DATE/ 2016.05.30
第10回 猫の癒し
家に帰ってきて、ねず美ちゃんを膝に置いて撫でていると、ゴロゴロいっています。機嫌がいいからゴロゴロいっているのか、撫でられると反射的にゴロゴロいうのかわかりませんが、ねず美ちゃんの機嫌がいいと思うと、ぼくも機嫌がよくなってきます。猫のゴロゴロは、人間のイライラを取り除いたり、怒りの感情を静める効果があるように思います。
猫のゴロゴロは、低周波が出ていて人の緊張を和らげる効果があると、科学的に言う人もいます。ストレスを取ってくれるだけでなく、免疫力を高めてくれるので、副作用のない薬とも言われているそうです。このゴロセラ(ゴロゴロセラピーの略)も、人間に飼われてきた長い歴史の中で培われたものなのかもしれません。
猫は人間のイライラを取り除く。
ゴロゴロだけでなく、ねず美ちゃんが走り回っているのを見るだけでも癒されることがあります。
美子ちゃんと言い争いになって気まずい状況になっていたとき、走り回っていたねず美ちゃんが、障子に飛びついたことがありました。障子をバリバリ破いて、桟に引っかかってもがいているねず美ちゃんを見て、美子ちゃんは「バカ…」と言って笑い、気まずい雰囲気も解消しました。猫は夫婦喧嘩防止にも役に立っているのです。
桟に引っかかってもがくねず美ちゃん。
しかし、障子をバリバリ破ってしまうのは困りもので、美子ちゃんが一度バシッと頭を叩いたら、手のひらに爪を立てられたそうです。猫は人間に爪を立てるときも、その手加減は心得ているようで、大して深い傷にはならなかったのですが、そのときは「これからずっとねず美ちゃんとこういう闘いを繰り返すのか…」と美子ちゃんは思ったそうです。
本当はねず美ちゃんの爪を切ればいいのかもしれません。爪を切って飼うのが常識だと思っている家も多いようですし、獣医さんからもペットショップの人からも、爪は切ったほうがいいと言われていました。
予防接種のため、ねず美ちゃんを獣医さんに連れて行ったとき、一度だけ爪を切ってもらったことがありました。そしたら、翌日ねず美ちゃんがうずくまってしょぼんとしているのです。
爪は猫にとって唯一の武器です。その爪を取り上げられることは、猫の誇りに関わることにもなるのかもしれません。また、高いところに登ったり、細いところを伝え歩きするときの安全のためにも、爪は必要です。ましてや、ねず美ちゃんはノラの血を引く野性味の強い子なので、自分の身は自分で守りたいはずです。
美子ちゃんがお父さんに、爪を切ったらねず美ちゃんが元気がないと電話で言うと、お父さんは「もっと甘やかしてあげなさい」と言っていたそうです。そういうこともあって、ねず美ちゃんの爪を切ったのは一度だけで、ねず美ちゃんが美子ちゃんを引っ掻いたのも一度だけでした。
ねず美ちゃんを抱く美子ちゃん。
夫婦喧嘩のことでもうひとつ。美子ちゃんと喧嘩してぼくが会社に行ったあと、泣いている美子ちゃんに、ねず美ちゃんは心配そうにずっと寄り添っていたそうです。美子ちゃんからそのことを聞いたとき、自分はなんで美子ちゃんを慰めることができないのだろうと、ねず美ちゃんに嫉妬しました。
猫から学ぶことはたくさんあります。
猫のゴロゴロは、低周波が出ていて人の緊張を和らげる効果があると、科学的に言う人もいます。ストレスを取ってくれるだけでなく、免疫力を高めてくれるので、副作用のない薬とも言われているそうです。このゴロセラ(ゴロゴロセラピーの略)も、人間に飼われてきた長い歴史の中で培われたものなのかもしれません。
ゴロゴロだけでなく、ねず美ちゃんが走り回っているのを見るだけでも癒されることがあります。
美子ちゃんと言い争いになって気まずい状況になっていたとき、走り回っていたねず美ちゃんが、障子に飛びついたことがありました。障子をバリバリ破いて、桟に引っかかってもがいているねず美ちゃんを見て、美子ちゃんは「バカ…」と言って笑い、気まずい雰囲気も解消しました。猫は夫婦喧嘩防止にも役に立っているのです。
しかし、障子をバリバリ破ってしまうのは困りもので、美子ちゃんが一度バシッと頭を叩いたら、手のひらに爪を立てられたそうです。猫は人間に爪を立てるときも、その手加減は心得ているようで、大して深い傷にはならなかったのですが、そのときは「これからずっとねず美ちゃんとこういう闘いを繰り返すのか…」と美子ちゃんは思ったそうです。
本当はねず美ちゃんの爪を切ればいいのかもしれません。爪を切って飼うのが常識だと思っている家も多いようですし、獣医さんからもペットショップの人からも、爪は切ったほうがいいと言われていました。
予防接種のため、ねず美ちゃんを獣医さんに連れて行ったとき、一度だけ爪を切ってもらったことがありました。そしたら、翌日ねず美ちゃんがうずくまってしょぼんとしているのです。
爪は猫にとって唯一の武器です。その爪を取り上げられることは、猫の誇りに関わることにもなるのかもしれません。また、高いところに登ったり、細いところを伝え歩きするときの安全のためにも、爪は必要です。ましてや、ねず美ちゃんはノラの血を引く野性味の強い子なので、自分の身は自分で守りたいはずです。
美子ちゃんがお父さんに、爪を切ったらねず美ちゃんが元気がないと電話で言うと、お父さんは「もっと甘やかしてあげなさい」と言っていたそうです。そういうこともあって、ねず美ちゃんの爪を切ったのは一度だけで、ねず美ちゃんが美子ちゃんを引っ掻いたのも一度だけでした。
夫婦喧嘩のことでもうひとつ。美子ちゃんと喧嘩してぼくが会社に行ったあと、泣いている美子ちゃんに、ねず美ちゃんは心配そうにずっと寄り添っていたそうです。美子ちゃんからそのことを聞いたとき、自分はなんで美子ちゃんを慰めることができないのだろうと、ねず美ちゃんに嫉妬しました。
猫から学ぶことはたくさんあります。