編集長が語る!講義の見どころ
インフレの行方…歴史と各国比較から将来を予測する/養田功一郎先生【テンミニッツ・アカデミー】

2026/02/20

いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。

日本は1990年代後半から「デフレ」に陥りました。「緩やかなデフレ」などといっていますが、デフレはまさに「デフレ・スパイラル」という言葉に象徴されるように、経済をどんどん縮小させていくものであり、「罪悪」以外の何物でもありません。

そのおかげもあって、日本経済はすっかり縮こまって弱くなり、いまでは一人当たりGDPも凋落の一途。日本人の給与水準も、どんどんとかつての途上国に抜き去られていく始末。デフレをここまで長引かせてしまった罪は、やはり重いものといえましょう。

さて、ここにきての物価高で、ようやく「インフレ基調に転換するか」などともいわれています。世間でも「漠然としたインフレ不安」について語られることが多くなってきました。

しかし、デフレに陥ってから「およそ30年!」。いまの「日本の社会人」の中核人材の多くが、実際に「インフレ基調」なるものを経験したことがない人ばかりという惨状です。

では、インフレによって、どのようなことが起こるのか。そもそも、今後の日本はどうなっていくのか。

そのことを養田功一郎先生にお話しいただきました。今回の講義の特筆点は、過去270年をさかのぼって、インフレの歴史を検証していただいていること。歴史を学ぶことで、インフレの実相がひしひしと伝わってきます。そして、そのうえで現在の各国との比較もなされます。

まさに「立体的」にインフレの行方を考えることができる講義です。

◆養田功一郎先生:インフレの行方…歴史から将来を予測する(全6話)
(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6134&referer=push_mm_rcm1

さて、この講義の冒頭で養田先生は、「インフレが連続して続いたときに、物価水準は何年後に何倍になっているのか」をグラフでお示しくださいます。この表で見ると、たとえば「インフレ率20%」が続いたら、10年後の物価が「6.19倍」になることが見て取れます。

このグラフでイメージをつかんでから、歴史の検証へと移ります。

この講義で養田先生が取りあげるのは「田沼意次時代(1755年)以降の物価推移」からの270年です。この270年を俯瞰していただいた「長期物価推移」のグラフは、まさに圧巻です。天保の大飢饉、幕末、第一次大戦後、世界恐慌、第二次大戦後、オイルショック、それぞれのときに物価がどうなったか、その規模感がひと目でわかります。

特に注目すべきは……。いえいえ、ここはぜひグラフそのものをご覧いただいてお楽しみください。

そのうえで、「江戸時代の物価」「明治初期から第二次世界大戦まで」「戦後」の3つの時期について、それぞれの物価推移表をお示しくださいます。それぞれについては、これまでの養田先生の講義でお示しいただいたこともありますが、このようにロングスパンで見ていくことで、大きな歴史の流れの背景にあるものを、よく見て取ることができます。

経済のあり方を理解のみならず、歴史を深く理解するためにも必須のパートと言えるでしょう。

ここまでが「歴史という縦の軸」で物価動向を検証するものだとすれば、第3話の後半からは、現在の各国との比較という「横の軸」での分析となります。

G7のなかでの比較や、イギリスとの比較、トルコとの比較などが、こちらもグラフで次々と示されていきます。たとえばイギリスと同等となるシナリオの場合は、日本で毎年5.4パーセント程度のインフレ率が続くケース。トルコと同等になる場合のシナリオは、日本で30パーセントを超えるインフレ率になるケースです。

たとえばトルコの場合は、2021年中盤以降、インフレ率が上昇傾向にあるにもかかわらず政策金利の引き下げを行なって、通貨の信任も大きく毀損し、インフレ率はさらに急上昇。一時的に年率80パーセントを超えるインフレとなりました。

それぞれのような場合に、日本ではいったい何が起きうるのか。そのような視点でお話しいただいていますので、たんなるグラフ上での数字の比較ではなく、いわば「未来シミュレーション」として学ぶことができます。

さらに、たとえば「日本は世界最大の対外資産保有国なのに、最近は円安が続いている。これはどう考えればよいのか」などについても、ご解説くださいます。

そして、さらに高市政権の「責任ある積極財政」の考え方をどう見るか……。ここで養田先生は「ポイントは財政懸念を払しょくすることではなく、悪性のインフレにつながらないようにすることだ」とおっしゃいます。それはどのようなことなのでしょうか。

数多くのグラフで視覚的に学べるうえに、「歴史という縦軸」と「世界との比較という横軸」から経済のあり方を理解することができる素晴らしい講義です。ぜひご覧ください。


(※アドレス再掲)
◆養田功一郎先生:インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6134&referer=push_mm_rcm2


公式X(@10mtv_opinion)では、毎日独自コンテンツを配信中!
https://x.com/10mtv_opinion