編集長が語る!講義の見どころ
水のインフラの危険性?&いま夏目漱石の三部作を読む/編集部ラジオ【テンミニッツTV】
2025/04/17
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。
本日は、4月10日から配信している編集部ラジオ《水のインフラ&気候変動を考える》と、4月17日配信の編集部ラジオ《三四郎、それから、門…》を紹介します。
■(1)明日はわが身?水道管破損と道路陥没~水から考える未来
まず紹介するのは、沖大幹先生の《水から考える「持続可能」な未来》についてお話した編集部ラジオです。
まだ記憶に新しいところですが、2025年1月28日、埼玉県八潮市の交差点で道路が陥没して、トラック1台が転落してしまう悲劇的な事故が発生しました。
その原因は、直径4.75メートルの下水道管の破損でした。1983年に敷設された鉄筋コンクリート製の下水道管が破損したために土砂が流出し、空洞ができてしまっていたために、道路が陥没したのです。
急に道路が陥没する。その恐ろしさは、想像を絶します。
テンミニッツTVでは、2024年9月に、沖大幹先生(東京大学大学院工学系研究科教授)に、水のインフラの問題、さらに地球温暖化と気候変動の問題について講義をいただいておりましたが、この講義の第6話で沖先生は、水道インフラ老朽化の深刻な問題にも触れてくださっていました。
◆編集部ラジオ2025(6)水のインフラ&気候変動を考える
明日はわが身?水道管破損と道路陥没~水から考える未来
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5758&referer=push_mm_rcm1
この講義のなかで、沖先生は様々なデータをお示しくださっています。
日本の水道インフラで、耐用年数を超えているのは何割か?
日本全国で、漏水・破損事故が何件くらい起きているか?
そして、道路陥没事故は?
われわれの生活に欠かすことができない「水」。しかし、それが確実に使えているのは、水のインフラがきちんと整備されてきたからに他なりません。しかし、その老朽化がもはや看過できないレベルまで進んでいるのです。
さらに、沖先生のこの講義では、気候変動がどのような地球的影響を及ぼすかについても、最新の研究データをご紹介いただいています。ゲリラ豪雨、海水面の上昇……。想像を絶する未来が予見されているのでしょうか。
インフラも、気候変動も、いかにすれば「前途多難社会」を「持続可能社会」にすることができるのか。それを成し遂げる「超越人材」とは?
それらのテーマについてご解説くださった沖先生の講義の勘所をお話ししました。
■(2)「反知性主義」の時代に夏目漱石「前期三部作」を読む
続いて紹介するのは、與那覇潤先生の《》についてお話しした編集部ラジオです。
夏目漱石の「三四郎』『それから』『門』といえば、「前期三部作」とも称される作品群です。與那覇潤先生(評論家)は、いま「反知性主義」といわれる時代にこそ、あらためてこの夏目漱石の作品群を読む意味が高まっているのではないか、とおっしゃいます。
◆編集部ラジオ2025(7)三四郎、それから、門…
「反知性主義」の時代に夏目漱石「前期三部作」を読む
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5759&referer=push_mm_rcm4
なぜ、『三四郎』『それから』『門』が三部作と呼ばれるかといえば、1908年、1909年、1910年と連続して発表されたのと同時に、それぞれ主人公は別の人ではあるけれども、あたかも前作の主人公がそのあと生きていたらどうなったかを描いていくような内容になっているためです。
とはいえ、いずれも100年以上前の作品です。その作品を、いまの時代に読むべき理由はどこにあるのでしょうか。
実は夏目漱石は、メンタルヘルスの障害に苦しんだ作家でした。当時の言葉では「神経衰弱」。おそらく今でいえば「うつ病」に悩まされていたのです。前期三部作にも、その「神経衰弱」の影が色濃くさしています。
與那覇潤先生は、そんな夏目漱石について、「頭を使えば使うほど今の世界はおかしいのだと思い詰めてメンタルが苦しくなってしまう人の、いわば大先輩が夏目漱石ではなかったか」と指摘します。だからこそ、「反知性主義」の現代に、あらためて読むべきだと。
なぜか。「反知性主義」とは「とにかく知的に考えればこうであるはずだということが、まったく通用しない世界。知的に考えよう、考えようとする人ほど生きづらくなっていく社会」だからです。
與那覇先生は、夏目漱石の『三四郎』『それから』『門』のあらすじや読みどころをご紹介くださりながら、その現代的な意義について解説くださっています。
今回の編集部ラジオでは、三部作の印象深い内容紹介も交えつつ、與那覇先生の講義の勘所をお話します。
ぜひ、お楽しみいただければ幸いです。
(※アドレス再掲)
◆編集部ラジオ2025(6)水のインフラ&気候変動を考える
明日はわが身?水道管破損と道路陥没~水から考える未来
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5758&referer=push_mm_rcm2
◆編集部ラジオ2025(7)三四郎、それから、門…
「反知性主義」の時代に夏目漱石「前期三部作」を読む
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5759&referer=push_mm_rcm5
(※今回の「編集部ラジオ」で紹介する講義)
◆沖大幹:水から考える「持続可能」な未来(全8話)
(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5707&referer=push_mm_rcm3
◆與那覇潤:いま夏目漱石の前期三部作を読む(全9話)
(1)夏目漱石を読み直す意味
修善寺の大患…反知性主義の時代に夏目漱石を読み直す意味
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5692&referer=push_mm_rcm6
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