『江戸名所図会』で歩く東京~上水と十二社
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
玉川上水の歴史…約8カ月で完成?玉川兄弟の功績とは
『江戸名所図会』で歩く東京~上水と十二社(1)「水の都」江戸の上水道
堀口茉純(歴史作家/江戸風俗研究家)
都市を繁栄させるためには水道の整備が不可欠だが、江戸は世界でも有数の水道網が張り巡らされた都市だった。『江戸名所図会』に描かれた玉川上水を中心に、「水の都」としての一面を持った江戸の上水道について深掘りしていく。(全2話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分43秒
収録日:2024年2月19日
追加日:2024年5月5日
≪全文≫

●「水の都」としての江戸


―― 皆さま、こんにちは。

堀口 こんにちは。

―― 本日は、堀口茉純先生に、「『江戸名所図会』で歩く東京」ということでお話を伺ってまいりたいと思います。堀口先生、どうぞよろしくお願いいたします。

堀口 お願いいたします。

―― 前回のテーマは内藤新宿でした。四谷大木戸のすぐ外側にできた新しい宿場町の新宿ということで、浅草商人まで交えた開発物語も含めてお話いただきましたけども、今回はどのようなお話になりますでしょうか?

堀口 今回は水という切り口で、『江戸名所図会』を見ていきたいなと思っているのです。

―― はい。

堀口 というのも、江戸は水の都といっても過言ではないくらい、人工的に作られた水路が張り巡らされていた都市なのです。

―― はい。

堀口 『江戸名所図会』にも、その様子がしっかりと描かれているということです。

―― なるほど。

堀口 例えば、内藤新宿編でご紹介いたしました、この「四谷大木戸」の1枚にも重要な水路が描かれているのです。

―― これは、どこが水路になるのですか?

堀口 こちらは、手前側が江戸市中で、大きな石垣があって、この四谷大木戸を挟んで、向こう側が内藤新宿に入っていくという位置関係だったと思うのですが、奥の内藤新宿側をよくご覧いただきますと、水が流れているのです。

―― 水が。

堀口 はい。この地面の下に。

―― なるほど。この辺りですね。

堀口 そうです。これが人工的に作られた水路なわけなのですが、川上さん、この水路は何のための水路だと思いますか?

―― さすがに、この場所でということになると、飲み水になるのですかね。

堀口 正解です。側溝に流れているから下水かと思われる方もおられるのです。

―― なるほど。

堀口 実はこれ、飲み水のための水路です。

―― はい。

堀口 江戸に飲料水を提供するための水路に玉川上水というものがありました。この水路に従って、いかめしい雰囲気のお屋敷が描かれていますが、これは、玉川上水を管理していた水番屋なのです。ゴミをさらったり、水質をチェックしたり、水量が多すぎるときには、自然の川のほうに水を落としていったりという調節をしていたお役所です。

―― はい。


●江戸の重要なインフラだった上水道


堀口 玉...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓