編集長が語る!講義の見どころ
トランプ・ドクトリン…米国第一主義外交の表と裏/東秀敏先生【テンミニッツ・アカデミー】

2025/09/19

いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。

米国トランプ大統領の「外交」がニュースにならない日はない、といっても過言ではないでしょう。

これまでの「常識」ではとても推し量れないトランプ外交。もちろん、見方によってはあまりに乱暴で無定見にも見えます。しかし、その核心はどこにあるのでしょうか。

東秀敏先生は、「自由と民主主義から平和と繁栄にシフトするのがトランプ・ドクトリンの本質」だと指摘します。しかしもちろん、それには裏面もあって……。

はたして、どのようなことなのでしょうか?

◆東秀敏:トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(全3話)
(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5938&referer=push_mm_rcm1

今回、東先生が焦点を当てたのは、2025年5月のトランプ大統領による中東歴訪です。

この折の衝撃的な一枚の写真を、東先生はまずご紹介くださいます。歴訪中、トランプ大統領はサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン(MBS)皇太子と共に、シリアの暫定大統領であるアル・シャラア氏と笑顔で握手を交わしました。

実は、このアル・シャラア氏は、かつてはアルカイダのシリア支部、そしてイスラム国のシリア支部のリーダーであった人物なのです。

そのような人物と笑顔で握手した事実が「トランプ・ドクトリン」を象徴するのだといいます。東先生は次のように指摘します。

《自由と民主主義から平和と繁栄、これにシフトするのがトランプ・ドクトリンの本質なのです。どういうことかというと、全世界に民主主義を押しつけるのではなくて、黄金時代を一緒に築こうではないかという外交姿勢です》

確かに、これまでのアメリカ(特に民主党政権)に、全世界に「民主主義を押しつける」動きがあったことは事実です。しかしそのせいで、対象国内が厳しい分断に落ち込む結果になったり、反発・反動からかえって権威主義的体制に押しやってしまったり、地域のパワーバランスを崩してむしろ平和を崩してしまうことも、ままありました。

けっして「外交巧者」とはいえぬような乱暴さ、単純さが、アメリカ外交にはあったことは否定できません。

トランプ大統領はそうではないのだと、東先生はこう続けます。

《まずこれを広い世界の中で、中東で最初に交渉したことに最大の意義があります。大戦略のレベルでいいますと、中国、ロシアとの大国間競争において、中東をアメリカ側に引きつける。そしてイスラエルの孤立化とイランの和解の流れをつくる、こういう壮大な思惑があります》

そして、この大戦略を実現するために、戦略レベルとして次のようなことを行なったのだといいます。

《まずサウジアラビアとアメリカドルのPetroAI本位制の立ち上げ、そして2つ目にシリアの中立化、そして最後に対イスラエル・トルコ圧力と対イラン和解の流れをつくるということで、今回サウジアラビアに訪問して、地域バランスを根本的に揺さぶるようなことをやったわけなのです》

これは「アメリカ発の黄金時代を全世界に」を標榜(ひょうぼう)するものだと東先生は指摘します。なぜ、このようなことをトランプ大統領が行なっているのか。トランプ大統領の真の狙いとは何か。そのことについては、ぜひ講義本編をご覧ください。

第2話では、新たにアメリカとサウジアラビアのあいだで発足した「PetroAI本位制」のあり方をご解説くださいます。これまでサウジアラビアが石油の取引決済でドルのみを使用することの見返りに、アメリカがサウジ王室を防衛する体制が構築されてきました。実はそこに「AI」を絡める体制が構築されたというのですが……。

第3話ではまず、講義の冒頭で紹介されたシリアの暫定大統領アル・シャラア氏との握手の背景を解き明かしていきます。実はそれに先立って、トランプ政権の「裏人脈」といわれる人々が、サウジアラビアとシリアとの調整を行なっていたのだといいます。いわばトランプ大統領の「国策ビジネス」を取りまとめている存在だというのですが、彼らが行なっているのは、どのようなことか。

さらに、2025年6月に行なわれたアメリカによるイランの核施設空爆も、究極の部分では「イランとの歴史的和解」のための行動なのだといいます。そのことを理解するためには、イランをめぐる中東各国の思惑も含めて考えていかねばならないのです。

これらの事実を読み解きつつ、トランプ・ドクトリンの「表と裏」を垣間見せてくれるこの講義、現在の世界の見方を変える内容ともいえましょう。ぜひご覧ください。


(※アドレス再掲)
◆東秀敏:トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5938&referer=push_mm_rcm2