DATE/ 2016.04.25
第5回 騒々しい庭
しばらく来ていなかったキューちゃんが、ひょっこり現れました。
牧さんに聞くと3週間も帰って来ないときもあると言っていたので、キューちゃんの別宅は何軒かあるようです。
その別宅の1つが、うちから4軒先のIさんのお宅でした。何年かあとの話ですが、キューちゃんは牧さんのうちにまったく帰らなくなったときがあって、どうもIさんのところで飼われているらしいという話になりました。
その話を聞いてから、美子ちゃんと散歩するときIさんの家を見るようにしていたのですが、あるとき2階の窓を見たら、そこからキューちゃんが顔を覗かせていたことがありました。キューちゃんは、ちょっとお邪魔しているといった感じではなく、この家の住人ですよといった顔をしていました。
その後Iさん宅は建て替えのため家が壊され、キューちゃんは牧さんの家に戻りました。「犬は人につき、猫は家につく」と言われていますが、キューちゃんにはそれはまったく当てはまりません。
可愛がられればそこの家族になってしまうという、変わった性格のキューちゃんですが、うちに来たときはいつも警戒心があるようで、家の中に入って来ることもありましたが、長居はせずすぐ帰っていました。だから、うちは別宅ではなく、ちょっと寄ってみるだけのゴハン場所なんだなと僕らは思っていました。
ところが、久し振りに現れたキューちゃんは、様子が違っていました。ねず美ちゃんがいたからです。
キューちゃんは、ねず美ちゃんに対して敵意むき出しで、いままで見たことがないような恐い顔をしていました。うちも単なるゴハン場所ではなく、キューちゃんにとって、別宅の1つだったのかもしれません。その別宅に久し振りに行ってみたら、見たこともない、尻尾が丸まったキジトラの子猫がいたのです。
キューちゃんの嫉妬心は燃え上がり、いきなりガラス戸越しにねず美ちゃんに飛びかかりました。
ところが、体がキューちゃんの3分の1ぐらいのちっちゃい子猫のねず美ちゃんが、逃げるどころかキューちゃんに応戦したのです(お互いガラス越しですから怪我はありませんが)。逆毛を立て、相手を威嚇しているねず美ちゃんは、チビなのにすごい迫力です。
キューちゃんvs.ねず美ちゃん
ねず美ちゃんは砧公園の出身だと聞いていたのですが、ペットショップUSAのマダムに詳しく聞いてみると、砧公園のそばにある木曽路というしゃぶしゃぶ屋さんの前の植え込みの中にいたそうで、犬の散歩していたUSAのお客さんの犬が、植え込みに鼻を突っ込んで見つけたそうです。
そんなところに子猫を捨てる人はいないと思うので、おそらくノラの子どもです。親が2匹の子どもを植え込みに隠していたのではないかと思われます。自分の体の何倍もある相手に飛びかかっていくのはまさにノラ魂です。
黒ホッカくんには懐いているねず美ちゃん
顔デカくんもまた来るようになりました。そして、顔デカくんが留守をしているうちに来だした黒ホッカくんと、庭で鉢合わせするようになりました。
美子ちゃんが見ていたら、庭で2匹は唸りながら顔を付き合わせて対決していたそうです。しばらく唸り合いをしたあと、取っ組み合いにはならないで、黒ホッカくんが引き下がったそうです。若造の顔デカくんに負けると思ったのでしょうか。それとも黒ホッカくんは温厚な性格なので、争いごとが嫌だったからでしょうか。
顔デカvs.黒ホッカ
自分の縄張りを取り戻そうとするキューちゃん、新しく来た生娘のねず美ちゃんに取り入ろうとする2匹のオス猫。それぞれの思惑が入り乱れ、わが家の庭はにわかに騒々しくなりました。
牧さんに聞くと3週間も帰って来ないときもあると言っていたので、キューちゃんの別宅は何軒かあるようです。
その別宅の1つが、うちから4軒先のIさんのお宅でした。何年かあとの話ですが、キューちゃんは牧さんのうちにまったく帰らなくなったときがあって、どうもIさんのところで飼われているらしいという話になりました。
その話を聞いてから、美子ちゃんと散歩するときIさんの家を見るようにしていたのですが、あるとき2階の窓を見たら、そこからキューちゃんが顔を覗かせていたことがありました。キューちゃんは、ちょっとお邪魔しているといった感じではなく、この家の住人ですよといった顔をしていました。
その後Iさん宅は建て替えのため家が壊され、キューちゃんは牧さんの家に戻りました。「犬は人につき、猫は家につく」と言われていますが、キューちゃんにはそれはまったく当てはまりません。
可愛がられればそこの家族になってしまうという、変わった性格のキューちゃんですが、うちに来たときはいつも警戒心があるようで、家の中に入って来ることもありましたが、長居はせずすぐ帰っていました。だから、うちは別宅ではなく、ちょっと寄ってみるだけのゴハン場所なんだなと僕らは思っていました。
ところが、久し振りに現れたキューちゃんは、様子が違っていました。ねず美ちゃんがいたからです。
キューちゃんは、ねず美ちゃんに対して敵意むき出しで、いままで見たことがないような恐い顔をしていました。うちも単なるゴハン場所ではなく、キューちゃんにとって、別宅の1つだったのかもしれません。その別宅に久し振りに行ってみたら、見たこともない、尻尾が丸まったキジトラの子猫がいたのです。
キューちゃんの嫉妬心は燃え上がり、いきなりガラス戸越しにねず美ちゃんに飛びかかりました。
ところが、体がキューちゃんの3分の1ぐらいのちっちゃい子猫のねず美ちゃんが、逃げるどころかキューちゃんに応戦したのです(お互いガラス越しですから怪我はありませんが)。逆毛を立て、相手を威嚇しているねず美ちゃんは、チビなのにすごい迫力です。
ねず美ちゃんは砧公園の出身だと聞いていたのですが、ペットショップUSAのマダムに詳しく聞いてみると、砧公園のそばにある木曽路というしゃぶしゃぶ屋さんの前の植え込みの中にいたそうで、犬の散歩していたUSAのお客さんの犬が、植え込みに鼻を突っ込んで見つけたそうです。
そんなところに子猫を捨てる人はいないと思うので、おそらくノラの子どもです。親が2匹の子どもを植え込みに隠していたのではないかと思われます。自分の体の何倍もある相手に飛びかかっていくのはまさにノラ魂です。
顔デカくんもまた来るようになりました。そして、顔デカくんが留守をしているうちに来だした黒ホッカくんと、庭で鉢合わせするようになりました。
美子ちゃんが見ていたら、庭で2匹は唸りながら顔を付き合わせて対決していたそうです。しばらく唸り合いをしたあと、取っ組み合いにはならないで、黒ホッカくんが引き下がったそうです。若造の顔デカくんに負けると思ったのでしょうか。それとも黒ホッカくんは温厚な性格なので、争いごとが嫌だったからでしょうか。
自分の縄張りを取り戻そうとするキューちゃん、新しく来た生娘のねず美ちゃんに取り入ろうとする2匹のオス猫。それぞれの思惑が入り乱れ、わが家の庭はにわかに騒々しくなりました。