編集長が語る!講義の見どころ
動画だから楽しい名講義/特集&野本由紀夫先生【テンミニッツTV】

2024/02/16

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。

2月の「特集」では、【テンミニッツTV10周年企画】として、さまざまな角度からおススメ講義を紹介しています。

今回、ご紹介するのは、「動画だから楽しい名講義」です。

テンミニッツTVは、動画講義。先生の話し方、抑揚、強調ポイントなどから、テキスト内容以外のものも伝わってくるのも、大きな楽しみです。

そればかりではありません。動画講義ならではの楽しみある講義も数多くあります。

たとえば、実際に演奏してくれるので、音楽の真髄がわかる。絵を見ながら解説してくれるので、絵画の奥の奥まで見える。実験の映像やわかりやすい概念図で教えてくれるので、科学や世界の「なぜ」を理解できる……。

「動画ならではの楽しみ」という視点で、厳選10講義をピックアップしました。ぜひ、お楽しみください!


■特集:【10周年記念】動画だから楽しい名講義

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=227&referer=push_mm_feat

・野本由紀夫:ピアノの歴史は江戸時代に始まった

・江崎昌子:ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生

・池上英洋:ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

・河合祥一郎:シェイクスピアの謎…なぜ田舎者の青年が世界的劇作家に?

・堀口茉純:徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは

・武田俊太郎:「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか

・沖野郷子:地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か

・岡村定矩:宇宙に関するニュースを理解するために宇宙の姿を学ぶ

・田島木綿子:「海の哺乳類」が海の中で行った「生き残り作戦」とは

・鈴木真二:小型無人航空機「ドローン」とは何か?


■講義のみどころ:ピアノで弾いてくれるから「わかる」西洋音楽史(野本由紀夫先生)

今回、特集からピックアップするのは、野本由紀夫先生(玉川大学芸術学部芸術教育学科教授)が、実際にピアノを弾きながら、クラシック音楽のうち、1700年代に活躍したヴィヴァルディから1900年代初頭に活躍したマーラーまでの歴史を解説してくれる講義です。

この講義は、野本先生が奏でてくださる音楽を聴きながら音楽の形式論や意味などを学べる、まさに動画のメリットを最大限に活かしたものです。

音楽に「聴き方」はあるのでしょうか? 

もちろん楽しめればいいということもありましょうが、ことクラシック音楽などになりますと、欧米の方々とのテーブルトークなどで、相手の教養を測る話題の1つとなることもあります。

この講義を視聴すると、クラシック音楽の構造や楽しみ方、また意味などをわかりやすく理解することができます。学校の音楽の授業が、こんな形だったら、もしかしたらもっと音楽を好きになれたかもしれないと思わせてくれます。

◆野本由紀夫:ピアノでたどる西洋音楽史(全11話)
(1)ヴィヴァルディとバッハ
ピアノの歴史は江戸時代に始まった
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3022&referer=push_mm_rcm1

まずクラシック音楽は、日本でいうと、どのくらいの時代につくられた音楽でしょうか?

これも案外、実感としてわかっていないところです。一例として、音楽の父ともいわれるバッハは、日本でいうと江戸幕府8代将軍の徳川吉宗とほぼ生没年が同じなのです。

またクラシック音楽は、その形式や意味を知ると、鑑賞法の深みがグッと増します。

たとえば、野本先生はベートーヴェンの交響曲第5番(「運命」という名称で知られています)と交響曲第6番(こちらは「田園」という名称で知られています)の2つから、大きく音楽の性格が枝分かれしていった(「絶対音楽」と「標題音楽」)ことを教えてくださいます。

交響曲第5番「運命」の凄さについて、野本先生は「大根1本あれば、フレンチのフルコースがつくれます」といっているようなもの、と表現されます。果たして、それはどういう意味なのかは、ぜひ講義本編(第6話)で実体験ください。。

一方、交響曲第6番「田園」のほうは、田園に到着したときの心の動きから始まり、さまざまな風景描写とともに心の動きを「音にしていく」曲です。この「標題音楽」の流れを受け継いだベルリオーズやワーグナーが、「このメロディーは、これ(人物や出来事)を意味することにする」手法を編み出していきます。

野本先生は、「『スターウォーズ』の場合、あの曲(帝国のマーチ)が鳴るとダースベイダーだとわかりますね」と説明くださいますが、この手法でオペラや映画音楽も構成されていくようになるのです。

さらに講義は、「交響詩」(「音楽+詩」で伝わる劇的なメッセージ)、そして20世紀に入る
ドビュッシーとマーラー(音楽の多様化と爛熟)にまで進んでいきます。

とにかく、インタビュアーの質問に応えて、すぐに次々とピアノで音楽を表現し教えてくださる野本先生の講義は圧倒的です(実をいうと、その場での即興的な質問にも、的確に応えてくださっています)。引き込まれ、耳を傾けていくうちに、クラシック音楽の秘密がわかってきます。

この講義を視聴するだけで、クラシック音楽の最低限の教養と聴き方を身につけられる、まことに楽しく有用な講義です。

クラシック音楽がお好きな方も、「教養として最低限知っておきたい」という方も、いずれもお楽しみいただけます。ぜひご覧ください。


(※アドレス再掲)
◆【10周年記念】動画だから楽しい名講義
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=227&referer=push_mm_feat

◆野本由紀夫:ピアノでたどる西洋音楽史(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3022&referer=push_mm_rcm2


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編集部#tanka
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https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=1692&referer=push_mm_tanka