミニッツTVメルマガ)
2020/10/02
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
日本とは、どのような国なのか。日本文化の特性とは……? そのようなことを聞かれると、案外、困ってしまうことも多いのではないでしょうか。しかし、日本はこれまで、世界にも誇るべき素晴らしい精神や文化を育んできました。そのことについて知っておくことは、本当に大切なことです。とりわけ、現在のように疫病が蔓延したり、経済や国際政治の先行きが不透明だったりするときには、まずは自分の「足場」をしっかりと固めておくことが、何より重要でしょう。
本日は、その点を驚くほど深掘りしていただく田口佳史先生の講義を紹介いたします。
◆田口佳史:日本の特性とは何か(全7話)
(1)転換期の重要性
日本は今まさに大転換期の真っ只中にいる
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3312&referer=push_mm_rcm1
この講義シリーズで、まず田口先生は、歴史サイクルから見て、まさに今、日本は「大転換期」に差し掛かっていることを強調されます。そして、明治維新も日清戦争や日露戦争などでは成功したものの、「うわべの転換」、つまり西洋近代思想の模倣になってしまったために、「和魂洋才」ならぬ「洋魂洋才」になってしまった。「日本的」なるものに立脚できなかったことが、1945年の悲劇的敗戦の1つの大きな原因になってしまったのではないか……。
では、真の「日本的」とは何でしょうか。この講義では、まさに広範な古典を読み込んでこられた田口先生ならではの、さまざまな方向から心を深く刺激する指摘が、続々と繰り出されていきます。
「日本」のことですから、以下、いくつか列挙しただけでもイメージは掴んでいただけるのではないでしょうか。
●松尾芭蕉の創造論:松尾芭蕉は駄作がほとんどないといえるほど大ヒット作品を連発したが、なぜ彼はそれだけのヒットを出せたのか?
→「造化(ぞうか)にしたがひて四時(しいじ)を友とす」の精神。
●「安堵・安泰」の大切さ:日本は自然環境にも恵まれ、現世を肯定する思想を育んできた。それゆえ「安堵・安泰」をとことん突き詰めていくことが、物事の進め方において必須となる。
→「見えないものを大切にする」精神。
●西郷隆盛の「誠」の精神:自分が本当に「誠心誠意」生きているか、仕事に励んでいるか。心底から真心を込めて誠心誠意やらないと、天には通じない。
→「誠」を尽くして生きる心。
●本居宣長の「大和心」:日本人の発見した「神」は見るものではなく、感じるもの。だから多神教であり、偶像崇拝でもない。
→鋭い感性と深い精神性。
●豊かな水から生まれた「清明心」:川底まで見える清らかな水に恵まれたことが生んだ「清く明けく心」と「正し直し心」。
→「明浄正直」の心。
●外来思想の「溜まり文化」:日本には、儒教・仏教・道教・禅・神道の思想哲学が集積し、発酵し、みな息づいている。
→「知的資源」を活かす心。
それぞれ、どのようなことが説かれるのか。それにつきましては、ぜひ本編をご覧ください。自らの心の奥底から「大事なもの」が浮かび上がってくる講義です。
なお、田口先生に「日本の本当の強み」を教えていただく講義シリーズは、今後さらに続いていく予定であり、ちょうど現在、続編にあたる「日本文化を学び直す」を配信中です。こちらの講義も、ぜひお楽しみにご視聴くださいませ。
(※アドレス再掲)
◆田口佳史:日本の特性とは何か(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3312&referer=push_mm_rcm2
(※参考講義)
◆田口佳史:日本文化を学び直す
(1)忘れてはいけない縄文文化
日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3616&referer=push_mm_rcm3
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今週の「エピソードで読む○○」Vol.5
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今回の○○はシンガポールの初代首相「リー・クアンユー」です。
(マレー連邦のラーマン首相は)盟友であるはずのリー・クアンユーに対し、「シンガポールはマレー連邦から離脱せよ。もう面倒をみない」と、絶縁をするのです。
そうなると、弱冠30歳のリー・クアンユーは仰天です。なぜならば、シンガポールは水も出ない、食料もないところです。そこでどうやって何万人ものシンガポールの人たちが生きていくのか。
しかし、そこでは、独立宣言をせざるを得ないのです。この独立宣言が有名なのですが、お葬式のような独立宣言だったということです。
リー・クアンユーさんはすごく気の強い人で、彼と競争できるだけの学力や知力を持った人はどこにもいませんから、どこへ行っても彼は神様のようにふるまっていたのです。そんな彼が、独立宣言の途中から涙声になって、涙をぽろぽろこぼしてしまったのです。
リー・クアンユーさんは、「これを映すな」と言ったそうですが、プロデューサーが間違えて放映してしまいました。
そうして、シンガポール国民がそれを見ることになったわけです。
シンガポールはなぜ驚異的な経済発展を遂げたのか?
島田晴雄(東京都公立大学法人理事長)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=115&referer=push_mm_episode
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レッツトライ! 10秒クイズ
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「ビジネス・経営(イノベーション)」ジャンルのクイズです。
フラッシュメモリの生みの親である舛岡富士雄氏が2002年、『Forbes』という雑誌の表紙に掲載されました。表紙には英語で「評価されない〇〇」と少し皮肉っぽく書かれていたそうです。さて〇〇に入る言葉は何?
答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2453&referer=push_mm_quiz
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編集部からのお知らせ
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【「講義ギフト」機能が追加されました!】
もう、お気づきの方もいらっしゃることと存じますが、このたび新機能を追加いたしました!
皆さまに気に入っていただいたテンミニッツTVの講義を、ご家族やご友人やお知り合いにご紹介いただける「講義ギフト」の機能です。
使い方の詳細は、下記のURLをご参照ください(テンミニッツTVのトップページにもご案内を出しております)。
https://10mtv.jp/new_page.php?hash=HOE0gD8YKV&referer=push_mm_new_function
手順を追っていくと、「テキストをコピー」というボタンが出てきますので、そこを押していただくと、ギフト専用の講義URLが自動でコピーされます。それを、そのままメールやLINEなどに貼り付けて、ご友人やお知り合いの方にお送りいただければ、相手の方が1週間限定で、そのURLの講義を含むシリーズ全話を最初から最後まで視聴することができます。
たとえば、
◆新型コロナウイルスなど話題のテーマについての講義を、ご家族やご両親などに伝えるときに。
◆心に響いた「人間力を高める」講義を、共有して学ぶときに。
◆教養を高める講義や、時事問題の秀逸な切り口、最新の科学知識などを、ご家族や友人や
会社の同僚に教えるときに。
などなど、様々な使い方ができるかと存じます。
ただし、無制限にご紹介いただくと、テンミニッツTVが実質的に無料でどんどん見られるかたちになってしまいますので、現時点では、毎月2講義までを無料でご紹介いただけるようにしております(お一人に2講義をご案内いただくか、お二人に1講義ずつご案内いただくかは、自由にお選びいただけます)。
上記のご案内ページに書いてある注意事項などもご確認のうえ、ぜひ積極的にご活用をいただければ幸いです。
「こんなおもしろい講義があったよ」と、ぜひ大切な方々にお報せください。これを通じて、より多くの方々と「知の共有」が図れて、テンミニッツTVの講義が皆さまのお役に立つ場面が増えれば、講義をお届けしている編集部一同、とても嬉しく存じます。
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編集後記
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編集部の加藤です。今回のメルマガ、いかがでしたか。
さて、昨日より10月特集「米中対立と2020年アメリカ大統領選の行方」が始まりました。
コロナ禍において、来月11月に大統領選を控えるアメリカですが、対立を深める中国との関係は一体どうなっているのか。また、今後どのように進んでいくのか。
今回の特集では、米中両国の現状と再選を狙うトランプ大統領の動向に注目し、日本ではあまり知られていないアメリカ政治のしくみ、その実状とともにお伝えしていきます。ぜひご視聴ください。
<ご紹介した10月特集はこちら>
「米中対立と2020年アメリカ大統領選の行方」
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=102&referer=push_mm_edt
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