編集長が語る!講義の見どころ
「実はアメリカはこういう国だ」米国論再考Vol.1/東秀敏先生(テンミニッツTVメルマガ)
2020/11/06
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
本稿執筆段階で、アメリカ大統領選挙の開票が進んでいますが、激しい接戦が繰り広げられています。事前に予想されていたとおり、トランプ陣営からは郵便投票のあり方や開票結果に疑問を呈する声も上がっており、いまだ結果は不透明です。
このメールが配信されるときに結果が判明しているかわかりませんが、本日も、アメリカ大統領選挙にちなみ、「アメリカの本質とは何か」を深く掘り下げていただいた東秀敏先生(米国安全保障企画研究員)の講義を紹介いたします。
◆東秀敏:“アメリカとは何か”~米国論再考Vol.1(全3話)
(1)アメリカという発明
アメリカとは革命を基礎とした「発明」である
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3708&referer=push_mm_rcm1
まず東先生が指摘するのは、「日本人は、アメリカについて日本独特のフィルター越しに見ることになりがち」だということです。これは、誰しも耳の痛い話ではないでしょうか。
東先生は、「アメリカは革命を基礎とする発明によって成立している国であり、しかもその発明が、実験を伴って繰り返されている国」であることを理解するべきだとおっしゃいます。また、アメリカの建国の理念は、実は一般市民に理解しやすいように記号化されており、その代表が1ドル札に描かれた国章だといいます。
では、そもそも「革命を基礎とする発明によって成立した国」とはいかなることか。東先生は、「The United States of America」という名称自体が発明だといいます。最初の発明は、「アメリカの独立革命」であり、米国の理念と本質を明文化した独立宣言と米国憲法が「発明品の設計図」なのです。
イギリスは不文憲法の国ですが、米国は歴史を持たないため、憲法の明文化を必要としました。米国憲法自体が「テクノロジー」ともいえるような、人工的政体となったのです。
アメリカ建国の父の1人であるベンジャミン・フランクリンは、「国の政治のあり方はどうなるのでしょうか。君主政ですか、民主政ですか」という質問に答えて、「米国の政体は共和政である。それを維持できるなら」という有名な言葉を残しました。これは、「条件付きの共和政」ということです。つまり、発明品として建国されたアメリカは「未完成な存在」であり、そのために、常に実験を必要とし、新たな米国が発明され続けなければならないのです。
米国憲法は、政府の暴走を抑制することの必要性を重んじ、また、民主主義に対する深い不信に根ざした統治論理に基づいているといいます。だからこそアメリカは、民主主義で平等を約束しながら、実際には共和政的なエリートによる統治を想定しており、さらにホワイトハウス、議会、最高裁判所が相互に力を抑制しあう「三権分立」を確立したのです。
そのような政体を規定した米国憲法に基づいて、統治のための制度が、一種の「テクノロジー」として生み出されていくわけですが、発明されたテクノロジーには必ず有効期限があります。それゆえ、停滞期間を経て限界点に達すると、新たな制度的な発明が行われることになります。しかし、その過程では革命的エネルギーが放出され、そのため、ほとんどの場合、戦争や大きな犠牲を伴います。それがたとえば、独立戦争、南北戦争、第2次世界大戦などである……。そう東先生は喝破します。
そして東先生は、「日本は米国の停滞期に判断ミスを犯す傾向がある」とも警告します。東先生は、「トランプの台頭は、第2次世界大戦以降支配的だったテクノクラシーという国のあり方が限界に達した停滞期間と重なっている」と分析していますから、まさにいま、大いに注意が必要なところでしょう。
また、東先生は本講義の第2話で、米国の理念を表したものとして、1ドル紙幣に印刷された「アメリカの国章」を絵解きしてくださいます。多くの日本人にとって、驚くべき内容も含まれています。これは、知っているかどうかで大違いではないでしょうか。
ついつい「日本独特のフィルター越し」で見てしまいがちなアメリカについて、新たな視点を持つことができる講義です。ぜひご覧ください。
(※アドレス再掲)
◆東秀敏:“アメリカとは何か”~米国論再考Vol.1(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3708&referer=push_mm_rcm2
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今週の「エピソードで読む○○」Vol.10
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今回の○○はフランスのファッションデザイナー「ココ・シャネル」です。
ココ・シャネルの面白いところは、われわれが本物だと思っている概念を変えてしまったところです。例えば、ココ・シャネルのジュエリーはフェイクの宝石です。つまり、彼女は大胆にも、人工的な石の宝石をじゃらじゃらとジュエリーとして使ってしまったのです。誰に聞いても、本物の宝石と偽の宝石では本物が良いに違いないでしょうが、彼女は堂々とフェイクのジュエリーを使って、それを世の中に売り出すことに成功しました。
さらに、シャネルNo.5のフレグランスもそうですが、シャネルの発売した香水は化学的に合成した香水です。それまでは香水といえば、花から抽出したエッセンスでした。しかし、シャネルは人工的なフレグランスを売り出したのです。おそらく人工的に作った方がコストがかからず、非常に莫大な利益も得られたのでしょう。
今の常識からすれば、人工的な宝石も香水も偽物のように感じられるのですが、それをまさに本物のファッションにしてしまったのです。この点で、ココ・シャネルはファッションデザイナーとして有能だったと思います。
セルフブランディングが得意だったシャネル
田中洋(中央大学大学院戦略経営研究科 教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2248&referer=push_mm_episode
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レッツトライ! 10秒クイズ
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「国際(北米・中南米)」ジャンルのクイズです。
キューバの首都ハバナから約300キロ離れたサンタクララには、革命家チェ・ゲバラの霊廟があります。
盟友の〇〇〇〇がゲバラの遺骨をハバナから思い出の聖地サンタクララに運び、霊廟に安置することにしたのです。
さて、〇〇〇〇には誰が入るでしょうか?
答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=1772&referer=push_mm_quiz
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編集後記
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編集部の加藤です。今回のメルマガ、いかがでしたか。
さて昨日(11/5)から楠木建先生の新シリーズ講義『「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス』(全3話)が配信開始となりました。皆さん、ご覧になられたでしょうか。
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(全3話)
楠木建(一橋大学大学院 経営管理研究科 国際企業戦略専攻 教授)
(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3742&referer=push_mm_edt
ご存じの方も多いと思いますが、この講義は楠木先生の新著『逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ経営知』のエッセンスをお伝えする貴重な講義で、なぜ「逆・タイムマシン経営論」という考えがいま重要なのか、軽妙洒脱な語り口で解説されていますので、とても分かりやすく面白いです。これからという方はぜひシリーズを通してご視聴ください。
<今回ご紹介の楠木先生の新著はこちら>
『逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ経営知』(楠木建著、杉浦泰著、日経BP)
https://www.amazon.co.jp/dp/429610733X/
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