編集長が語る!講義の見どころ
内側から見たアメリカと日本/島田晴雄先生【テンミニッツ・アカデミー】
2025/11/18
いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。
ある国がどのような国なのかは、なかなか外側からだけではわからないところがあります。観光などで短期滞在すると見えてくるものはありますが、しかし、それだけでは、どうしても一面にすぎぬ面は否定できません。
やはり、その国についてよくよく知るためには、そこに住んでみるのがいちばんでしょう。さらにいえば、たんに住むだけではなく、その国の第一線でバリバリ働いたりする経験ができれば、ますます真の理解に近づくはずです。
本日は、その見地からとても参考になる島田晴雄先生(慶應義塾大学名誉教授)の《内側から見たアメリカと日本》講義を紹介いたします。
今回の講義では、島田先生ご自身のアメリカと日本でのご経験をふんだんにお話しいただいています。島田先生の豊富なご経験から、アメリカと日本の様々な側面を理解するためのヒントがあふれ出してきます。
テンミニッツ・アカデミーでのこれまでの島田先生のご提言型の講義とは、少し違った角度からの講義ですが、島田先生の生き生きしたご経験談からさまざまな楽しみを満喫できる講義です。
◆島田晴雄:内側から見たアメリカと日本(全7話)
(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6010&referer=push_mm_rcm1
さて、なぜ島田先生がアメリカと日本の「内側」に通暁されることになったかは、そのご経歴を知ればよくわかります。
島田先生は1965年3月に慶應義塾大学経済学部をご卒業後、1967年3月に慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程を修了されます。その後、フルブライト奨学金を得て1967年9月から1970年8月までアメリカのコーネル大学に、さらに1970年9月から1974年3月までウィスコンシン大学にご留学され、ウィスコンシン大学でPh.D.(博士号)を授与されています。
講義から少し離れますが、講義の理解を深めるため、島田晴雄先生の慶應義塾大学での最終講義録から、島田先生がご自身のご経歴を語っておられる部分を少し抜粋紹介いたしましょう。
https://www.haruoshimada.com/achievements/lecture.html
《修士号を取り、博士課程に進んでほどなく、フルブライト奨学金を得て、労働問題の研究と教育で有名な米国のコーネル大学に留学。コーネル大学では最初からドクターコー スの演習に参加することが認められた》
《その後、私の指導教授が政府の官職に就き、ワシントンに移ってしまったため、私はウィスコンシン大学に転籍した。ウィスコンシン大学はアメリカの労働研究のメッカというべき大学である。一般に大学院の学生は4コースを 履修するのが通例だったが、私は4コースを履修した上で4コースを聴講していた。日中は講義・演習に出席し、夜中に本を読んでコンピュータで分析を行っていた。当時すでにアメリカの大学ではコンピュータを24時間使用することができた。私は朝4時まで勉強し、一時帰宅して仮眠を取った後にすぐに大学に行くという生活を続けた。
その成果もあったと思うが、全米労働研究奨学金を得られる20人の中の1人に選ばれた。外国人は私1人だった。その奨学金を私はジョージ・シュルツ長官から直接に授与された。その金額はアメリカの大学の助教授の給料よりも高額だった。その潤沢な資金を活用して私は愛車フォルクスワーゲンに家族を乗せてシーズンごとにアメリカ大陸を東西南北に旅をし、36州をドライブした》
そのようなご経験の一端を、本講義でご存分にお話しいただいています。
また、日本に帰国後、すぐに慶應義塾大学経済学部助教授に就任されますが、その後も日本の国のど真ん中で活躍を続けてこられました。
《助教授に昇任した後、4年にわたって経済企画庁経済研究所の客員主任研究官を務めた。さらに産業構造審議会、財政制度審議会、政府税制調査会、規制改革委員会等に参加し、対日投資会議では部会長に就任した。
私は特に宮沢首相・細川首相・橋本首相・小渕首相にはさまざまな形でお手伝いをしてきた。細川内閣の頃には官邸に住み込んでいるかのように深く関わり、さまざまな思い出がある。
また、橋本首相にも大変にお世話になった。橋本内閣の下で「沖縄県における米軍基地所在市町村の将来の振興に関する官房長官の私的懇談会」が設立されて私はその座長に就任し、爾来数十回にわたって沖縄県を訪問している。(中略)
そして小泉政権が誕生した。小泉内閣が成立する以前に、実際に小泉政権が発足した場合に備えた研究を行うことになり、竹中平蔵氏らが中心となって経済学者によるtomorrow cabinetを作っていた。香西泰氏が「首相」となり、竹中氏と私が「官房長官」を務めた。この研究会の研究の成果をやがて総裁選への立候補を考えていた小泉議員に度々御進講を繰り返すことになった。
小泉内閣が現実に発足すると竹中氏は経済財政政策担当大臣に就任した。私は内閣総理大臣補佐官への就任を打診された。しかし、内閣総理大臣補佐官に就任すると慶應義塾大学を退職しなければならなかったため、断った。すると当時の福田官房長官が内閣府特命顧問というポストを新設してくれたので、内閣府特命顧問に就任した》
このような背景を知ったうえで本講義を聞くと、理解度が深まることと思います。
では、どのようなことが本講義で語られているか。少し項目を挙げてみましょう。
◆トランプ大統領は、「ラストベルトをつくったのは日本や中国」といっているが、本当か?
◆なぜトランプ大統領は、ヒラリーさんに勝てたのか?⇒ヒラリーさんは驚くほど切れ者だったけれど……。
◆古き良きアメリカの寛大さ、偉大さ⇒フルブライト奨学金とは?
◆トランプ大統領は、そのアメリカのよさを自己否定している
◆ウィスコンシン大学で学んでいた時代に、アメリカの労働組合の研修所でティーチングをした話。
◆1920年代のアメリカ⇒労働組合のデモをギャングのような人たちが銃撃で弾圧していた。
◆私が留学中に出会ったアメリカの労働者たちは、みんなマッチョで、良い奴だった⇒当時は民主党支持だったが、いまはトランプ大統領の支持者に?
◆会ってみたビル・ゲイツ。
◆「沖縄米軍基地所在市町村に関する懇談会」の座長になった経緯と思い出。
◆私が見た「アメリカでのトヨタの評価が4年でまったく変わった話」。
◆日本は半導体戦争になぜ負けた?⇒アメリカに腰骨を折られた面はあるが、オウンゴールも。
それぞれ、どのような話か。ぜひ講義本編でご覧ください。経験談からこそ見えてくるものがあることを、大いに実感できる講義です。
(※アドレス再掲)
◆島田晴雄:内側から見たアメリカと日本(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6010&referer=push_mm_rcm2
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