編集長が語る!講義の見どころ
(特集)秋に人間力を実らせる・令和7年版/童門冬二先生ほか【テンミニッツ・アカデミー】

2025/10/10

いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。

10月に入って、さらに涼しさも増してきました。つい先日まで、連日の猛暑に見舞われていたことを、うっかり忘れてしまうような気候です。季節の移り変わりは、本当に不思議なものと、あらためてしみじみ思いに耽りたくなります。

秋といえば、「実りの秋」。ぜひ自分自身の「人間力」も「実り多き」ものとしたいものです。

毎年、大好評をいただいております「人間力」特集の最新・令和7年(秋)セレクションです。今回は、「しっかりと自分を支え、高めていく」うえで大きな助けになる講義を、様々な角度から集めてみました。

これらの講義を見ていくうちに、自分を高める大切なヒントに出会うことができること、うけあいです。ぜひ、気になった講義からお楽しみいただければ幸いです。


■特集:秋に人間力を実らせる(令和7年版)

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=272&referer=push_mm_feat

◆童門冬二:伊能忠敬に学ぶ、人生を高めて充実させる「工夫と覚悟」

◆納富信留:プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品

◆桑原晃弥:大谷翔平の育ち方…「自分を高めてゆく考え方」の秘密とは

◆田口佳史:リーダーの心得…幕末の偉人たちを育てた佐藤一斎に学べ!

◆出口治明:仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考

◆與那覇潤:メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味

◆鎌田東二:法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門

◆早坂隆:ジョークの精神…なぜ人は厳しいときほど笑いを磨くのか


■講義のみどころ:伊能忠敬に学ぶ、人生を高めて充実させる「工夫と覚悟」(童門冬二先生)

本日は、特集のなかから、童門冬二先生(歴史作家)に、伊能忠敬をテーマに、自分の人生を生涯通して高め、充実させていくための心構えをお話しいただいた講義を紹介いたします。

いかに自分が理想とするような人生を実現するかは、誰にとっても重要なテーマではないでしょうか。

日々の仕事に打ち込むうちに、「本当に自分がやりたいことは何だったのか」を忘れ去ってしまうことも多いかもしれません。また、「いつの間にか、自分の人生を自分でコントロールできないようになった」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

では、実際にどのようにすれば、自らが望んだような人生を送れるのか。そのような人生に向けて、自分をいかに高めていけるのか。

そこで参考にしたいのが伊能忠敬です。

伊能忠敬といえば、江戸時代に全国を踏破して、現代から見ても驚くべきレベルの日本全国地図を完成させていった人物として有名です。しかも地図づくりに本格的に取り組んだのは、55歳を過ぎてからのことでした。

今回の講義で童門冬二先生は、その伊能忠敬に学ぶ「人生を成功させる秘密」や卓越した考え方について、縦横無尽に語ってくださいます。

◆童門冬二先生:伊能忠敬に学ぶ「第二の人生」の生き方(全4話)
(1)少年時代
伊能忠敬に学ぶ、人生を高めて充実させる「工夫と覚悟」
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3223&referer=push_mm_rcm1

童門先生のこの講義をうかがうと、伊能忠敬がただ単に、老後の隠居道楽として地図をつくる仕事に携わったのではないことが、よくわかります。

童門先生によれば、幼い頃の伊能忠敬は複雑な家庭環境の下、とかく「グレがち」な育ちをしてきたようです。しかし、少年時代から天体や星々への興味を強く抱いていました。しかも、数学も大好きだったのです。

つまり、伊能忠敬にすれば、地図づくりや暦づくりに携わったのは、まさに生涯の夢を実現することだったのです。なにしろ、地図づくりや暦づくりは、天体観測を含めた測量技術や数学での計算が、とても重要なのですから。

しかも伊能忠敬は、そのような道に進むために、「自分の運命」をないがしろにすることはしませんでした。

彼は豪農で造り酒屋なども営んでいた伊能家に婿入りしますが、最初は、使用人と一緒に食事をさせられるような境遇だったと童門先生はいいます。しかし、そこで腐ることなく一生懸命に務めて、みごと、傾いていた家業を再建することに成功するのです。

このような伊能忠敬の姿を評して、童門先生は「徳は孤ならず必ず隣あり」という『論語』の言葉を紹介くださいます。

この『論語』の言葉は、「人のためになることをしていれば、黙っていても慕う人が次々と出てくる」という意味であり、伊能忠敬は、まさにその典型ではないか、とおっしゃいます。そのような前半生を送ったからこそ、第二の人生につながったというのです。

そして伊能忠敬は、50歳になるや周囲の同意を得たうえで、決然と隠居をし、自らの長年の夢に賭けます。もちろん、家業も後継者もしっかり育てあげ、何の心配もない基盤をつくってからのことでした。

このとき、天文学者で幕府の天文方を務めていた高橋至時に入門するのですが、そこでの伊能忠敬の行動も大いに参考になります。

実は、当時の幕府天文方にもなかった高価な西洋の測量機を、みやげ代わりに持参したのです。つまり、自分にできる最善のことを尽くして、相手に役立ててもらおうとしたのでした。

しかも、忠敬自身は寝る間も惜しんで勉学に励みます。このようなことで信頼を勝ち得ていき、遂には精巧な日本地図をつくるという国の一大事業を任されるまでになるのです。

とはいえ、当時は幕藩体制です。いくら幕府が「地図をつくる」と発意して、その仕事を任されたといっても、各藩からすれば、自分の藩領を詳細に探られることでもあるわけで、当然「警戒」することとなります。

その壁を、伊能忠敬はいかに乗り越えていったのか。それはぜひ、講座本編でご覧ください。

いま、「学び直し」ということもいわれますが、伊能忠敬の生涯は、本当に大切なことは何かを教えてくれます。

童門先生は、伊能忠敬にいわせれば「第二の人生なんかじゃないよ。第一の人生を、本当にやりたいことを、ただずっと歩いているだけだ」ということだろうとおっしゃいます。

何より、好奇心を失わない。そして「積小為大(小さなものを積み重ねて、大きなことを為す)」の精神で、やりたことを自分の仕事とオーバーラップさせて取り組んでいく。

そのうえで自分自身の好きな道に進むにあたっても配慮を重ねて、周りの人々の応援を勝ち取る。さらに新しい道に入るにあたっては、そのときの自分ができる最善を尽くして、人との縁に感謝し、しかも努力を怠らない……。

たしかに、そのようにすれば成功するのだろうことが、よくわかります。

ちなみに、童門先生ご自身、1927年のお生まれでいらっしゃいますが、1979年に52歳で退職されるまで東京都庁に勤められ、知事秘書、広報室長、企画調整局長、政策室長などをご歴任ののち、作家活動にご専念されました。

まことに残念なことに、童門先生は2024年1月にご逝去されましたが、童門先生ご自身のご意向でその後1年間、一般に公表されず、ご逝去が発表されたのは2025年1月のことでした。そのようなお姿からも、童門先生の気高い精神が浮かび上がってきます。

この講義では、第4話で童門先生ご自身のことについてもお話をうかがっており、大いに知恵と勇気をいただけます。ぜひご覧ください。


(※アドレス再掲)
■特集:秋に人間力を実らせる(令和7年版)
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=272&referer=push_mm_feat

◆童門冬二:伊能忠敬に学ぶ「第二の人生」の生き方(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3223&referer=push_mm_rcm2