編集長が語る!講義の見どころ
組織心理学は使える!/特集&山浦一保先生【テンミニッツTV】

2023/12/22

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。

「心理学」を日々の仕事や暮らしに活かすと、日々の「人間関係の困りごと」や「生きづらさ」を解消するための、多くの具体的なヒントを得ることができます。

たとえば、モチベーションやパフォーマンスをあげるためにどうするか。人づきあいのコツとは。苦手な人とはどう応対すればいいか……。

様々な局面で役立つ「組織心理学」講義をまとめてみました。意外と自分では気づかないマイナス感情にも着目しつつ、生きるヒントをお伝えします。


■本日開始の特集:組織心理学は使える!

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=220&referer=push_mm_feat

◆山浦一保:なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋

◆山浦一保:いい妬みと悪い妬みの2種類がある…「嫉妬」の本質に迫る

◆山浦一保:職場のメンタルに影響する「あいさつ」、その効用とは?

◆山浦一保:職場への不満は6割以上~ポイントは隠蔽、組織的安全性…

◆山浦一保:Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは


■講座のみどころ:温度差、不満、若者とのコミュニケーション(山浦一保先生)

この特集でフィーチャーしている山浦一保先生の「組織心理学」講義ですが、全体としては、以下のような流れになっています。

◆概論(全1話)
◆妬み・嫉妬(全3話)
◆チームの温度差(全2話)
◆不満(全2話)
◆若者とのコミュニケーション(全2話)

山浦先生が執筆された『武器としての組織心理学』(ダイヤモンド社)は、とても話題になった一冊ですが、「妬み」などのマイナスな心情を真正面からうまく取り上げて、その心理学的な解決について論究している点が、とても大きな特長となっています。

先月(11月7日)にお送りしたこのメルマガで、「概論」と「妬み・嫉妬」については解説しましたので、本日は、「温度差」「不満」「若者とのコミュニケーション」について紹介しましょう。

◆山浦一保:組織心理学~「チームの温度差」を埋める(全2話)
(1)温度差の正体とあいさつの影響力
職場のメンタルに影響する「あいさつ」、その効用とは?
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5141&referer=push_mm_rcm1

◆山浦一保:組織心理学~「不満」を生かす(全2話)
(1)不満・相談・予防
職場への不満は6割以上~ポイントは隠蔽、組織的安全性…
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5154&referer=push_mm_rcm2

◆山浦一保:組織心理学~若者とのコミュニケーション(全2話)
(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5156&referer=push_mm_rcm3

さて、まず「チームの温度差」です。

同じチームや組織のなかであっても、当然、それぞれの人間関係には凹凸があり、目標への意欲や問題意識にも「温度差」があります。

では、これをどう整えるのか。

山浦先生の大学のゼミでは、毎年毎年のメンバーに「ゼミの方針や進め方」を、すべてその年に集まった学生に決めさせるといいます。自己紹介もそこそこに、集まった皆でそれを討議する。当然、毎年毎年、方針が大きく異なりますが、それが大切な「下地づくり」であり、そこに時間をかけるというのです。

なるほど、大学のゼミのように、毎年、新しいメンバーが集まるよう組織ではそれもできますが、既存の組織に、毎年、新しい人が1~2人ずつ入ってくるような組織の場合はどうすればいいのでしょう。

それについては、ぜひ講義本編をご覧ください。

ここで1点、山浦先生が人間関係の凹凸を整えていく方法として強調されるのが「あいさつ」です。この点の心理学的な分析も、まことに興味深いところです。

さらに第2話では、稲森和夫氏による日本航空の改革の事例を取りあげながら、組織のベクトルを合わせる方法について論じていきます。ややもすると現在の日本では「古臭い」「前時代的」と思われがちな「理念」や「フィロソフィー」が、いかに心理学的にも効果があるものかが浮かび上がってきます。

続いて「不満」です。この講義では、最初に衝撃的なデータが示されます。「職場に不満を持っている人が6~7割いる」というのです。

もっとも、これは上司からすれば衝撃的かもしれませんが、下の立場の人間からすれば「そうだろうなあ」ということになるでしょう。さらにいえば、上司であっても自分自身が下の立場であったときにはそう思っていたはずです。

ここで山浦先生は「もっと不満を持ってもいいかもしれません」とおっしゃいます。なぜでしょうか?

ここで重要なのが、当然ながら「不満」は、「向上心」や「改善・改革」などの重要な「種」になるということです。

つまり、不満にも「いい不満、悪い不満」があるのです。その場合、悪い方向にいってしまう大きな原因となるのが「隠蔽」や「心理的安全性」だといいます。

では、不満を爆発させないためにどうべきか。逆に、不満をきちんと聞いてもらうためにはどうすべきか。そのあたりのことは、ぜひ講義本編をご覧ください。

「不満」編の第2話では、「ほめ方」について論じられます。一般に、「ほめて育てよ」などといわれます。しかし、ほめることで効果がある人と、なかなか効果が上がらない人がいます。

その違いは、心理学的にいえば「信頼関係が築けているかどうか」だといいます。しかし、これも言うは易く、行なうは難しです。はたして、信頼関係を築くためにどうするか。あるいは、どうやら第一印象で「失敗」してしまったらしい場合のリカバリー策とは?

このあたりも、山浦先生の示す心理学実験の事例やそれに基づく解決策が、じんわりと心に響いてきます。

3つめのテーマは、「若者とのコミュニケーション」。

上の立場、上の世代の人たちからすると、下手に話しかけたら、ハラスメントと思われてしまうのではなかろうかなどと考え、距離の取り方や人間関係の作り方で悩みを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は山浦先生は、組織心理学者の立場から、立命館大学の運動部のメンタルサポートなどを重ねるなど、「いまの若者」と深く接し、様々な知見を重ねておられます。

では、最近の若い方々の感性とは?

山浦先生は、「多分、本質は変わらない」とおっしゃいます。それは、自分自身の世代と比べても、あるいは上の世代と比べても……ということです。

たしかに、世代論で考えるのは、ある意味ではとても危険度の高いことです。世代論は「そういわれれば、そうとも思える」ようなものではありますが、しかし現実には、1人ひとりがまったく個性をもった存在だからです。

つまり、若者論というよりも、むしろ若者と向き合う「こちら側」の態度が問題となるのです。

山浦先生が、若者の話を聞くときの心構えとしておっしゃるのが、「沈黙の時間を恐れずに待つこころ」です。これは、わかっていても、なかなかできないことかもしれませんが、とても参考になるお話ですので、ぜひご覧ください。

また、山浦先生は、ご自身の実践の拠り所として、山田洋次監督さんが書かれた『寅さんの教育論』(岩波ブックレット)をご紹介くださいます。はてさて、どのような内容か。こちらの箇所も、まさに必見です。

ちょっとしたことで、自分の周りの人間関係は変わってくるものです。その「かけがえのないヒント」として、ぜひ本講義をご活用ください。


(※アドレス再掲)
◆特集:組織心理学は使える!
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=220&referer=push_mm_feat


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編集部#tanka
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道徳はヒトよりイヌが優れてるそう聞いてふと優しくなる吾

なんだか、流れてくるのは気分が滅入るニュースばかり。そんなとき、一ノ瀬正樹先生のイヌについての講義を視聴すると、「本当に大切なこと」について貴重な気づきをもらえます。(達)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=1762&referer=push_mm_tanka