編集長が語る!講義の見どころ
AIの進化と完全循環型社会への道…小宮山宏座長の「2024年頭所感」【テンミニッツTV】
2024/01/03
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。
元旦から、能登半島を震源とする巨大な地震に見舞われました。被害状況も徐々に明らかになりつつあります。被災された皆様に、心よりお見舞い申しあげますとともに 一日も早い復旧・復興をお祈り申しあげます。
このようなときこそ、一丸となって力を合わせるとともに、各々が各々の持ち場で全力を尽くすことが大切だと思います。テンミニッツTVといたしましても、引き続きまして、皆さまに真にお役立ていただける「知」と「学び」の空間をつくりあげるべく、全力で努めてまいります。
さて、テンミニッツTVでは、毎年1月1日にテンミニッツTV座長の小宮山宏先生の「年頭所感」を配信しております。すでにご覧になった方もいらっしゃることと思いますが、あらためて本メルマガでも紹介させていただきます。
◆小宮山宏:完全循環型社会と教養の時代(全2話)
(1)これから何が起こるか
2024年・年頭所感…完全循環型社会と健康長寿社会へ
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5194&referer=push_mm_rcm1
2024年にどのようなことが起きるかについて、小宮山先生は2つを指摘されます。
1つは、「完全循環社会」に向けてスタートを切る年になること。もう1つは、「生成AI・人工知能」が急速に社会に入ってきて、人間との協働でいろいろな困難を解決し、新しい希望を作っていくスタートの年になることです。
まず、小宮山先生はChatGPTについて、次のように言及されます。
《ChatGPTが世界に衝撃を与えています。これは信じられないぐらいのAI(アーティフィシャル・インテリジェンス、人工知能)なので、その後もどんどん進化しています。現に今も、一月経つともう違っている、というようなスピードで進化してきています。これは大きな潮流を作って、いわば人間の活動のほとんど全てといっていいと思いますが、知能が関係するほとんど全てのところに影響を与えます。場合によっては、根本的に変える可能性すらあるのだと思います》
実は小宮山先生は、第2話で「私は今、結構、ChatGPTを使っているほうです」とおっしゃり、必要となる知識が爆発的に増える時代に、生成AIやテンミニッツTVのような「教養を高める」試みが、様々な課題解決のツールとなることをご指摘下さいます。
さて、では小宮山先生は、実際にどのように活用されているのか。それについては、ぜひ講義第2話をご覧ください。
もう一方の「完全循環型社会」については、20世紀的な化石資源依存や森林伐採的なあり方から、「再生可能エネルギー、都市鉱山、バイオマスの成長分」で賄うあり方に変わるということです。
小宮山先生は、「完全循環型社会」に向けての動きを、テンミニッツTVで逐次ご紹介くださっていますが、今年の年頭所感でも、驚きの進捗が明かされます。
まずご指摘下さるのが、IEA(International Energy Association、国際エネルギー機関)の「予測」自体がどんどん変わってきている事実です。2010年当時の予測と、現在の予測を比べると、加速度的に上方修正となっているのです。
そのうえで、小宮山先生はこうおっしゃいます。
《もしも2030年時点で「2040年がどうなっているか」ということを考えるとすれば、おそらく100パーセント近く再生可能エネルギーが占めるという予測が出てくるでしょう》
あと16年でそうなる……しかし、そこまでのドラスティックなビジョンを持っていなければいけないということでしょう。日本のテンポ感の悪さが気になります。
もう一つ、小宮山先生がご指摘下さるのは、「スクラップから自動車を作る試みに成功した」ということです。
自動車をつくりには、「ハイテン(高張力鋼板=High Tensile Strength Steel Sheets)」という素材が不可欠です。これまではスクラップからはつくれないといわれていたのですが、遂にその実現に成功したのです。
となると、どうなるか。これはまさに「都市鉱山」、つまり廃材を資源としてフル活用していくあり方への道筋がついたということです。
目の前で起きている事実を的確に見定め、未来への潮流をしっかりと把握し、より良い社会をつくりあげるべく前向きに貢献していかねば、自分自身の道も開けるものではありません。
まさにこの2024年の年頭に、必見の講義です。
(※アドレス再掲)
◆小宮山宏:完全循環型社会と教養の時代(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5194&referer=push_mm_rcm2
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編集後記
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編集部の加藤です。
2024年は2月でテンミニッツTVがスタートして10周年となります。10周年を記念して、10年分の人気ランキングをお届けする予定です。
年頭に当たり、以下の講義を紹介したいと思います。
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4684&referer=push_mm_edt
この講義は〈プラトン『ポリテイア(国家)』を読む〉(全16話)の1話目ですが、「ポリテイア(国家)」がアメリカトップ10の大学生の必読書で最も読まれている本だからおすすめというわけではありません。この講義には、人生のあらゆる場面、時期に対応できる大事な学び、そのエッセンスがふんだんに盛り込まれています。考え方、行動指針、生き方などについて、深く真摯に見つめてみたいという方に特におすすめです。
16話と長いですが、ぜひシリーズ通してご視聴ください。
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