編集長が語る!講義の見どころ
驚きの中国史概説~常識をガラリと覆す歴史の真実とは?/宮脇淳子先生【テンミニッツ・アカデミー】
2026/06/29
いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。
さて、中国史について「なんとなく知っている」と思っていないでしょうか。たしかに日本人は、中国史のある程度の部分を歴史の授業(あるいは国語の授業)でも学んでいますし、『三国志』をはじめ大人気の物語は枚挙にいとまはありません。
しかし、その「中国史の常識」は、本当に正しいのでしょうか?
本日は、中国史の常識をガラリと覆してくれる「驚きの中国史概説」講義を紹介いたします。宮脇淳子先生(公益財団法人東洋文庫研究員)による、目からウロコが落ちる講義です。
◆宮脇淳子先生:中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(全4話)
(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6272&referer=push_mm_rcm1
もともとこの講義は、宮脇先生のご主人の岡田英弘先生が書かれた名著『皇帝たちの中国』を紹介しつつ、そこに記された中国史の概説を紹介したものです。
岡田先生の『皇帝たちの中国』の「はじめに」は、中国史の本であるにもかかわらず、次の挑戦的な言葉で始まります。
「中国史はつまらない。これが通り相場である」
なぜ、つまらないのか。その理由として挙げられているのが、「中国史には時代ごとの変化がなくて単調」「中国史には人間らしい人間が出てこない」などといったことです。
しかし、これはまったく違うのだといいます。
よく知られているように、中国の「正史」は司馬遷の『史記』をモデルとして書き継がれていきました。司馬遷の『史記』を生んだことは、それだけでも中国文化の素晴らしさといえますが、しかし逆に『史記』にならおうとするあまり、続く「正史」はすべて『史記』の「型」をベースに書かれることになってしまったのです。
最初の皇帝は「太祖」「太宗」で、代を経るに従ってだんだんと悪い政治になっていき、決定的な悪政に堕して「天命」が次の王朝に移り、前の王朝は滅びていく……。そのような革命思想的な「型=フォーマット」に押し込められたのが「中国の正史」なのです。
では実際はどうだったのか?
もちろん、実際の中国史はまことに激動に満ち、波乱万丈でした。この講義で語られるのは次のような真実です。
◆中国史のキーワードは「皇帝」「都市」「漢字」。
◆中国史は「都市=貿易拠点」のネットワークを広げていって、商売の上がりでそれを運営するシステム。
◆「漢字」は話し言葉の違う人たちのコミュニケーションツールだった。
◆「皇帝」は、いわば「最大の資本家」で、陶器や織物の工場も運営し、高利貸しのようなこともやっていた。
◆漢の全盛期(西暦2年ごろ)には漢人が「6000万人」いたが、三国志の時代を経て「500万人」を切ってしまった。
◆中国の全皇帝を並べてみると(秦・漢時代の)漢人は全体の4分の1しかいない。4分の3は「非漢人」。
◆王朝交代の時代の物語に「塩の密売人」がよく登場する理由。
◆モンゴル王朝の元の皇帝は大都(北京)に1年のうち3カ月しかいなかった。
◆皇帝の歴史を「表の中国史」だとすると、「裏の中国の主人公」は宗教秘密結社である。
それぞれ、どのようなことかは、ぜひ講義本編をご覧ください。宮脇先生ならではの、とてもテンポよく進んでいく講義ですので、衝撃を受けつつ、あっという間に見終えてしまうこと必定です。
中国の「国のあり方」は、日本とはまったく違うことがよくわかります。また「皇帝像」も日本人がこれまで抱いていたものとは大きく異なるものだということも。
いうなれば、中国と日本の違いは、国のベースが「商業都市」か「田んぼ」かの違いであり、「田んぼ」に依拠する人は、真の「都市文明」をなかなか実感として理解できない……。そんなことを突き付けられる思いです。
さらに「異民族」が流入してくることによる歴史の激動ぶりも、日本人の想像をはるかに上回るものです。宮脇先生は「広大な草原を行き来していた人が入ってきて皇帝になるから、当然、世界帝国になる」と指摘されますが、そのような感覚はなかなか日本人が持ちえぬものでしょう。
それにしても、「隣の国」といいながら、中国史はまったく日本の常識では推し量れないことを痛感させられます。宮脇先生はモンゴル史のご専門ですので、文献資料の「正史」だけに依拠するのではなく、遊牧民族という視点を入れるだけで、中国史の見方がガラリと変わることが、生き生きと伝わってきます。
そのような歴史を正しく認識してこそ、現代の中国もよく見えてくる。いろいろな中国を理解するのに、古いところから本質的なことが分かるということはとても大事なことだ。そう宮脇先生はおっしゃいますが、本当にそのとおりです。
様々な意味で、圧倒的に衝撃的な講義であり、歴史の本質を知る愉しさに満ちた講義でもあります。ぜひご覧ください。
(※アドレス再掲)
◆宮脇淳子先生:中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6272&referer=push_mm_rcm2
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