編集長が語る!講義の見どころ
春に「人間力」を高める~心を強くしよう!/特集&川合伸幸先生【テンミニッツTV】

2025/04/04

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。

寒暖差の激しい気候が続いていますが、着実に春本番へと季節は進んでいます。

春は様々な変化が訪れるとき。この機会に、自分の「人間力」を高めてくれる講義を受講してみてはいかがでしょうか。大好評の「春の人間力」特集、令和7年版です。

なんとなく物憂くなってしまうほど、嫌なニュースも多い昨今です。このような折柄に、自分の心を強く、深く、広くする講義を集めてみました。


■特集:春に「人間力」を高める(令和7年版)

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=260&referer=push_mm_feat

川合伸幸:「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る

長谷川眞理子:MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態

藤田一照:自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く

田口佳史:経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」

本村凌二:『老年について』の著者キケロとはどんな人物なのか

上野誠:山上憶良が「沈痾自哀文」で問いかけた因果応報の問題


■講義のみどころ:「怒り」の仕組みと感情コントロールの方法とは?(川合伸幸先生)

日本の政治情勢、経済情勢、世界情勢、そして身近な社会情勢……どうにも、イライラが募るようなことが続出しています。もうニュースを見るのも嫌になってきた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなイライラが続く局面では、感情のコントロールが難しくなることも、よくあること。

怒りが爆発的に込み上げてきたようなときに、自分自身の心をコントロールする――これは、なかなかに難しいものです。自分の感情が怒りに支配され、行動が粗野になったり、精度が落ちたりしてしまう……。そのようなことは、誰しも経験していることでしょう。

はたして、「怒り」の正体とは何か。また、どうすれば自分の感情を、よりコントロールできるようになるのか。本日は、その点について、川合伸幸先生(名古屋大学大学院情報学研究科教授)にわかりやすくご解説いただいた講義を、紹介いたします。

◆川合伸幸:「怒り」の仕組みと感情のコントロール(全5話)
(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3902&referer=push_mm_rcm1

なんと生物学では「ヒトほど凶暴な生物はいない」とさえいわれるそう。そもそも、「キレる」とはどのようなことなのでしょうか。

第1話で川合先生は、その点について、まず、なぜ「高齢者がキレやすいのか」からご解説くださいます。川合先生が「高齢者がキレやすい理由」として挙げるのは、加齢によって前頭葉の働きが落ち、若い頃には一呼吸おいて我慢していたところが、年を取ってくるとその我慢ができなくなることです。

脳の働きが、行動にどのような影響を与えるかという問題は、人間のあり方を考えるうえで、とても興味深いところです。

第2話では、「脳が体の状態にだまされる」ことを利用して、感情をコントロールする方法を教えてくださいます。

ここで、川合先生はこんな実験をご紹介くださいます。

大学生に小論文を書かせて、隣の人とその小論文に点数をつけあう。実は片方の人は実験者の仲間で、わざと低い点数をつけて、「教育を受けた人間がこのような考え方をするなど、とても信じられません。この人にはもっとしっかりと学んでほしいと思います」とあえて侮辱した評価を書いてもらいます。このとき、酷評される大学生のうち半数には右手を強く握って評価を読んでもらい、残りの半数には左手を強く握って読んでもらいました。

その後、評価を交換した2人で早押しクイズをします。勝ったほうは負けたほうに、罰ゲームとして不快な爆音(その強さや長さは罰ゲームを与える人が好きに調整できる)を聞かせることができます。すると、右手を握って酷評を読んだ大学生のほうが、左手を握って読んだ大学生よりも、相手に強い攻撃を与える傾向があったというのです。

このタネ明かしは、評価を読んでいるときに、右手を握るか、左手を握るかで、自分の左脳の活性化の度合いが変わるところにあります。つまり、右手を握ると、前頭葉の左側が活性化しますが、この部分が活性化するのは、「体や気持ちが前のめり」になる状態のときです。逆に右側が活性化すると、その逆の状態になる。だから、「左手を握って、前頭葉の右側を活性化させた人」のほうが、あまり怒りを感じなかったというのです。

川合先生はこのような実験をいろいろとご紹介くださいます。

◆怒りの9つのツボとは何か?
◆怒りを鎮めるために、自分を客観化するとはどういうことか?
◆フレーミング効果とは?……

そのようなことが、この講義を受講するととてもよく理解できます。

さらに、川合先生は「セルフコントロール」の鍛え方も教えてくださいます。実は、アメリカでは、このセルフコントロールの研究が進んでいるとのこと。その結果、たとえば、毎日5分程度の運動を自らに課したり、糖分を適度に摂取したりすることだけでも、セルフコントロール能力が鍛えられることがわかってきたこといいます。それはどのようなことでしょうか。

さらに、認知機能の改善に、脳トレよりも効果があるものは何か……などといった興味深いテーマにも、話は進んでいきます。

人間の脳と行動の関係は、とても興味深いものであることが、本講義からもよく伝わってきます。ストレスのことを考えるうえでも、脳と行動の関係を知っていることは、大いに有益でしょう。

ついつい感情を爆発させてしまって、あとで心から後悔する……。そのようなことを避けるためにも、ぜひとも視聴しておきたい講義です。


(※アドレス再掲)
■特集:春に「人間力」を高める(令和7年版)
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=260&referer=push_mm_feat

◆川合伸幸:「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3902&referer=push_mm_rcm2