編集長が語る!講義の見どころ
ルネサンス美術の歴史と巨匠たちを学ぶ/池上英洋先生【テンミニッツTV】

2024/04/23

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。

本日は、池上英洋先生による「ルネサンス美術」の講義を紹介いたしますが、その前にお報せとお願いを……。

■(1)「人間力」についてのアンケート企画。応募締め切り、明日(4月24日)までです。

会員の皆さまにご意見を募り、その結果を編集部でお報せするアンケート企画。
今回は《「人間力」を高めるために大切なものは?》というテーマで実施しておりますが、応募締切がいよいよ明日(4/24)に迫っています。

選択式でお気軽にご回答いただけますので、ぜひ振るってご参加ください。

テンミニッツTVのTOPページに、アンケートに飛べるリンクを貼っていますが、念のためアドレスも記します。

https://pr.imgs.jp/r.php?5f3w8u6xqj


■(2)ルネサンス美術の歴史と巨匠たちを学ぶ/池上英洋先生

芸術についての「教養」は、ぜひとも身につけておきたいものです。そのような教養は、人生の楽しみを、幾倍にも増やしてくれることはもちろん、様々な人との会話でも、何よりの「話材」となることも多いものです。

西洋絵画を観る場合、もちろんのことですが、その絵についての知識があればあるほど、鑑賞する楽しみがグンと増し、味わいも深くなるものです。

本日は、テンミニッツTVの「動画」であることの良さが存分に活かされた講座を紹介いたします。池上英洋先生(東京造形大学教授)の「ルネサンス美術」です。

この講義で池上先生は、ルネサンス絵画について、ふんだんな事例を実際に絵で示しながら、画家たちの歴史や、技法の歩み、さらに描かれているモチーフに秘められた謎などを、ご紹介くださいます。

池上先生は、『西洋美術史入門』『レオナルド・ダ・ヴィンチ』(以上、ちくまプリマー新書)、『西洋美術入門』(新星出版社)はじめ数多くの本を発刊されていますが、実際に、動画講義で、絵を見ながら先生の解説を聞くことで、さらに生き生きとわかりやすく「絵画」についての必須の教養を学ぶことができます。

◆池上英洋:ルネサンス美術(全8話)
(1)ルネサンス美術とは何か
ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3017&referer=push_mm_rcm1

池上先生は、まず第1話で、「ルネサンス」についてご解説くださいます。

ルネサンスから数百年前に始まった十字軍で、中東地域に出兵したヨーロッパ人たちは、当時、圧倒的にヨーロッパより優れていた中東の文化にふれて、強烈な刺激を受けます。

加えて同時期のヨーロッパでは、古代ローマの衰亡以来、下火になっていた貨幣経済が再び熱を帯びるようになり、商人たちの経済力が増大していました。

商人たちは、既得権益を守るためにグループをつくります。これを英語で「ギルト」といいますが、イタリア語では「アルテ」といいます。

実は「アート(芸術)」の語源は、この「アルテ」だというのです。つまり、アートという語には「美術」という意味はもともとなく、「特定の技能を持っている」という程度の意味でした。

こうしたギルド(アルテ)が、あらゆる職業についてつくられていきました。そういったギルドが代表者を集め、合議制で町が運営されていくようになります。

ルネサンス以前の「パトロン」は、教会と貴族たちの2種類しかいませんでした。そこに第3のパトロンとして「ギルド=アルテ」が登場します。そして彼らが、ルネサンスを動かしていくのです。

池上先生は、例としてフィレンツェの政治のあり方などもご解説くださいますが、このような話を聞くと、「ルネサンス」のあり方が、非常に生き生きと理解できるようになります。

第2話からは、ルネサンスを切り拓いていった画家たちについて、実際の絵画なども多数紹介しながら解説くださいます。

絵画に「空間性(遠近法)」「人体把握」「感情表現」を導入し、ルネサンス絵画の創始者と呼ばれるマザッチョ。

彼は、古代ギリシャの彫像をモデルに生き生きとした絵を描き、絵画を志す人々に大きな影響を与えることになります(後進の画家たちの多くが、マザッチョの絵が飾られた礼拝堂に足を運んで模写をしたといいます)。

油絵の技法を完成させた巨人、ヤン・ファン・エイク。

万能の天才にして科学的観察の鬼才ともいえるレオナルド・ダ・ヴィンチ。

様々な人々の技法を取り込み、ルネッサンスの完成者となるとともに、古典復興の体現者でもあったラファエッロ。

「螺旋(らせん)状」を特徴とする「マニエリスム様式」を生み出し、ルネサンスを終わらせたミケランジェロ。

カンヴァスと油彩画の組み合わせを定着させた、ヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノ

いずれも、実際に彼らの描いた絵を詳細に見ていきながら、彼らの印象深いエピソードや、実際に成し遂げたことを解説くださいますので、とても良く理解することが出来ます。

絵の細部に目をこらしてみると……。講義を見ながら、ついつい感嘆の声をあげてしまう方も多いのではないでしょうか。

まさに、気づきの多い傑作講義です。ぜひご覧ください。


(※アドレス再掲)
◆池上英洋:ルネサンス美術(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3017&referer=push_mm_rcm2


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編集部#tanka
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https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4876&referer=push_mm_tanka


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※頼住光子先生の「頼」は、実際は旧字体


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編集後記
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今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。

さて編集長が冒頭でお伝えしましたが、「人間力」についてのアンケート企画。すでにたくさんのご意見をいただいております。お寄せいただいた皆さま、まことにありがとうございます。

まだという方、ご回答方法はとても簡単ですので、ぜひ。
ご回答、締切は明日(4/24)中までです。結果は、5月15日(水)の編集部ラジオで発表いたします。よろしくお願いいたします。