編集長が語る!講義の見どころ
アンケートのお願い&深掘りシェイクスピア~生涯と名作!/河合祥一郎先生【テンミニッツTV】

2023/08/01

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■深掘りシェイクスピア~謎の生涯と名作秘話/河合祥一郎先生

さて、本日は河合祥一郎先生(東京大学大学院総合文化研究科教授)の「深掘りシェイクスピア」講義を紹介いたします。

河合先生は、第23回サントリー学芸賞受賞の『ハムレットは太っていた!』(白水社)をはじめ、シェイクスピアにまつわる書籍を数多く発刊されています。また、日本シェイクスピア協会会長(2019年~2020年)もお務めでした。

さらに、これまで野村萬斎さん演出・出演の舞台をはじめ、数々のシェイクスピア演劇で「翻訳」を担当されています。そして何より、河合先生ご自身が演劇プロジェクト(Kawai Project)を立ち上げて新訳・演出を担当し、原文の真の面白さを伝える公演を行なっておられます。

そのように幅広くご活躍されている河合先生だからこそ、シェイクスピアの魅力が生き生きと伝わります。そのお話しぶりだけでも、思わず引き込まれてしまう、珠玉の講義です。

◆河合祥一郎:深掘りシェイクスピア~謎の生涯と名作秘話(全6話)
(1)シェイクスピアの謎
シェイクスピアの謎…なぜ田舎者の青年が世界的劇作家に?
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4990&referer=push_mm_rcm1

さて、皆さまご存じのように、シェイクスピアの生涯は謎に満ちています。

1564年に生まれ、1616年に没したシェイクスピア(語呂合わせは「ヒトゴロシの芝居をイロイロ書いた」)。しかし、生まれたのはイングランドの田舎町ストラットフォード・アポン・エイヴォンでした。

20歳(1584年)の頃に「ロンドンで一旗揚げる」といってこの町を出て行ってから、歴史上の記録が途絶えます。その後、シェイクスピアが記録に現われるのは、1593年にウィリアム・シェイクスピア作の詩集がロンドンで出版されたこと。その翌年には、宮内大臣一座の劇団幹部として公式の記録に名前が載ります。

シェイクスピアは、田舎町で初等教育を受けただけで、大学にも行っていません。しかも、ストラットフォード・アポン・エイヴォンのシェイクスピアの家には本が一冊も残っていませんでした。

そのような青年が、なぜあれほどの名作を次々と書き上げることができたのか。

かくして、「シェイクスピア別人説」が次々と唱えられることになりました。河合先生は、そのうち有力説をご紹介くださいます。はたして、真実は……。

第2話からは「作品分析」になります。

第2話で取り上げるのは『ハムレット』です。『ハムレット』という名作の名前は、皆さんご存知のことでしょう。幾度も映画化されています。「憂鬱な悩める貴公子」の物語というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、実はそのようなイメージには大きな誤解があると河合先生はおっしゃいます。

考えなくてはいけないのは、シェイクスピアが活躍した時代が、中世と近代の狭間のルネサンスであることです。河合先生は、中世は、神と共に存在する「感性と情熱」の時代、近代は近代的主体による「理性と理知」が重んじられる時代だとおっしゃいます。つまり、ハムレットは、情熱と理性の狭間で揺れる人物だというのです。

そのように考えると、物語のモティーフも大いに変わって見えてくるのですが、そこはぜひ講義本編をご覧ください。物語のあらすじとともにご紹介いただきますので、非常によくわかります。

第3話では『リア王』と『マクベス』を取りあげます。

絶対君主制の権力を手放して、1人の老いた人間となった「リア王」が直面したものとは。また、そそのかされて主君を殺害した「マクベス」が落ち込んだ境地とは。

河合先生は、シェイクスピアの作劇手法も紹介くださりつつ、「シェイクスピア悲劇の本質」に迫っていきます。

第4話で描かれるのは、シェイクスピア「喜劇」の本質です。シェイクスピアは喜劇では「人間の愚かさ」を嘆くのではなく、むしろ寿いだ(ことほいだ)というのですが……。愚かさの象徴として「恋愛模様」を数多く取り上げたというのも、非常によくわかる話です。

第5話は、「シェイクスピア・マジック」。シェイクスピアは近代演劇の手法に則っていたわけではありません。だからこそ、劇中で自由に時空を超えることができ、理屈を超えて感動を呼ぶといいます。

この点についても、具体例をいくつも挙げながらご紹介くださるので、シェイクスピア劇の真髄をわかりやすく理解することができます。

第6話は、シェイクスピア作品がどのように解釈され、現在にもどのような影響力を及ぼしているかについて、話が展開していきます。

河合先生は、実際にシェイクスピアの英語台本を朗読しながら解説されるなど、劇の「体感的な魅力」も含めてご紹介くださいます。劇作家であるシェイクスピアを理解するために、動画講義がいかに効果的をしみじみ実感できます。

必須の教養として知っておきたい「シェイクスピアの世界」を、明快に理解できる講義です。ぜひご覧ください。


(※アドレス再掲)
◆河合祥一郎:深掘りシェイクスピア~謎の生涯と名作秘話(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4990&referer=push_mm_rcm2


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編集部#tanka
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