編集長が語る!講義の見どころ
クラシック音楽を深く愉しむ/特集&片山杜秀先生【テンミニッツTVメルマガ】

2024/11/29

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。

12月に入ると日本各地で、毎年恒例のベートーヴェンの交響曲第9番の演奏会が繰り広げられます。

実は「第9」を年末に演奏するのは日本独特の風習といわれており、欧米では、チャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」や、フンパーディンクのオペラ「ヘンゼルとグレーテル」が上演されることが多いそう。そのため、日本でもそれらの曲が演奏されることも増えています。

さらに大晦日などには、ジルベスターコンサートなどもあって、クラシック音楽でも、年末は賑わいをみせる時期です。

この時期に、テンミニッツTVでクラシックの教養を深く学んでみてはいかがでしょうか。それぞれ特色のある名講義がラインナップされています。今回の特集では作曲家ごとに並べておりますが、ぜひ目に留まった講義からご覧ください。

■特集:クラシック音楽を深く愉しむ

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=113&referer=push_mm_feat

片山杜秀:モーツァルトの生きた時代は「就職氷河期」

野本由紀夫:「運命」交響曲と「田園」交響曲が拓いた世界

野本由紀夫:ベルリオーズとワーグナー:メロディーに人物や物語を象徴させる大革命

江崎昌子:ポーランド分割、11月蜂起…革命のエチュードの真意とは?

片山杜秀:マーラーの交響曲はなぜそれほどまでに愛されているのか

片山杜秀:ドビュッシーやチャイコフスキーがつくった「国のイメージ」

片山杜秀:映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭、知られざる経歴を追う


■講座のみどころ:クラシック講座、それぞれの特長をご紹介!

本日は、それぞれのクラシック講義の特長を紹介いたしましょう。

(1) 片山杜秀:クラシックで学ぶ世界史(全13話)
まず最初に、片山杜秀先生の「クラシックで学ぶ世界史」です。

◆片山杜秀:クラシックで学ぶ世界史(全13話)
(1)時代を映す音楽とキリスト教
なぜ音楽は時代を色濃く反映するものなのか
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3007&referer=push_mm_rcm1

この片山先生の講義は、「音楽にこそ、時代は色濃く反映する」という視点から、ヨーロッパ史の流れの中にクラシック音楽を位置づけていく、とても興味深いものです。

片山杜秀先生は、近代日本の思想と文化がご専門で、慶應義塾大学法学部で教鞭を執っておられますが、若いころからクラシック音楽評論家としても活躍されていることは、多くの皆さまがご存じのとおりです。『音盤考現学』『音盤博物誌』(アルテスパブリッシング)でサントリー学芸賞と吉田秀和賞をダブル受賞され、また、NHKFMの「クラシックの迷宮」(土曜日夜9時)でパーソナリティーも務められ、非常に意欲的な番組を毎週つくっておられます。

最近では、小澤征爾さんの跡を継いで、水戸芸術館の館長に就任されてもいらっしゃいます。

片山先生の講義は、非常に幅広い「知」をどんどんと教えてくださる圧倒的なもの。しかもお話の内容は、音楽が教会の中にあった時代から、ルネサンス、バロック、そしてクラシックの有名作曲家の時代を経て、20世紀、さらに現代の考察まで流れ込みます。

なぜ、大作曲家たちは人気を博したのか。彼らが描き出した時代精神とは、いかなるものだったのか。クラシック音楽を詳しくご存じでいらっしゃらない方でも、世界史の知識から、イメージを膨らませていただける講義です。

では、どの作曲家が、どのような時代精神を反映しているのでしょうか。各話のタイトルをご紹介するだけでも、講義の雰囲気がお伝えできるのではないでしょうか。

●ルネサンスからバロックへ―教養としての「音楽」へと変化
●モーツァルトの生きた時代は「就職氷河期」
●ベートーヴェンが市民革命という動乱期に探求した音楽とは
●ヨーロッパ中が感染したワーグナーの凄さ
●マーラーの交響曲はなぜそれほどまでに愛されているのか
●ドビュッシーやチャイコフスキーがつくった「国のイメージ」
●20世紀のクラシック音楽が向かった2つの方向とは

やはり、ただの「知識の缶詰」では、あまり役に立ちません。物事についての知を深めていくためには、大きな流れや、さまざまな事象との連関から理解していくのが一番ではないでしょうか。その意味でも、この片山先生の講義は、まさに絶品です。


(2) 野本由紀夫:ピアノでたどる西洋音楽史 (全11話)
続いて紹介するのは、野本由紀夫先生の講義です。この講義の最大の特長は、それぞれの作曲家や、クラシックの作曲技法について、野本先生が実際にピアノを弾きながらご解説くださることです。

それぞれの作曲家は音楽的にどのような特長があるのか。どのような音楽を切り拓いたのか。クラシックの作曲技法の実際とは。そのようなことが、まさに「耳から」よくわかります。

しかも、この講義、質問はいつものようにかなり即興的なものでしたが、そこに即座に的確に応えて野本先生がピアノを弾いてくださっているのも注目点。まことに活き活きした講義となっています。


(3) 江崎昌子:ショパンの音楽とポーランド (全9話)
江崎昌子先生は、桐朋学園大学を卒業後、ポーランド・ワルシャワショパンアカデミー研究科修了。1995年第6回ミロシ・マギン国際ピアノコンクール第1位(フランス)、1997年第4回シマノフスキ国際ピアノコンクール第1位及び最優秀シマノフスキ演奏賞(ポーランド)、2005年、第31回日本ショパン協会賞受賞などのご経歴で、ショパンを演奏したCDも多数発表され、日本ショパン協会の理事もお務めになるなど、まさに日本におけるショパン演奏の第一人者でいらっしゃいます。

この講義は、江崎先生に、実際にショパンの曲をいくつも演奏いただきながら、ポーランドの歴史を辿っていくもの。まさに演奏会と講義が合体したような興味深いシリーズです。ショパンの音楽にどのような特徴があり、ポーランドの歴史がどのように影響を与えているのかという点ばかりでなく、演奏者が、どのようなことを考え、感じながら弾いているのかも率直にお話しいただいています。まさに「必聴」講義といえましょう。

音楽好きの方にも、歴史好きの方にも、そして両方の教養を身につけたい方にも、お勧めできる講義群です。ぜひ、ご覧ください。


(※アドレス再掲)
◆特集:クラシック音楽を深く愉しむ
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=113&referer=push_mm_feat

◆片山杜秀:クラシックで学ぶ世界史(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3007&referer=push_mm_rcm2


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編集部#tanka
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百年の時を超えなお高らかに第九響けり瑞穂の国に

ベートーヴェン交響曲第9番全楽章の日本初演は1924年11月29日。ちょうど100周年です。ぜひ年末に向けて野本由紀夫先生の講義で第9の秘密を学びましょう。(達)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3082&referer=push_mm_tanka