編集長が語る!講義の見どころ
〔特集〕2025年「参院選」真の論点/養田功一郎先生ほか【テンミニッツTV】

2025/07/04

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。

いよいよ7月3日(木)に、参議院選挙が公示されました。7月20日(日)の投票日まで、熾烈な選挙戦が戦われることになります。

今回の参議院選挙は、ある意味では日本の行方を大きく決めるものになるかもしれません。トランプ政権のアメリカが起因となっている数々の世界的な混迷。ロシアや中国など権威主義国の行動もあって戦争の危機が続く国際秩序。そのなかで頽落する日本政治、そして日本経済……。

参議院選挙は、任期6年の参議院議員の半数を3年ごとに改選していくもの。任期が6年だからこそ、その政治バランスがその後の数年にわたって大きな影響を与えることになります。

では、今後数年を見据えた場合、真に考えるべき問題とは何か。目先の報道に流されるばかりでなく、一度、本質をじっくり考えてみるのはいかがでしょうか?

今回は、参院選の論点を深く考えるために、ぜひ学びたい講義をピックアップしてみました。ぜひ気になるものからご覧ください。


■特集:2025年「参院選」真の論点

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=265&referer=push_mm_feat

養田功一郎:信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み

養田功一郎:(限定講義)日本の所得は世界よりこんなに低い!その中身の特徴は?

島田晴雄:日本凋落の「7つの要因」と「10の復活大戦略」

宮本弘曉:高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響

片山杜秀:皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか

小原雅博:地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?

石黒憲彦:トランプの動きを止められるのは?グローバル環境の現在地

柿埜真吾:ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視


■講義のみどころ:日本経済低迷の真の理由はどこにあるか?日本の死蔵マネー活用法(養田功一郎先生)

日本経済が、なぜ、ここまでの低迷を続けてしまっているのか。

もちろん理由はいろいろあるでしょう。しかし案外、問題の核心はシンプルなのかもしれません。いくら枝葉を刈っても、効果は限定的なもの。やはり根の部分に迫る必要があります。

本日は、そのことを考えるうえで参考になる養田功一郎先生(金融・経済・歴史研究者)の講義を紹介いたします。養田先生は、日本経済が低迷している大きな原因として「お金が回っておらず、死蔵されてしまっていること」を挙げます。

たしかに、お金が回らなければ経済は回りません。

しかし、そもそも「お金が回る」とはどのようなことなのでしょうか。また、アベノミクス時代には大規模な金融緩和が行なわれましたが、その効果はどのようなものだったのでしょうか。そもそも、「社会においてお金が増えることの実態」とはいかなるものなのでしょうか。大規模金融緩和の次に必要なこととは何なのでしょうか。

金融界で仕事を積み重ねてこられた養田先生のご解説だからこそ、お金をめぐる社会のカラクリと、お金を回すために何が必要なのかが明解に見えてきます。

◆養田功一郎:お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(全6話)
(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5674&referer=push_mm_rcm1

まず養田先生は第1話で、個人・法人の預金残高をお示しくださいます。流動性資金(普通預金など、いつでも引き出せる種類の預金のこと)は、アベノミクスが始まる前の2012年末には個人・法人合わせて500兆円だったものが、アベノミクスとコロナ禍を経て、2023年末では1000兆円ほどに増えています。

一方、GDPは500兆円程度で横ばいです。

アメリカの場合、流動性預金は約10兆ドル(約1500兆円)ですが、GDPは27兆ドル(約4000兆円)です。この違いは、どこからくるのか?

この問題提起から、養田先生の講義は、「流動性預金がどうやって増えたのか」に進んでいきます。ここで押さえておかなければならないのが、銀行による「信用創造」の仕組み、そして「日銀と銀行の関係のなかで、どのようにお金が増えているのか」です。後者については、民間に資金が流れない「ブタ積み」という事象も起こるのですが……。

これらのことについて、どこまで具体的に知っているかで、社会のお金のカラクリの理解度は大違いです。詳しくはぜひ講義本編(第1話、第2話)をご覧ください。

第3話は、「お金の生まれ方」の違いが、景気にどのような影響を与えるかです。その点について、アベノミクスの分析や、日米比較からお話しくださいますが、第1話、第2話から続けて見てくることで、実態がとてもよく理解できます。

また、過去の事例を辿ると、緊縮財政によってお金を絞った場合、その後に再び財政が緩和方向に向かうことが繰り返され、結局、潜在的成長率が押し下げられるケースも散見されるといいます。ここも、とても重要なご指摘でしょう。

第4話では、「財政支出によって、支援が必要な人に配布された場合、最初は良くても結局はその時点での勝ち組(高所得者や既得権益者)にお金が回っていくのではないか」という仮説が示されます。そのため、資金偏在が起きて、ますますお金が「死蔵」されてしまうのではないか、と。

養田先生はこうおっしゃいます。

《社会全体での稼ぐ力をアップせずに財政支出を繰り返すと、その時々は救済が必要な人にお金を配ることができても、その後は格差の拡大、再生産につながる可能性があるということです。そして、なぜか昔から日本はお金を経済成長につなげていくことがうまくできていない》

ではどうするのか。

第5話では、日本のお金が国内ではあまり回っていない一方、実は一部は海外に向かっていることが指摘されます。ここも状況を図でお示しいただくので、とてもわかりやすいところ。これが円安の構造的要因になっているというのですが……。

さらに第5話で言及されるのが、過去の緊縮財政が引き起こした悲劇です。たしかに財政再建が急務だと見える局面はある。しかし、社会全体のお金の流れを汲み取らずに拙速に行動すると、思いもせぬ効果を招くこともあるのです。ここも押さえておくべきポイントでしょう。

そして第6話では、では実際に、いまの日本で「いかにお金を生み、お金を回すのか」、その方法論をご言及くださいます。非常に具体的にお示しいただいているので、それぞれがいかに未来を切り拓くのか、その可能性についてじっくりと考えることができます。

やはり、経済をマクロの数字で頭だけで考えるのではなく、実際のお金の流れをふまえて手を打っていくべきことが、心の底から痛感できる講義です。ぜひご覧ください。


(※アドレス再掲)
◆特集:2025年「参院選」真の論点
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=265&referer=push_mm_feat

◆養田功一郎:お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5674&referer=push_mm_rcm2