編集長が語る!講義の見どころ
《今を知る》中国古代史という「知の宝庫」…春秋戦国時代の真実とは?/鶴間和幸先生&特集【テンミニッツ・アカデミー】
2026/07/08
いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。
いうまでもなく、中国古代史は「知の宝庫」です。汲めども尽くせぬ教訓が、そこにはあります。
春秋戦国時代に登場した孔子や老子をはじめとする諸子百家。殷・周から秦の始皇帝、さらには三国志の英雄たちへと至る物語……。思想、文化から政治制度、軍事まで、隣国の古代文明のあり方は日本人に多くの影響を与えてきました。
現代日本でも学校の授業で学んだり、この時代を舞台にした作品が愛読されたりしますので、多くの方がそのうちのいくつかに触れたことがあるはず。しかし案外、その歴史的な背景は知らないことも多いのではないでしょうか。
春秋戦国時代とはいかなる時代だったのか。なぜ、諸子百家ともいわれる思想家たちが百花繚乱のごとく現われたのか。史上初の皇帝「始皇帝」が生まれてきた歴史背景とは。日本でも人気の「三国志」の「史実」はいかなるものか。人々はいかに生き、どのような文化が息づいていたのか。そしてその時代に生まれた思想を概観すると……。
中国古代史を様々な視点から愉しめる講義を集めてみました。ぜひあらためて学んでみてはいかがでしょうか?
■今を知る講義まとめ:中国古代史という「知の宝庫」
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=298&referer=push_mm_feat
◆鶴間和幸先生:中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6295&referer=push_mm_rcm1
◆宮脇淳子先生:驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6272&referer=push_mm_rcm2
◆柿沼陽平先生:『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4805&referer=push_mm_rcm3
◆渡邉義浩先生:三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=1999&referer=push_mm_rcm4
◆田口佳史先生:中国古典思想とは?…春秋戦国に生まれた儒家、道家、法家、兵家
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=707&referer=push_mm_rcm5
◆田口佳史先生:『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4471&referer=push_mm_rcm6
■ピックアップ講義:中国春秋戦国時代、そして始皇帝の時代とは?(鶴間和幸先生)
本日は特集から、鶴間和幸先生(学習院大学名誉教授)の《中国春秋戦国時代と始皇帝》講義を紹介します。
中国の春秋戦国時代は、西暦でいえば紀元前770年~紀元前221年にあたります。
紀元前1046年頃から続いてきた周王朝の治世が陰りを見せはじめ、都が鎬京(こうけい/宗周とも。現在の西安市内)から洛邑(らくゆう。現在の洛陽市内)に移ったのが紀元前770年のこと。そこから群雄割拠の時代になっていきます。
諸子百家が春秋戦国時代に登場したことはよく知られたことでしょう。しかし春秋戦国時代がどのような時代で、どのような環境だったかということは、あまり知られていないかもしれません。
いま若い世代のあいだでも、人気マンガで映画にもなっている『キングダム』の影響で、春秋戦国時代への関心が高まっています。『キングダム』は秦の始皇帝の時代を描いた物語ですが、その映画の中国史監修を務めておられる鶴間和幸先生に、今回、春秋戦国時代の歴史をお話しいただきました。
鶴間先生は秦漢時代がご専門で、実際に中国に幾度も足を運び、現地での研究も重ねておられます。
これまでの中国史は『史記』などの歴史書に依拠して語られてきましたが、近年では考古学的な発掘も進み、歴史に新たな光が当たりつつあります。現地を訪れ、さらに考古学研究も進めておられる鶴間先生ならでは、そのお話から中国史が生き生きと飛び出してきます。
◆鶴間和幸先生:中国春秋戦国時代と始皇帝(全9話)
(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6295&referer=push_mm_rcm7
まず今回の「序」の講義では、鶴間先生が映画『キングダム』の中国史監修を務めておられることもあり、実際の映画製作で歴史監修はどのような役割を果たしているのかからお話しいただきました。
当時の玉座がどういう形だったのか。また農村の雰囲気や建物は……。映画のリアリズムは細部へのこだわりから生まれますが、そこに歴史監修としていかに関わっていくかというお話を通じて、われわれの脳裏にも中国古代の姿が浮かんでくるようです。
さらに「序」講義で、鶴間先生は始皇帝が離宮をつくったという琅邪台(ろうやだい)の光景もご紹介くださいます。鶴間先生はこの地にも足を運んでおられます。いま眼前に広がる景色を、秦の始皇帝も漢の武帝も楽しんだのだろうか……。その感慨は、歴史好きならずとも誰もが共感するところではないでしょうか。そのようなお話からも、歴史への興味がいやがうえにも高まります。
第一話から、いよいよ春秋戦国の歴史へと話が進んでいきます。まずは中国古代史の舞台となる地理の話、さらに春秋戦国の前史となる殷、そして周の話です。
中国古代史の舞台は、鶴間先生が「東方大平原」と名づける黄河や長江流域の大平原、さらにその西に位置する渭水盆地(渭水という川の流域の盆地)だといいます。鶴間先生は実際に立体地図を指し示しながらご教示くださいますので、とてもよく理解することができます。
さらに殷から周への流れです。殷は神権国家・宗教国家として独特の文化を築き、生贄(いけにえ)なども盛んに行われたといわれます。それが「酒池肉林」のエピソードに象徴されるように頽落していき、周による武力革命で倒されることになるのです。
周といえば、その政治を孔子が理想としたことはよく知られます。では、実際に周の時代とはどのような時代だったのでしょうか。
ここでとても興味深いのが、当時の中国の東方大平原は、たくさんの小都市国家の集まりだったというお話です。
鶴間先生は、実際にこれらの小都市国家群にも足を運ばれています。東方大平原には春秋時代から南北に運河がつくられていました。その運河のほとりに小都市国家が続々とできあがっていきます。都市と都市のあいだは鶏犬の声が聞こえるほどの近い距離。いずれも水運の便も生かして繁栄しており、それぞれに競いあっている……。
この情景描写はいろいろなことを教えてくれます。古代ギリシアもアテナイやスパルタなど小さな都市国家が分立して繁栄している環境下で数々の哲人が生まれています。ルネッサンス文化も、当時イタリアの諸都市が競いあっているなかで花咲きました。
中国の春秋戦国も、まさにそれらと似たような環境だったのです。だからこそ、百花繚乱のごとく諸子百家が生まれたことがよくわかります。このような歴史の環境比較は、文化や経済の発展について、印象深く多くのことを教えてくれます。
中国の春秋戦国時代とは、このような小都市国家群を「覇権国家」が次々と勢力下に置いていく過程でもありました。それぞれの勢力は、小都市国家群が育んだ文化的土壌のなかから頭角を現してきた諸子百家を「食客」として集めてブレーンとしつつ、そのなかから優秀な人を登用して政治や軍事に当たらせていくことで、自国の富国強兵を実現していったのでした。
第3話では戦国七雄と合従連衡について見ていきます。それぞれの国の地理的特性が、外交同盟戦略にどのような影響を与えたのかも興味深いところです。
第4話では、戦国七雄の具体的な「兵力」比較です。当時、合従連衡を唱えた外交家たちが、様々な記録を残しています。それらをひもとくと、実際に各国がどのくらいの軍備を保有していたかが見えてくるのです。これは、各国の外交戦略や、その後の興亡の歴史を見ていくうえで、とても参考になるデータです。
第5話で検討するのは、秦を強大な国に変貌させた「商鞅の変法」についてです。商鞅の生没年は紀元前390年~紀元前338年。「衛」の出身ですが、秦の孝公の信任を得て改革を推し進めます。いかなる改革で秦が強国となったのかは、ぜひ講義本編でご覧ください。
第6話から第8話は、秦を支えた君主と臣下たち、そして後に始皇帝となる秦王・趙政(エイ政とも)のそれぞれの史実はいかなるものかが語られます。秦はどの君主の時代に誰が活躍し、どのように国力をつけて領土を広げていったのか。そのプロセスがよくわかります。
そして第9話で秦王・趙政(エイ政)と、その他の六国の合従軍との戦いへと話が進んでいきます。
やはり秦の政治で特筆すべきは、外国出身者がとても多かったことです。彼らがいかに登用され、いかに活躍していったかは、現代の国家や企業のあり方を考えるうえでも、一つの参考になるかもしれません。
どうして人材が輩出したのか。いかにして国家が強大になっていったのか。それを支えたのはいかなる人材だったのか。それらを学ぶことで、歴史の愉しみのみならず、現代社会へのヒントや気づきも次々に得ることができます
中国古代の世界が眼前に浮かび上がるような興味深い講義です。ぜひご覧ください。
(※アドレス再掲)
■今を知る講義まとめ:中国古代史という「知の宝庫」
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=298&referer=push_mm_feat
◆鶴間和幸先生:中国春秋戦国時代と始皇帝(序)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6295&referer=push_mm_rcm8
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