編集長が語る!講義の見どころ
新型コロナウイルスが14億の中国人に与えた心理的影響とは?(テンミニッツTVメルマガ)
2020/03/04
皆さまこんにちは。テンミニッツTV編集長の川上達史です。
新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るっています。果たして、今後どのようになっていくのか。そして、社会にいかなるインパクトを与えるのか。それを考えるうえでも、そもそも中国でウイルス禍が発生した折の問題点と、中国が直面する今後の課題を分析しておくことは重要でしょう。
本日は、曽根泰教先生(慶應義塾大学名誉教授)と小原雅博先生(東京大学大学院法学政治学研究科教授)にお話しいただきました講義を紹介いたします。これは先月2月15日に開催されたテンミニッツTV講演会でのご講義です。事態の緊急性を考え、まずは「新型コロナウイルス」についてご分析いただきました部分を先行して配信しています。
◆曽根泰教×小原雅博:激動の世界情勢を読む(3話)
(1)新型コロナウイルス問題:前編
新型コロナウイルスに関する中国政府の対応の問題点
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3216&referer=push_mm_rcm1
この講義は「3話」構成で、各話のテーマは、「(1)新型コロナウイルスに関する中国政府の対応の問題点」、「(2)中国の権威主義体制が利点を発揮するには前提条件がある」、「(3)新型コロナウイルスが14億の中国人に与えた心理的影響」となっております。
両先生からはとても印象的なお話が飛び出しました。
「顔認証とAIではウイルスの蔓延は防げない」(曽根先生)
「SARSや2009年の新型インフルエンザの時もそうだったが、水際作戦はそもそも難しい」(曽根先生)
「流動資金が尽きて、中小企業が潰れはじめている。中国では雇用の8割、GDPの6割を中小企業が占めているので、ダメージが大きいのではないか」(小原先生)
さらに、中国政府への「信頼」が大きく崩れたことが、今後、ボディーブローのように大きく響いてくるのではないかと、両先生は分析されます。
これまで投資が回っていたのは、中国国民や世界からの眼が、中国政府は成長を持続させるだろうという一定の「信頼感」をもって見ていたからであり、10年スパンで幾度もウイルスのパンデミックを起こすような社会に対しては、なかなか怖くて投資もできなくなるのではないか、というのです。
さらに、中国政府はこれまで「中国が先進諸国を上回る経済成長を実現させてきたこと」「中国が(2億台の監視カメラで)社会の安全を作り出してきたこと」などを強調することで、中国国民に自信を与え、政権への支持を取り付けてきたが、それが根本的に難しくなるのではないか、との見方も提起されます。
今般の問題の今後の影響を考えるうえで重要な視点を問題提起する講義です。ぜひご覧ください。
(※アドレス再掲)
◆曽根泰教×小原雅博:激動の世界情勢を読む(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3216&referer=push_mm_rcm2
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編集部からのお知らせ
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編集部の伊藤です。
今回は検索機能についてご案内いたします。
サイト上部の虫眼鏡マークの検索機能を利用されたことはありますか? この機能を使うと、任意のキーワードで講義を検索することができます。
これまで、この機能では並び替えや絞り込みは出来なかったのですが、ご要望の声を受けて、つい最近、機能追加で対応いたしました。
例えば、「中国」と検索するとたくさんの講義がヒットしますが、ここから収録日で「6か月以内」という形で絞り込むことで、新しい講義だけに絞ることができます。
並び替えでは、初期状態の「関連度が高い」以外に「よく見られている順」や「追加日が新しい順」に並び替えることができます。ぜひ、興味のあるキーワードで講義を検索してみてください。
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今週の人気講義
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人間の「癖」に着目した行動経済学の面白さ
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https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2068&referer=push_mm_rank
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https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3215&referer=push_mm_rank
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斎藤成也(慶国立遺伝学研究所集団遺伝研究室 教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2553&referer=push_mm_rank
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レッツトライ! 10秒クイズ
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「多数決だと安心して反対できるが、〇〇〇〇だとむしろ反対できない」
これは、山本七平さんの有名な著書『空気の研究』などに出てくる話です。
〇〇〇〇には何が入りますか?答えは下の講義をご覧ください!
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=489&referer=push_mm_quiz
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編集後記
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編集部の加藤です。
今月1日から配信開始となった童門冬二先生の「伊能忠敬に学ぶ『第二の人生』の生き方」シリーズ。その収録で伺った際に驚いたのは、童門先生の溌溂としたお姿。90歳を越えていらしゃるということで、失礼ながらお会いする前はそういったイメージはあまり持ち得ていなかったのですが、お会いした童門先生はとてもお元気で、とても楽しい雰囲気のなか収録を進めることができました。しかも初めて会う若輩者の私に対してもお気遣いの言葉をかけられて、大変有難く、感銘を受けました。
実はこの感銘、以前にも受けたことがあります。それは、東京大空襲・戦災資料センター名誉館長で作家の早乙女勝元先生にお会いした時です。収録当時、先生は86歳。およそ30分ほどお話いただいたのですが、凛としたその構えは今でも目に焼き付いています。
<童門冬二先生の講義はこちら>
https://10mtv.jp/pc/content/lecturer_detail.php?lecturer_id=241&referer=push_mm_edt
<早乙女勝元先生の講義はこちら>
https://10mtv.jp/pc/content/lecturer_detail.php?lecturer_id=168&referer=push_mm_edt
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