編集長が語る!講義の見どころ
《今を知る》秀吉という男/小和田哲男先生&中村彰彦先生&特集【テンミニッツ・アカデミー】
2026/09/16
いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。
NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』も、いよいよ羽柴秀吉の天下取りに向けての動きが急になってきました。
低い身分から、考えられぬほどの大出世を果たし、天下人への駆け上った秀吉。近年のウェブニュースなどでは、もっぱらその残虐性などに光が当てられることもありますが、しかし考えてみれば、残虐なだけであそこまでの立身ができるはずもありません。
秀吉の「才覚」「能力」とはいかなるものだったのか。ほかの武将と比して何が違ったのか。そして落とし穴とは……。
今回の《今を知る》特集では、「秀吉」について、多面的に見ていくことができる講義をピックアップしました。
その特集の紹介の前に……。
【お報せ】
9月24日(木)19時より、鶴見太郎先生による《ユダヤ人と世界史…その歴史の教訓とは》講義で、ウェビナー形式の「公開収録」を行ないます。
※申込締切は9月17日(木)です!
ユダヤ人と世界史の関わりを知ることで、大きな歴史の流れの中で翻弄される個々人がいかに生き抜いていくかについて深い教訓を得ることができます。今回も、事前に皆さまからの質問をお寄せいただき、その質問にもお答えいただくかたちで講義を進めてまいります。ぜひ奮ってご参加ください。
【日時】
2026年9月24日(木) 19:00~21:00前後(18:45より開場予定)
※公開収録ですので、時間は伸び縮みする可能性があります。
※Zoomウェビナーでオンラインで開催いたします。
【申込ページ】
https://10mtv.jp/seminar/202608/?referer=push_mm_new_function
さて、今回の《今を知る》特集テーマは、《秀吉という男》です。
秀吉については「前半生は好きだが、晩年は嫌い」という声も聞きます。たしかに晩年の秀吉には、千利休の粛清や、甥の豊臣秀次とその一族の粛清、さらに朝鮮出兵や、わが子・秀頼の溺愛など、数々の暗い事件がありました。
秀吉の晩年の事件をどのように見ていくべきか。今回はその点にも光を当てています。
今回の特集中でピックアップした講義で「第1話」ではなく、途中の話からのものが多いのは、そのためでもあります。
■今を知る講義まとめ:秀吉という男
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=307&referer=push_mm_feat
◆小和田哲男先生:豊臣秀吉の驚愕の国内貿易…莫大な財力を生んだ経済政策
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3231&referer=push_mm_rcm1
◆中村彰彦先生:史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6002&referer=push_mm_rcm2
◆小和田哲男先生:豊臣秀吉が暴君になるほど影響が大きかった弟・秀長の死
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3958&referer=push_mm_rcm3
◆黒田基樹先生:長期包囲戦だけではない!“軍事的天才”秀吉軍団の戦い方
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6056&referer=push_mm_rcm4
◆中村彰彦先生:織田信長と豊臣秀吉の戦い方-殲滅戦から外交交渉へ
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3233&referer=push_mm_rcm5
◆ 田口佳史先生:豊臣家の悲劇こそ「論語なき算盤」の末路だ
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2926&referer=push_mm_rcm6
■ピックアップ講義:秀吉の「経済政策」、そして「秀次事件」の真相は(小和田哲男先生、中村彰彦先生)
本日は特集の中から、秀吉の「経済政策」の巧みさをお話しいただいた小和田哲男先生の講義。また、甥で関白を務めていた豊臣秀次の一族を皆殺しにした「秀次事件」の深層をひもといていただいた中村彰彦先生の講義をピックアップします。
◆小和田哲男先生:戦国武将の経済学(全4話)
(3)豊臣秀吉の経済政策
豊臣秀吉の驚愕の国内貿易…莫大な財力を生んだ経済政策
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3231&referer=push_mm_rcm7
いうまでもなく、戦国時代の武将たちは、経済力をいかに養うかという課題に直面していました。いざ戦(いくさ)をするという段になっても、経済力の裏打ちなしに戦うのは無理というものです。
結局、勝ち残ったのは、経済力の涵養に成功した武将たちだったともいえるでしょう。しかも、それぞれの武将たちによって、どこに力を入れるのかは随分と違っていたのです。
その点、秀吉の経済政策はまことに秀逸なものでした。
秀吉は、圧倒的な物量で押していく壮大な軍事行動を多用しました。当然、莫大な軍資金が必要になるわけですが、いかにしてその資金を賄ったのでしょうか。
実は秀吉は、全国に点在する直轄地間で異なる相場になっていることを最大限に活用して富を生んでいたのです。
一例を挙げれば、あるとき津軽の米相場は100石=4両だった。しかし同じ頃、南部地方の相場は100石=10両、さらに小浜では100石=14両だった。そこで秀吉は、津軽でとれた2200石の米(津軽では88両の価値)を各地で売って、236両を得たというのです。
しかも、これを秀吉は廻船問屋と組んで行なっていました。そして廻船問屋と利益を折半する仕組みにしていたというのです。
本講義ではさらに、上杉謙信が直江津や柏崎などに入ってくる船便に税をかけることで年間4万貫(約60億円)の収入を得ていた話などまで、様々な事例が紹介されます。
各話をご覧いただければ、戦国大名のイメージが少し変わってくるかもしれません。
◆中村彰彦先生:歴史の探り方、活かし方(全7話)
(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6002&referer=push_mm_rcm8
子宝に恵まれなかった秀吉は、関白の座を甥(姉の子)の秀次に譲ったものの、淀君がわが子・秀頼を産んだので、そちらに情が移り、関白・豊臣秀次を失脚させて切腹に追い込み、秀次の一族を皆殺しにした……。
そんな暗黒のエピソードで語られることも多い「秀次事件」。
2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』では、秀次を山田涼介さんが演じています。秀次事件は、秀吉の弟の秀長が死んだ後の事件でもあり、秀長が主人公の今回の大河ドラマで、そもそもこの悲劇的で残酷な事件が描かれるのかということから気になります。なにしろこれまでは、羽柴ファミリーのあたたかな描写が続いてきたこともありますし……。
とはいえ、史実はいったい、どのようなことだったのでしょうか?
今回ご紹介する講義は、その点について歴史小説家の中村彰彦先生が史料を駆使して分析くださったものです。
中村先生は、史料を縦横無尽に渉猟し、それに立脚して人間味あふれる歴史物語を紡がれることに定評ある先生です。この講義では「史料の探し方、活かし方」をお話しいただきました。
その一環として「秀次事件」を取り上げてくださったのですが、中村先生が注目するのは『武功夜話』という史料です。
この『武功夜話』は、偽書か否かをめぐって議論がなされている史料です。しかし中村先生は「基本的にこれはいい史料だと私は思っています」とおっしゃいます。
実は『武功夜話』は「前野家」に伝わったものです。この前野家とは、前野将右衛門長康とその息子に連なる家であり、秀吉軍団の功臣でした。『豊臣兄弟!』でも渋谷謙人さんが演じて、よく蜂須賀小六と一緒に行動するシーンなども描かれています。
秀吉が美濃を攻略するために蜂須賀小六(正勝)の力を借りたことは有名ですが、前野家はその蜂須賀家と並ぶ土豪集団でした。蜂須賀小六と時期を同じくして、前野長康も秀吉に協力し、その後も秀吉軍団で活躍を続けたのです。
しかし、前野長康の息子の前野景定が、豊臣秀次の近習家老を務めていたために、秀次事件に連座して切腹を命じられます。そして父の前野長康も責任を感じて切腹してしまうのです。
中村先生はこうおっしゃいます。
《悔しいから一所懸命、前野家がどこで頑張ったのかということを言っておきたい。後世の人に語り伝えたい。そういう気持ちがあるので、この『武功夜話』を書いたのです。そういうふうに、『武功夜話』は創作衝動のモチーフに説得力があるのです》
では、そこに書かれていたこととは……。それはぜひ、講義本編をご覧ください。
今回の《秀吉という男》特集で挙げた他の講義も、いずれも羽柴秀吉や秀長の特長、さらに石田三成とその他の秀吉恩顧の臣との内紛などについて、様々な角度から光を当てています。
秀吉という男の「栄光と失敗」がよく見えてくる講義群です。ぜひ気になった講義からご覧ください。
(※アドレス再掲)
■今を知る講義まとめ:秀吉という男
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=307&referer=push_mm_feat
◆小和田哲男先生:戦国武将の経済学(3)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3231&referer=push_mm_rcm9
◆中村彰彦先生:歴史の探り方、活かし方(4)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6002&referer=push_mm_rcm10
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テンミニッツ・アカデミー編集部