編集長が語る!講義の見どころ
《今を知る》日本人が知らない「ロシア」の論理…ロシア史の真髄を知る/上月豊久先生&特集【テンミニッツ・アカデミー】
2026/11/04
いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。
このところ、ロシアの出方がずいぶんと強硬になってきています。2026年8月にはプーチン大統領が北方領土の択捉島を訪問し、また、同月、ロシア海軍太平洋艦隊が日本海やオホーツク海で大規模な軍事演習を実施しました。10月にはサハリンで北海道新聞の記者がスパイ容疑で拘束されました。さらに「日本の軍国主義復活」のプロパガンダも盛んに行なわれています。
安全保障的な危機をはじめ、これまでも「日本の針路」に大きな影響を与えつづけてきた隣国・ロシア。しかし、日本人はロシアについて、あまりにも知らないのではないでしょうか。
そもそも、ロシアの歴史とは? そしてその歴史から見えてくる本質とは? また、現在のプーチン政権の戦略や行動原理とは?
今回の《今を知る講義まとめ》特集では、そのようなことを学ぶことができる講義を集めてみました。視野が一気に広く、深くなる講義群です。
■特集:日本人が知らない「ロシア」の論理
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=311&referer=push_mm_feat
◆上月豊久先生:ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる…実際に会ってみたプーチンの印象とは?
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6387&referer=push_mm_rcm1
◆山添博史先生:なぜウクライナに侵攻?弱小国を狙ってきたロシアの歴史
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5251&referer=push_mm_rcm2
◆山添博史先生:ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4427&referer=push_mm_rcm3
◆廣瀬陽子先生:「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5493&referer=push_mm_rcm4
■講座のみどころ:ロシア人の見る「ロシアの歴史」とは?(上月豊久先生)
今回は、上月豊久先生(元駐ロシア日本国特命全権大使)に、ロシアの歴史をわかりやすくご解説いただいた講義を紹介します。
「ロシア史」と聞いて、皆さんはどのようなことを思い浮かべるでしょうか――そう聞かれると、案外、ロシア史についての知識がないことに愕然とさせられる方も多いのではないでしょうか?
たとえば、ロシアの「起源」がヴァイキングであるという説をご存じでしょうか?
あるいは、ロシアが「第三のローマ」だという話はいかがでしょうか?
また、ロシアとウクライナの運命を大きく分ける「モンゴル帝国」と「北の十字軍」の影響とは?
さらに、ロシア史を彩る「代表的な皇帝(ツァーリ)」について、どのくらい事績をご存じでしょうか?
上月先生は、そのようなことを、明快にご解説くださいます。
上月先生は、1981年に外務省に入省され、ロシア語を学んだ後、1985年にソ連大使館で勤務されたことから始まって長らく「ロシア畑」で勤務されました。駐ロシア日本国特命全権大使も、2015年から2023年の約8年の長きにわたって務められました。
ですから、その期間の数々のロシアの指導者と面会し、プーチン大統領にも幾度も会っておられます。
昨今、プーチン大統領は、政治を進めるにあたり盛んに「ロシア人から見たロシア史」を持ち出します。ロシア史についての知識がなければ、真正面から対応することもできません。
外交官を務めつつ、ロシア史を学びつづけた上月先生が、その豊富な「ロシア人観」をふまえて教えてくださるのが、今回紹介する《ロシア人の見る「ロシアの歴史」》講義です。
大いに知的刺激を受けながら学ぶうちに、日本人が知らない「ロシアの論理」をうかがい知ることができるようになる、絶品講義です。
◆上月豊久先生:ロシア人の見る「ロシアの歴史」(全10話)
(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる…実際に会ってみたプーチンの印象とは?
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6387&referer=push_mm_rcm5
本講義は、全10話ですので、はじめにそれぞれの「講義タイトル」を列記して、全体像を示したいと思います。
◆第1話:ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる…実際に会ってみたプーチンの印象とは?
◆第2話:なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
◆第3話:ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
◆第4話:ロシアの英雄「アレクサンドル・ネフスキー」はなぜ英雄か…ドイツ騎士団と戦った歴史がどう利用されたか
◆第5話:「ロシア正教こそが世界の中心」という使命感…ロシア正教の大きな役割と「儀礼改革派」「古儀式派」
◆第6話:王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
◆第7話:プーチンの「信心深さ」は本物か?…そしてロシアとウクライナの宗教の大きな違いとは?
◆第8話:あまりに特徴的なロシアの皇帝たち…恐怖のイワン雷帝、近代化推進の特異な指導者ピョートル大帝
◆第9話:リベラル志向と強権政治、戦勝と敗戦の波にもまれた皇帝たち…エカテリーナ2世、ニコライ1世、アレクサンドル2世
◆第10話:「革命記念日」を「祖国統一の日」に…プーチンが歴史を語るときには裏がある。その隠された意図をどう読み解くか
まず第1話では、ロシア外交に長く携わった上月先生ならではの「会ってみたプーチン秘話」です。ロシア史とは少しだけ離れるところですが、しかし、ロシア史を政治に活用しているプーチン大統領がいかなる人物なのかを知っておくことは、まことに重要なことといえるでしょう。
第2話は、プーチン大統領がいかに歴史を使っているのかをベースにしつつ、ロシア史における「東ローマ」と「モンゴル帝国」の影響や、現在のロシアにおける「ソ連的なイメージ」の残存状況を探ります。ロシア史を知るポイントを総覧する導入部分といえましょう。
第3話と第4話は、ロシアの起源から、モンゴル帝国の影響までを見ていきます。ロシアの起源が「ヴァイキング」という説の解説も、ここで詳細にご紹介いただきます。さらにモンゴル帝国がその後のロシア史にいかなる影響を与えたのか。また、北の十字軍の影響で、やがてロシア正教とウクライナの宗教が分かれていく過程も描かれます。そこで紹介されるエイゼンシュタイン監督の映画『アレクサンドル・ネフスキー』のエピソードも、とても印象的です。
第5話は、ロシアがなぜ「ロシア正教」になったのか。そして「第三のローマ」という意識がいかに形成されたのかを追います。ロシアが「ロシア正教」を選んだ経緯は、まことに興味深いもの。妻を複数持てるということでイスラム教に興味を抱いたウラジーミル聖公が、「イスラム教はお酒は駄目」と聞いて断ったという話など、まことにロシア的といえばロシア的で……。
さらに「第三のローマ意識」やその後の「ロシア正教の展開」も日本人として知っておくべきことでしょう。たとえば、作家のドストエフスキーとロシア正教の「古儀式派」の関わりが語られることもありますが、その意味とは……。歴史においては、案外、そのような違いが重要だったりするのです。
第6話は、近代以降のロシア正教とロシアの関係です。ロシア正教に深く彩られたロシア帝国ですが、ピョートル大帝がヨーロッパ化・近代化を進めるなかで変容を遂げていきます。
さらに「宗教はアヘン」とするマルクス主義に基づいて共産主義のソビエト連邦が成立すると、ロシア正教は大いに弾圧されることになりますが、しかし第二次世界大戦中にはスターリンがロシア正教を利用するようにもなっていきます。また、そのようなソ連時代にプーチン大統領が「幼児洗礼」を受けていたとは、どういうことなのか……。このあたりも、歴史の流れを押さえるために知っておくべきことでしょう。
第7話は、そのようなプーチン大統領の宗教秘話、さらにロシアとウクライナの宗教的な違いに肉薄していきます。プーチン大統領が初めてブッシュ(息子)大統領に会ったときのエピソードは、いかにもプーチン大統領らしいもの。さらにロシアとウクライナの宗教の違いがいかに現代に影響を与えているかも必須の知識といえます。
第8話と第9話では、ロシアを代表する皇帝たち――イワン雷帝、ピョートル大帝、エカテリーナ2世、ニコライ1世、アレクサンドル2世の事績を見ていきます。名前は知っていても、どのようなことをやった皇帝なのかは、案外、知らないことが多いかもしれません。しかし、彼らが直面したものが何かがわからないと、ロシア的なるものは、おそらく理解することが難しいはずです。
そして最終話(第10話)は、プーチンがロシアの歴史をどう「活用」しているのかをあらためて紹介していきます。「プーチンが歴史を語るときには裏がある」。そう上月先生はおっしゃいます。はたして、その真意とは……。
ロシアの歴史の大きな流れを学ぶなかで、多くの気づきを得ることができる講義です。本来、ロシアを知らねば、日本の安全保障ひとつ語ることはできないはずです。その意味でも必修の講義といえましょう。ぜひ、ご覧ください。
(※アドレス再掲)
■特集:日本人が知らない「ロシア」の論理
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=311&referer=push_mm_feat
◆上月豊久先生:ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6387&referer=push_mm_rcm6
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