編集長が語る!講義の見どころ
「発想力」の技法を学ぶ/三谷宏治氏【テンミニッツTV】

2024/03/05

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。

「もう少し、発想力が豊かだったらなあ」。ふと、そんなふうに思うことはないでしょうか。「発想力」があれば、いろいろな場面で道はひらけるのではないか、という気もします。

しかし、「発想力が豊か」とは、どういうことなのでしょうか? センスがないと、どうにもならないものなのでしょうか?

三谷宏治さん(KIT〈金沢工業大学〉虎ノ門大学院教授)が、ズバリと本質をついてくださいます。誰もが勇気を持てる興味深い視点ですので、ぜひご覧ください。

◆三谷宏治:「発想力」の技法を学ぶ(全2話)
(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5244&referer=push_mm_rcm1

講義の冒頭で三谷さんは、いくつかの問題をご提示くださいます。

最初の問題は、図形を見ないとわからない設問なので、それは講義本編をご覧いただくこととして、ここでは2つ目の問題(なぞなぞ)を紹介しましょう。

《旧正月に中国人の一家が来日。では一家は何人?》

さて、いかがでしょうか?
答えは講義本編で。

このような問題で、考え方の様々な囚われについて実感させたうえで、三谷さんは、いくつかの考え方を提起くださいます。

《発想において最も大切なことは「座って悩まずに、動いて考えられるか」》

《探究というものは、「なぜ」を繰り返すことです。でも同時に、まずは“What”です。まずは何が起きたかです》

この部分は、講義で問いかけられる問題とセットで理解すると、とても腑に落ちるところです。

さらに、三谷さんは、ブレインストーミング的な手法も違うとおっしゃいます。

ここでいうブレインストーミングは、「発散だ」ということでアイデアを書いた付箋紙をペタペタ貼り、次に「収束だ」ということでそれを最大公約数的にグルーピングしていくような取り組みのことです。

そうではなくて、「発見によって広げたら、1つを選択すること」だといいます。いちばん面白そうなものを選び、それを探求してみる。何も見つからなかったら、次に面白そうなものを選んで、また探求していく。

でも、アイデアを捨てるのが怖い……という指摘については、三谷さんは本質をこう喝破されます。

《せっかくアイデアを出してくれた人に、「せっかく作ってきたのに、いきなり捨てちゃうの」といわれるのが怖いのです》

そのような恐怖が選択を阻害してしまうのだと。思い当たる部分が多いご指摘です。

第2話では、セブンカフェや、無印良品が開発した長押型の収納家具などを事例としながら、さらに「発想」に大切なことを教えてくださいます。

たとえば、長押型の収納家具は大ヒット商品になりましたが、これはどのように「発見」されて開発されたのでしょうか。

また、セブンカフェは2013年に成功して最近でも大人気ですが、実は1980年代からの失敗の積み重ねのうえでのことでした。その失敗の過程とは。

このような実はをご紹介くださりつつ、三谷さんは次のメッセージを強調されるのです。

《とにかくアイデアをどんどん出し、それを「試行錯誤」してみること》

このように話を聞いていくと、三谷さんのおっしゃる「発想力は天性のものではなく鍛えられるスキル」言葉が、しっくりと胸に響くようになります。

どのような立場でも、いくつになっても「発想力」は重要です。自分の「発想力」を鍛えつづけるために、必見の講義です。


(※アドレス再掲)
◆三谷宏治:「発想力」の技法を学ぶ(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5244&referer=push_mm_rcm2


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編集部#tanka
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https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=1674&referer=push_mm_tanka


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編集後記
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今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。

さて、すでに応募が開始となっている今月のプレゼント本ですが、改めて紹介いたします。

<今月のプレゼント本>
〈プラトンが語る正義と国家 不朽の名著・『ポリテイア(国家)』読解(テンミニッツTV講義録 2)〉(納富信留著、ビジネス社)

政治劣化、宗教紛争、多様化しすぎた価値観…混迷の時代に読むべき「史上最大の問題作」をわかりやすく解説。自分が変わる驚愕の書。ハーバード、MITなど全米トップ10大学の「必読書第1位」『ポリテイア(国家)』を納富信留先生(東京大学大学院人文社会系研究科教授)が白熱講義。

応募締切は3月20日(水)。ご希望の方はいますぐ、以下からどうぞ。

<応募方法>
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※トップページ内に表示されている「今月のプレゼント」からご確認ください(応募前の方のみ表示されます)。