編集長が語る!講義の見どころ
ほんとうの「幸福」を考える/特集&前野隆司先生【テンミニッツTV】

2024/01/19

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。

「幸せをつかみたい」「幸福な家庭を築きたい」「仕事で幸せになりたい」……。

多くの人が、そう考えているはずです。では、「幸福」とはどのようなことなのでしょうか。どうすれば「幸福になれる」のでしょうか。

これは、考えれば考えるほどに難しいテーマです。しかし、まさに「考えておきたい」「考えておくべき」大切なテーマでもあります。

今回は、テンミニッツTVの講義から「幸福」のあり方のヒントになるものをピックアップしました。いずれも様々な角度から「幸福」に深く迫る必見の内容です。人生を変えてくれる講義集。

■特集:ほんとうの「幸福」を考える

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=223&referer=push_mm_feat

・前野隆司:実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている

・出口治明:「人生を幸福にする発想法」で考えると「人間は猪八戒だ」

・津崎良典×五十嵐沙千子:「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現

・田村潤:「使命観=パーパス」に立脚できないのは自分のエゴのせい

・鎌田東二:「ほんとうの幸福をさがす」ジョバンニの決意と青の世界


■講座のみどころ:「幸せのメカニズム」の謎に迫る(前野隆司先生)

このメールの冒頭でも書いたように、「幸せ」について考えない人はいないと思います。とはいえ「結局のところ、自分は幸福なのか」と問われると、「うーん」と考え込んでしまう人が大半ではないでしょうか。

しかし、幸福はけっして、単なる哲学的命題や精神論だけではありえません。

本日ご紹介する前野隆司先生(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)によれば、幸せな人は「免疫力も高まって、寿命も平均で7年から10年ほど長い」ことも明らかになっているとのこと。また、「幸せな社員は不幸せな社員よりも創造性が3倍、生産性が1.3倍、そして売上も37パーセント高く、欠勤率や離職率も低い」という研究結果が出ているともいいます。

「幸せか否か」は「リアル」に大きく跳ね返ってくる問題なのです。

◆前野隆司:「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(全7話)
(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3527&referer=push_mm_rcm1

前野先生は、心理学をベースに「どのような条件を満たせば人は幸せでいられるか」ということを、世界中の研究成果をひもときつつ、とてもわかりやすく解説してくださいます。

もともと前野先生は、機械工学を学び、ロボットの研究をされていました。ロボットの心を作ろうと試みるうちに、人間の心に興味が移り、その後、人間の心の働きについて研究するうちに、「幸せとはどういうことか」について研究するようになったそうです。

だからでしょう。前野先生の「幸福論」はとても分析的で、エビデンスの説得力もあり、新たな知見をいくつも与えてくれます。いわゆる哲学的なアプローチとは、また違った方向から幸福について考えることができます。

この講義で、前野先生は「幸せの4つの因子」について解説してくださいますが、そのほかにも、興味深い論点が目白押しです。

たとえば第1話では、よくニュースなどでも話題にのぼる「世界幸福度調査(World Happiness Report)」のからくりについて指摘されます。2020年の結果では、日本の幸福度は先進国中最下位の62位とのことで、このような結果から「日本人は不幸だ」などと論じられることが多くあります。

しかし前野先生は、「この調査は割り引いて考えるべき」とおっしゃいます。なぜなら、この調査は、「0が最悪の人生、10を最高の人生としたときに、あなたの人生は何点ですか?」と質問して、その回答の平均値をランキングしたものだからです。

前野先生によれば、欧米に多い個人主義の人たちは「10からの引き算」で考える。つまり、最高な人生(10)から考えて、自分の人生はどのくらいマイナスかを考えるので、平気で8とか9などといった数値をつける。

一方、アジアに多い集団主義の人たちは、「周りを見て普通程度かな」と考える。そのため「5」を基準として、その前後の点を選ぶので「5」を中心とした富士山のような正規分布となりやすい……なるほど、思い当たる節のある話です。

ただし、このようなかたちでデータを取ることによって、「幸福度」の自己分析と、他のデータを照らし合わせて研究することができるようになります。それによって「幸せを目指すことができる時代がきた」のだと前野先生はおっしゃいます。

たとえば、このガイドメールの冒頭に掲げた「幸福と仕事」や「幸福と寿命」の関係なども客観的に分析することができるようになります。また、「20代は幸せだが、そこから幸福度は低下して40~50代で幸せの底になる。しかし、50歳以降、歳を重ねれば重ねるほど幸福度はどんどん上がっていく」こともわかってきます。

まことに興味深いデータが示されますので、詳細はぜひ講座本編をご覧ください。

このような客観的な分析で、前野先生は次のようなテーマについて、とても納得感の高いお話を繰り出してくださいます。

●高齢社会と幸福
●長続きしない幸せと、長続きする幸せとは
●幸せの「4つの因子」とは
●「夢や目標」と幸福の関係
●「友だちの多様性」と幸福
●日本人は遺伝的に「心配性」?
●個人主義は幸福にマイナス?
●自分らしさと幸福
●幸せをめざすと不幸せになる?
●幸福度を高める方法とは

いずれも興味深い視点です。とかく茫洋(ぼうよう)としがちな「幸福」について考えるうえで、明確な1つの座標軸を与えてくれる講義です。

ちなみに、前野先生が掲げる「幸せの4つの因子」とは下記のものです。

(1)自己実現と成長の因子(やってみよう因子)
(2)つながりと感謝の因子(ありがとう因子)
(3)前向きと楽観の因子(なんとかなる因子)
(4)独立と自分らしさの因子(ありのままに因子)

それぞれの内容については、ぜひ講座本編をご覧ください。必ずや、自分自身の「幸福のあり方」についても、大きなヒントを得られるはずです。


(※アドレス再掲)
◆特集:ほんとうの「幸福」を考える
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=223&referer=push_mm_feat

◆前野隆司:「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3527&referer=push_mm_rcm2


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編集部#tanka
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疾き風や平安ならぬ平安の時代の原理はたんぽぽの綿

大河ドラマ光る君へ。ドラマとしておもしろいですね!しかし、平安時代がどういう時代かは案外わからぬもの。関幸彦先生が、時代の原理を読み取いてくださいます。目からウロコです。(達)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5201&referer=push_mm_tanka