編集長が語る!講義の見どころ
江戸を愉しむ~「新宿篇」「上水と十二社篇」/特集&堀口茉純先生【テンミニッツTV】

2024/05/17

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。

江戸時代のあり方や暮らしを知れば知るほど、心が豊かになってくる感じを覚えます。きっと日本人が時間をかけて育んできた社会のあり方や文化のかたちには、いまなお日本人の身体のリズムや呼吸に響くものがあるのでしょう。

以前もこの「江戸を愉しむ」特集を展開させていただいておりましたが、新作講義として、大人気の堀口茉純先生の《『江戸名所図会』で歩く東京》の新作「内藤新宿」篇と、「上水と十二社」篇が配信されましたので、新たにラインナップを組み直しました。

愉しみがいっぱいの江戸講義の数々、いつもの毎日が、少し違う景色として見えてくるかもしれません。ぜひご覧いただければ幸いです。

■本日開始の特集:江戸を愉しむ

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=211&referer=push_mm_feat

・堀口茉純:新宿の歴史…かつては馬糞臭い宿場町だった「内藤新宿」

・堀口茉純:玉川上水の歴史…約8カ月で完成?玉川兄弟の功績とは

・堀口茉純:徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは

・堀口茉純:江戸の絶景スポット、駿河町に隠された徳川家康の思惑

・本村凌二×中村彰彦:なぜ「父祖の遺風」がローマと江戸に共通する価値観なのか

・本村凌二:江戸時代の粋が生んだ「川柳」を詠んで俳諧の歴史を楽しむ

・本村凌二:樽廻船とアンフォラの山、酒文化を謳歌した江戸とローマ


■講座のみどころ:『江戸名所図会』で歩く東京~内藤新宿篇、上水と十二社篇(堀口茉純先生)

本日は、堀口茉純先生の《『江戸名所図会』で歩く東京》から「内藤新宿」篇と「上水と十二社」篇を紹介いたします。

新宿といえば、知らぬ人はいないであろう大繁華街。しかし、その歴史をさかのぼっていくと、まことに興味深いものが見えてきます。

◆堀口茉純:『江戸名所図会』で歩く東京~内藤新宿(全2話)
(1)内藤新宿の誕生と役割
新宿の歴史…かつては馬糞臭い宿場町だった「内藤新宿」
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5338&referer=push_mm_rcm1

◆堀口茉純:『江戸名所図会』で歩く東京~上水と十二社(全2話)
(1)「水の都」江戸の上水道
玉川上水の歴史…約8カ月で完成?玉川兄弟の功績とは
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5340&referer=push_mm_rcm2

さて、江戸時代に新宿は、江戸市中だったのか否か。

答えは「否」です。新宿は甲州街道沿いにできた街ですが、甲州街道で江戸市中と江戸の外との境目となったのが、四谷大木戸でした。

現在の四谷四丁目の交差点近くに「大木戸」がありました。ご存じの方も多いと思いますが、四谷は新宿よりも江戸城(皇居)寄りですが、四谷のすぐ隣が新宿という位置関係になります。

つまり新宿は、江戸市中から「出てすぐ」のところにできた街なのです。

実は新宿は、「新宿」という名前からもわかるとおり、新しく開発された町でした。元々は、信濃国高遠藩・内藤家のお屋敷があった場所でした(その内藤家の屋敷の名残りが、現在の「新宿御苑」です)。

街の開発を願い出たのは、なんと浅草の商人たちだったとのこと。なぜ、浅草の商人たちが、そのような都市計画をしたのか。

その秘密は、ぜひ講義本編をご覧ください。

講義では、江戸時代後期に発刊された『江戸名所図会』の図版や、内藤新宿を描いた浮世絵などを読み解きながら、当時の街の雰囲気や、人びとの息づかいに思いを馳せたのち、現代の新宿の風景として、新宿2丁目の太宗寺を訪れて、江戸の残り香を探していきます。

江戸時代中期の正徳2年(1712年)に建立された大きなお地蔵様や、江戸時代後期から明治初期につくられた閻魔様と奪衣婆様などが当時の街の様子を伝えてくれます。

とりわけ閻魔様と奪衣婆様は、まことに迫力のあるお姿。まさに一見の価値ありです。

続く、「上水と十二社」篇では、江戸の人びとの貴重な飲み水を提供していた神田上水や玉川上水について、玉川上水を中心にご解説いただいた後、上水を利用して人工の滝をつくり、江戸の人びとの格好の「滝浴みスポット」となっていた十二社(じゅうにそう)や、その地に立つ熊野神社を紹介していきます。

この十二社は、現在の新宿都庁の目と鼻の先になりますが、江戸時代に書かれた『江戸名所図会』の挿絵を見ると、広がっているのは、まことにのどかな風景です。さらに玉川上水を描いた浮世絵や、十二社にあった池を描いた浮世絵を見ると、とても美しい青色で描かれているのが、深く印象に残ります。

江戸の人びとが、自分たちの暮らしを支えている水や、その水辺の風景を「どのように見ていたのか」が、ひしひしと伝わってきます。

この講義で訪れた太宗寺は、新宿の繁華街のど真ん中。また十二社の熊野神社も、都庁のすぐ近くです。そこにこのような場所が残っているのが、まさに長い歴史を誇る国・日本のおもしろさであることを実感します。

街のできあがり方や、発展について、多くのことを「感じ取る」ことができる講義です。ぜひご覧ください。


(※アドレス再掲)
◆特集:江戸を愉しむ
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=211&referer=push_mm_feat

◆堀口茉純:『江戸名所図会』で歩く東京~内藤新宿(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5338&referer=push_mm_rcm3

◆堀口茉純:『江戸名所図会』で歩く東京~上水と十二社(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5340&referer=push_mm_rcm4


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編集部#tanka
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たんぽぽの綿毛が私に語ること人は減れども国は滅びず

人口予測ほど当たる未来予測はないといわれます。日本の人口がますます減るのは間違いありませんが、しかし、ここで発想の転換が必要なのでしょう。森田朗先生の講義で、そのヒントを。(達)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2255&referer=push_mm_tanka