編集長が語る!講義の見どころ
「睡眠」について知っておきたい大切なこと/尾崎紀夫先生(テンミニッツTVメルマガ)

2020/11/17

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
皆さまのなかには、「睡眠」について悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。睡眠不足や睡眠の質の悪化は、健康にも直結します。睡眠不足の人は糖尿病を起こしやすく、動脈硬化にもなりやすい、脳の働きが悪くなるなど、さまざまな指摘がなされています。もちろん、寿命にも影響を及ぼしかねません。

睡眠の改善のためには、睡眠のメカニズムについて知っておくことも必要でしょう。本日は、そのことについて尾崎紀夫先生(名古屋大学大学院医学系研究科精神医学・親と子どもの心療学分野教授)が教えてくださった講義を紹介いたします。

◆尾崎紀夫:睡眠:体、脳、こころの接点(全8話)
(1)睡眠とは?
からだと脳にとっての睡眠の意味と必要性
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2471&referer=push_mm_rcm1

なぜ、人間にとって睡眠が大切なのか。まず肉体的には、睡眠期間中にだけ成長ホルモンが出ること、また、睡眠が血球をつくる働きを担い、全身の新陳代謝を促進していることがわかっています。一方、脳についても、睡眠中に昼間の記憶を整理し、きちんと定着させていることがわかっています。そのため睡眠を取らないと脳の働きがとても悪くなってしまうのです。

北海道大学の玉腰暁子先生が2004年に発表したデータでは、男性も女性も6~7時間の睡眠時間を取っている人たちが最も死亡の危険率が低くなっているそうです。

では、具体的に睡眠を改善するために、どのような生活習慣を持てば良いでしょうか。尾崎先生は次のような諸点を挙げられます。

●日中に適度な運動をし、太陽光(午前中)にあたる。
→午前中の光により、脳が朝を感じてから14~16時間すると体温が下がり睡眠の準備に入るため。
●起床時間を一定にする(早寝からではなく、早起きから始める)。
●就寝前(4時間以内)はカフェイン、喫煙、熱すぎる入浴、寝酒は避ける。
●寝室の温度、光、音に配慮。
●昼寝は午後3時まで、1時間以内であれば脳や身体にプラス。

それぞれの理由や詳細については、ぜひ講義本編(第4話)をご覧ください。

尾崎先生は、この講義で極めて広範に、睡眠についての知識をご解説いただいています。第1話冒頭で、尾崎先生が説明してくださっていますが、本講義シリーズは以下のような構成になっています。

●睡眠とは何か、睡眠の意味や調節機構、どれぐらいの時間が必要なのか(第1話と第2話)。
●不十分な睡眠の場合、どのような病気のリスクがあるのか。糖尿病や心臓病、認知機能について(第3話)。
●睡眠を整えるための生活習慣。飲酒や生活リズム(第4話)。
●認知症やうつ病と睡眠との問題(第5話と第6話)。
●食について(第7話)。
●「神経性やせ症」の危険性(第7、8話)

睡眠についての基礎知識を知ることのできる講義です。ぜひ気になったところをご覧いただければ幸いです。

(※アドレス再掲)
◆尾崎紀夫:睡眠:体、脳、こころの接点(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2471&referer=push_mm_rcm2


----------------------------------------
☆今週のひと言メッセージ
----------------------------------------

「学びの入口は結局、どこにでもある」

https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2138&referer=push_mm_hitokoto

「学び」とは、入り口がどこにでもあるもの
貫成人(専修大学文学部教授/文学博士)

学びの入口は結局、どこにでもあるということです。ですから、哲学は昔の遠い国の人が書いた本の中にあるのではなく、身の周りにあるのです。つまり、どこにでも哲学の種はあるので、考え方や物の見方さえ身に付ければ、24時間365日哲学ができます。そうすれば、むしろそれをやってしまっているという状況にすらなると思います。


----------------------------------------
今週の人気講義
----------------------------------------

中国にとって本質的に怖いのはバイデンの動向
小原雅博(東京大学大学院 法学政治学研究科 教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3666&referer=push_mm_rank

知能と身体性は不可分なのか?
長谷川眞理子(総合研究大学院大学長)
松尾豊(東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター 技術経営戦略学専攻 教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2241&referer=push_mm_rank

福島県が生んだ偉大な作曲家・古関裕而の魅力を語る
刑部芳則(日本大学商学部准教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3676&referer=push_mm_rank

中国の「国家資本主義・大国意識・強権」を許せぬアメリカ
伊藤元重(東京大学名誉教授/学習院大学国際社会科学部教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3748&referer=push_mm_rank

後醍醐天皇の鎮魂物語だった『太平記』改訂の秘密
兵藤裕己(学習院大学文学部教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3733&referer=push_mm_rank


----------------------------------------
編集後記
----------------------------------------

編集部の加藤です。今回のメルマガ、いかがでしたか。

さて先日、三国志がご専門の渡邉義浩先生(早稲田大学文学学術院 教授)の記事を朝日新聞で見つけました。記事にはこうありました。

「諸葛亮は農業や武器に工夫はしましたが、長期的ビジョンを示して既存の価値観を示した変革者は、曹操のほうでしょう。今の日本にとって、学ぶべきところがたくさんあります」(朝日新聞・11月5日朝刊より)

そして、渡邉先生は、諸葛亮も大好きだけれども、現在のような不確実な時代、曹操のように先を見る力が日本には必要になるのではないかとおっしゃっています。記事を読んでの感想ですが、私自身、知っているといえば、どちらかというと諸葛亮のほうだったので、曹操について改めて学ぶ機会を得た次第です。

ちなみに、渡邉先生はシリーズ講義<「三国志」の世界とその魅力>のなかで、曹操の革新性について解説されています。また、今年2020年は曹操の死後1800年という年に当たるそうです。この機会に曹操についての知を深めてみてはいかがでしょう。

官渡の戦いで袁紹を破った曹操の革新性
「三国志」の世界とその魅力(3)曹操の革新性(前編)
渡邉義浩先生(早稲田大学文学学術院 教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2017&referer=push_mm_edt