編集長が語る!講義の見どころ
「戦国三英傑」特集&「豊臣政権」の大成功と大失敗に学ぶ【テンミニッツTV】

2021/05/14

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
誰もが知っている戦国三英傑(信長、秀吉、家康)。しかし近年、これまであまり知られていなかった一面にも光が当てられています。彼らの実像を知れば、人間的な学びも深まり、歴史はもっと楽しくなる! 有名人物だからこそ、探究すればするほどイメージが覆されたり、新発見に出会ったり、生きるための教訓が見えてきたり、ますます興味は深まります。

本日は、「三英傑ちょっと深掘り」特集と、そのなかから小和田哲男先生の新シリーズ講義《豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係》を紹介いたしましょう。

◎本日開始の特集:「三英傑(信長、秀吉、家康)ちょっと深掘り」

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=114&referer=push_mm_feat

今回の特集は、上記の趣旨に基づきまして、下記のラインナップを組んでいます。必ずや意外な発見ができるはず! ぜひご覧くださいませ。

小和田哲男:織田信長が高く評価した秀吉の二つの才覚
山内昌之:徳川家康が現代日本の原型を形作る上で果たした二つの役割
柴裕之:近年の研究で変わってきた織田信長の実像
中村彰彦:織田信長を支えた母衣衆に見る戦国のダンディズム
小和田哲男:兵農分離で強くなった織田軍団の資金源とは
藤田達生:新史料の発見で見直される「本能寺の変」

◎講義の見所:豊臣秀吉、豊臣秀長、石田三成…人間関係の妙味と難しさ

◆小和田哲男:豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(全5話)
(1)話し上手な天下人
織田信長が高く評価した秀吉の二つの才覚
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3956&referer=push_mm_rcm1

リーダーと補佐役の関係、さらに組織の統合と内紛……。現代の日本でも、多くの成功と失敗が、まさにこの点の成否に左右されているようにも思われます。では、望ましいかたちを作りあげるためには、どのようにするのが良いのか。それを学ぶのに最適なのは、歴史に教訓を求めることでしょう。

この講義では、小和田哲男先生(静岡大学名誉教授)が、豊臣秀吉家臣団を事例としながら、この問題を読み解いてくださいます。秀吉といえば、名補佐役の弟・秀長の存在が有名です。その秀長の死後に、補佐役的な立場に立ったのが石田三成でした。

彼らがいたからこそ、秀吉は農民から天下人へと、一気に駆けのぼれたわけですが、それが、わずか2代で滅びてしまったのは、なぜなのか。同時代の徳川家、北条家などとの比較から見えてくるものとは何か。そのようなことを、小和田先生はとてもわかりやすくご解説くださいます。

小和田先生はまず、秀吉の成功の要因からお話しくださいます。「槍働き」よりも「話し上手」「人たらし」「アイデア勝負」で出世していった秀吉。自分自身でちょこまかと動くプレイングマネージャーで、走りながら考えるタイプだったといいます。しかも、織田信長という実力主義の主君に仕えていましたから、いかに信長から目に留まるようにするか、自分の働きで目いっぱい。上を見て仕事をしていたといっても過言ではないでしょう。

そのような人物は、得てして足元への目配りが足りなくなるものです。しかし、当時の武士の家臣団では、しっかりと部下たちの活躍に目配りをして、論功行賞を的確に行うことが必要不可欠でした。江戸時代の儒教的な主従関係とは異なる社会でしたから、論功行賞を間違えようものなら、家臣たちの心は、あっという間に離れていってしまいます。

そのような目配りを、しっかりと行っていたのが、秀吉の弟・秀長でした。秀長の出生については、さまざまな説が出されていたといいますが、小和田先生は、「秀長は、秀吉の3歳下の実弟だ」とおっしゃいます。秀吉からしても、子供のときから、分け隔てなく一緒に遊ぶくらいの関係性だったからこそ、心から信頼して任せることができたのです。しかも、秀吉とは違って、じっくり考えてから動くようなタイプでした。違う人間性の組み合わせとして、非常にうまくいったのです。

秀長は、組織運営面での的確な補佐に留まらず、秀吉の「分身」として軍事面でも活躍していきます。どのような活躍かは、ぜひ講義をご覧ください。

ところが秀長は、ちょうど秀吉が全国統一を成し遂げるタイミングで死んでしまいます。それによってベストバランスが崩れます。ブレーキ役兼ナビゲーター役がいなくなってしまったので、豊臣政権の暴走が始まってしまうのです。

その後、補佐役的な立場に就いたのが石田三成です。しかし、秀長死後の豊臣政権では、千利休の切腹や、関白を譲った豊臣秀次の粛清など、内紛が続いていきます。さらに朝鮮出兵では、朝鮮に派遣された武功派の武将たちと、日本に残った石田三成とで決定的な対立関係に陥ってしまいます。

なぜ豊臣政権で次々と内紛が起きてしまったのか。豊臣秀長にできて、石田三成にできなかったこととは何なのか。天下を早々に失った豊臣政権と、260年の平和を築いた徳川政権の大きな違いとは何だったのか。そして「内紛阻止」ということでいえば、実に見事に処したのが関東の北条家でしたが、どのあたりに知恵があったのか……。それらについては、ぜひ講義本編をご覧ください。

「秀長があと10年生きていたら」。その小和田先生の言葉が、心に迫ります。補佐役の重要性、リーダーとして必須の役割、組織運営の妙味など、とても多くのことを学べる講義です。

(※アドレス再掲)
◆特集:「三英傑(信長、秀吉、家康)ちょっと深掘り」
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=114&referer=push_mm_feat

◆小和田哲男:豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3956&referer=push_mm_rcm2


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レッツビギン! 穴埋め問題
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今回は、「実行機能」と呼ばれる<自分をコントロールする力>についての講義からの問題です。ではレッツビギン。

ごっこ遊び、モンテッソーリ教育、(     )など、子どもの実行機能の発達に良いと考えられています。

さて、(     )には何が入るでしょう。答えは以下にてご確認ください(※なお、答えは一つとは限りません)。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3950&referer=push_mm_quiz


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編集後記
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編集部の加藤です。今回のメルマガ、いかがでしたか。

さて、今回は独り言になりますが、最近、先月から今月にかけて配信開始となったシリーズ講義を観ていて、改めて感じたことをお話しいたします。

例えば、先週この場でご紹介した沖野郷子先生(東京大学大気海洋研究所教授)の講義、また津崎良典先生と五十嵐沙千子(ともに筑波大学人文社会系准教授)の対談講義、あるいは川上浩司先生(京都先端科学大学教授)の講義など、動画を観ると講義の内容はもちろん図やスライドをふんだんに使って丁寧に、そして分かりやすく解説されています。
これらはテンミニッツTVのスタッフとして収録・編集したものですが、その過程で恐縮ながら(当たり前ですが)皆さまよりもいち早く視聴(確認)できる、つまり学ぶことができるのはなんと贅沢なことかと感じているのです。
そして、これもあくまで個人的感想ですが、いずれの講義も、観れば観るほど続きが気になる。次の配信が待ち遠しくなる。そこには眠っていた好奇心のようなものがふつふつと湧いてくる、そんな感覚がある。
こういった感覚はもちろん他の講義でもあるのですが、最近テレワークが多くなるなか、そんなワクワクする講義が視聴できることの有難さをつくづく実感している今日この頃です。

ということで、今後もワクワク講義をどんどん増やしていきます。ご期待ください。

◆沖野郷子:海底の仕組みと地球のメカニズム(全8話)※5/14現在、2話目まで配信中
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4008&referer=push_mm_edt

◆津崎良典&五十嵐沙千子:「教養とは何か」を考えてみよう(全15話)※5/14現在、3話目まで配信中
(1)「あの人って教養あるよね」とは
「哲学カフェ」再現講義第二弾「教養とは何か」語り尽くす
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3986&referer=push_mm_edt

◆川上浩司:不便益システムデザインの魅力と可能性(全7話)※5/14現在、4話目まで配信中
(1)「便利・不便」「益・害」の関係
「不便益」とは何か――便利の弊害、不便の安心
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3968&referer=push_mm_edt