編集長が語る!講義の見どころ
ショパンコンクール本選!~今こそショパンを聴いて学ぼう/江崎昌子先生【テンミニッツ・アカデミー】
2025/10/17
いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。
5年に一度、開催される「ショパン国際ピアノコンクール」。誰もが知るコンクールですが、今年は開催年。そして、いよいよこの週末(10月18日~)から本選が始まります。
ぜひ、この機会にショパンの音楽の特徴とは何か、そしてそのショパンの音楽にも大きな影響を与えたポーランドの歴史とはどのようなものなのかを学んでみてはいかがでしょうか。
テンミニッツ・アカデミーでは、ショパン演奏の第一人者でもいらっしゃる江崎昌子先生(洗足学園音楽大学・大学院教授/日本ショパン協会理事)に、実際にショパンの曲をピアノで演奏いただきながらご解説いただいた講義を配信しています。
江崎先生は、桐朋学園大学を卒業後、ポーランドに留学されて、ワルシャワショパンアカデミー研究科を修了。
1995年第6回ミロシ・マギン国際ピアノコンクール第1位(フランス)、1997年第4回シマノフスキ国際ピアノコンクール第1位及び最優秀シマノフスキ演奏賞(ポーランド)、1998年第21回サレルノ国際ピアノコンクール第1位及び最優秀ドビュッシー演奏賞(イタリア)など、世界コンクールで数々の賞を受賞。
2005年、第31回日本ショパン協会賞受賞。さらに2010年には、ポーランド政府より、外国人に贈られる文化勲章“グロリア・アルティス”銅メダルを受勲されています。
また、CDでも、ショパンのエチュード全曲集、マズルカ全曲集、ソナタ全集、ノクターン全集など、ショパンの全集録音を進められ、高い評価を受けておられます。
本講義では、その江崎先生に贅沢なほどたくさんな曲を弾いていただいています。マズルカやポロネーズなどがどのような曲なのかも、演奏と解説で深く理解できます。まさに動画ならではの楽しみと発見に満ちています。
◆江崎昌子:ショパンの音楽とポーランド(全9話)
(1)ショパンの生涯
ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4860&referer=push_mm_rcm1
第1話では、最初に「幻想即興曲」のさわりを演奏いただいた後、ショパンの波乱の生涯について概説いただいています。やはり、クラシックの場合、作曲家の生涯や、当時の社会背景を知って聴くのとそうでないのとでは、感慨が大きく異なってきます。
また、ポーランドとゆかりの深い江崎先生ならでは、ポーランドの「ショパン出生の地」の様子について、次のようなお言葉もあります。
《ほとんど空です。ほとんど横にいつも空がある》
さて、どのような景色なのか。実際に現地の写真も見ることができますので、ぜひ講座本編をご覧ください。
有名な話ですが、ショパン存命中のポーランドは、ロシア、プロイセン、オーストリアによって浸食され、分割され、国が失われていました。ショパン自身も、生涯の多くの期間を外国で暮らさざるをえませんでした。
また、婚約が破棄される事件や、ジョルジュ・サンドとの出会いなど、恋愛の面でも様々な山や谷を経験しています。
ショパンの生涯のあらましを聞くと、その音楽への反映がよく見えてきます。
第2話と第3話では「マズルカ」についてご解説いただきます。マズルカは、ポーランドの農村部の舞踊。ショパンは作曲を始めた頃から最晩年まで、そのリズムを活かして、多くの曲を作曲しました。「日記のような作品」ともいわれるマズルカを聴き込むと、ショパンの様々な思いが伝わってきます。
また、江崎先生は、ポーランドの伝統的な「マズルカ」の音源もご紹介くださり、それを実際に講義中で引用として聴くこともできます。まさにマズルカの根源に迫る内容といえましょう。
第4話と第5話は「子守歌とノクターン」です。「子守歌」についても、江崎先生は、ショパンが幼き頃に聴いていたかもしれない、その地方の古くからの子守歌の音源をご紹介くださいます。それを元にしながら、曲の構造をわかりやすくピアノでご紹介いただいたうえで、名曲「子守歌」を演奏くださるのです。じんわりと心に染みわたります。
また、「ノクターン」では、ショパンが実際に自身の演奏会で弾いていたバージョンの「ノクターン第2番」を弾いてくださいます。通常、われわれが聴くものよりも、装飾音符がとても多いバージョンです。ショパンは、このように曲に手を加えて、まるでジャズの即興演奏のように自分の曲を演奏していたとのこと。とても興味深い内容です。
第6話は「ポロネーズ」について、まずはバッハの「フランス組曲」のなかのポロネーズの演奏から、その独特のリズムや踊りを実演でお示しいただきます。ポロネーズの成り立ちが、とてもよくわかります。
そのうえで、ショパンの楽譜の校閲をしたことで有名なパデレフスキが作曲したポロネーズを演奏いただきます。実はパデレフスキは一世を風靡した大ピアニストであるのみならず、後年、第一次世界大戦後にはポーランドの首相も務めています。そのようなことからも、ポーランドのお国柄が伝わってきます。
第7話は「ショパンの恋」。婚約までいきながら、破棄を余儀なくされたマリアとの恋。そして有名なジョルジュ・サンドとの恋……。サンドとの恋については様々なことがいわれますが、その実際はどのようなものだったのか。恋人を想いながら書かれた曲を演奏いただきつつ、迫っていきます。
第8話、第9話は「ショパンとポーランドの苦悩」。亡国の悲劇に沈んだポーランド。なぜそうなってしまったのか。ポーランドの歴史風土とはいかなるものかに迫ります。
なにより特筆すべきはポーランドの悲劇の歴史をふまえたうえで演奏される有名な「革命のエチュード」です。
江崎先生の演奏は、まさに圧巻ですが、その曲の解説も演奏者ならではの含蓄深いもの。必聴です。
講義の最終話は、「ショパン絶筆となったマズルカ」です。異国の地で没し、自らの心臓だけでもポーランドに帰国させてほしいと願ったショパン……。その想いが深く伝わってきます。
数多の演奏をお楽しみいただきつつ、ショパンの真髄を学べる講義です。ぜひご覧ください。
(※アドレス再掲)
◆江崎昌子:ショパンの音楽とポーランド(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4860&referer=push_mm_rcm2
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