2020/11/24

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
歴史の研究の進展により、若いころに学校の授業で習った「常識」と、学会の「最新常識」が大きく変わっていくことが、よくあります。

いま、「縄文時代の常識」も大きく変わっているといいます。そして縄文時代が、その後の日本文明の大きなベースになっていることも、ますますわかってきました。縄文時代を知ることで、日本文明の核も見えてくるのです。

本日は、そんな興味の尽きない縄文時代の話を、山田康弘先生（東京都立大学人文社会学部人文学科歴史学・考古学教室 教授）に縦横無尽にお話しいただいた講義を紹介します。山田先生のわかりやすいお話のなかから、次々と驚くべき「新常識」が飛び出してくる講義です。

◆山田康弘：概説・縄文時代（全13話）
（1）縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2961&referer=push_mm_rcm1

縄文時代の常識が、どのように変わっているのか。山田先生は、大きく変わっているのは、次の3点だとおっしゃいます。

（1）「炭素14年代測定法」の進歩で、縄文時代の時代幅がこれまでの想定よりもかなり長くなったこと。

（2）クリや漆、豆類など、植物の栽培や管理が高度に発達していたと考えられるようになったこと。

（3）これまでいわれていたような平等社会では必ずしもなく、階層社会となっていたと考えられること。

考古学の技術もとても進歩しています。たとえば、DNAの分析技術の進化によって、縄文人はDNAレベルで考えると、かなりの多様性を保っていたこともわかってきたといいます。

さらに、植物の栽培の技術が進んでいたことから、縄文時代にも高度な「定住生活」が構築されていたこともわかってきました。

この「定住革命」によって、いかなる社会的な変化が起こったのか？
縄文時代の家族形態はどのようなものだったのか？
自由恋愛はあったのか？
土偶や石柱は何を表しているのか？

本講義では、いま列挙したような、さまざまな興味深い分析が続きます。

さらに興味深いのは、縄文人たちの宗教観です。実は、縄文時代の集落には、何もない場所に不意に土器が埋められているのが発見されることがあるそうです。そして、その土器のなかに、新生児の赤ちゃんの人骨（場合によっては、成人の人骨）が入れられているケースが、ままあるというのです。

これは、その赤ちゃんが生まれ変わって再生してきてくれることを祈ったものではないか。そう山田先生はおっしゃいます。「生命は循環する」という信仰を、どうやら縄文人たちは持っていたようなのです。そしてこの縄文人たちの信仰が、日本人がずっと抱いてきた、先祖崇拝や、生まれ変わりの信仰のなかに、色濃く名残をとどめているのです。

日本人はいかに生きてきたのか。何を大切に思ってきたのか。そして、どのような信仰を抱いてきたのか。「日本人とは何か」「日本とは何か」を知るうえで、必見の講義シリーズです。

（※アドレス再掲）
◆山田康弘：概説・縄文時代（1）
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2961&referer=push_mm_rcm2


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編集部からのお知らせ
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◆12月7日(月)：楠木建先生オンラインセミナー「逆・タイムマシン論」開催のお知らせ
（日本ビジネス協会・テンミニッツTV共催）

テンミニッツTVでは、日本ビジネス協会と共催で楠木建先生（一橋大学大学院 経営管理研究科 国際企業戦略専攻 教授）をお招きして、オンラインセミナーを開催いたします。テンミニッツTV会員の方は、定価2000円のところ、特別価格1000円でご受講いただけます。

テーマ：逆・タイムマシン経営論

「新聞・雑誌は寝かせて読め」。近過去に遡り、その時点でどのような情報がどのように受け止められ、それがどのような思考と行動を引き起こしたのかを吟味すれば、本質を見抜くセンスと大局観を錬成できる。「バック・トゥー・ザ・フューチャー」による古くて新しい知的鍛錬の作法とは？

開催日：2020年12月7日(月)
時間：12:00～13:00（当日リアルタイムの生配信）
会場：Zoom（Zoomを使ったインターネット上で行うセミナー）
申込方法：Peatix（外部サイト）からチケットをお申し込みください。
参加費：テンミニッツTV会員1,000円／非会員2,000円

【下記の注意事項をお読みいただき、ご了承の上でお申し込みください】

※当日は質疑応答の時間はございません。
※当オンラインセミナーは、後日編集を行い、テンミニッツTVで配信（配信日は未定）いたします。
※当オンラインセミナーの視聴には、Zoomを利用します。事前にZoomのインストールなどのご準備が必要です。お客様のPC・スマートフォンの設定、Zoomのインストール等に関するサポートは弊社では行いません。
※日本ビジネス協会（略称：JBC）とは
エイチ・アイ・エス創業者の澤田秀雄氏によって2000年に設立されたオーナー 経営者中心の経営者団体です。テンミニッツTVでは、同協会と提携のうえ、出演講師を同協会員の学びの場に派遣しています。

【会員割引価格に関するご注意】

※Peatixで申し込みの際、下記割引コードをご入力いただくことで、チケット価格が1,000円になります。割引コードをご入力いただき、価格が1,000円になったことをご確認のうえ、お申込みください。
割引コード：member

（申込は下記からお願いします）
https://peatix.com/event/1702149/view


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☆今週のひと言メッセージ
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「天道、是か非か」

https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=833&referer=push_mm_hitokoto

司馬遷が李陵を弁護して受けた屈辱
山内昌之（東京大学名誉教授／歴史学者／武蔵野大学国際総合研究所特任教授）

この屈辱を味わった司馬遷は、歴史の厳しい現実と、正義が語る理想的な夢や志の間にはギャップがあるという考えを刑を受けて以来一貫して持ち続け、そのことが『史記』を完成させていく原動力にもなったというのが私の見立てであります。

司馬遷も、専制君主に逆らったわけですから、死刑を受ける、あるいは、黥（げい。入れ墨を入れる刑）を覚悟していたかもしれません。しかし、よりによって男の機能を奪われるという辱めを受けるとは、彼の想像を超えた屈辱でした。そこで司馬遷は、まさに「天道、是か非か」と悲痛な叫びを、心中、あるいは、誰もいないところで叫んだかもしれないのです。


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今週の人気講義
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ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建（一橋大学大学院 経営管理研究科 国際企業戦略専攻 教授）
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3745&referer=push_mm_rank

からだと脳にとっての睡眠の意味と必要性
尾崎紀夫（名古屋大学大学院医学系研究科精神医学・親と子どもの心療学分野教授）
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2471&referer=push_mm_rank

そもそも米中は、今の通商システムの中で共存できるのか？
伊藤元重（東京大学名誉教授／学習院大学国際社会科学部教授）
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3747&referer=push_mm_rank

独裁・共和政・民主政――繰り返されてきた世界の歴史
本村凌二（東京大学名誉教授／文学博士）
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3725&referer=push_mm_rank

日本の総人口は2080年まで減少が続く
森田朗（津田塾大学総合政策学部教授）
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2255&referer=push_mm_rank


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編集後記
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編集部の加藤です。今回のメルマガ、いかがでしたか。

さて、すでにサイトトップでもお伝えしておりますが、大久保喬樹先生（東京女子大学名誉教授）が今月（12日に）お亡くなりになりました。
テンミニッツTVでは、2018年7月に「岡倉天心『茶の本』と日本文化」というテーマで大変貴重な講義を賜りました。
謹んで哀悼の意を捧げますとともに心よりご冥福をお祈り申しあげます。

大久保喬樹先生の講義一覧ページ
https://10mtv.jp/pc/content/lecturer_detail.php?lecturer_id=164&referer=push_mm_edt