2024/10/22

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。

ロシアによるウクライナ侵略は、なおも続いています。最近では、北朝鮮がウクライナ侵略に大規模派兵をしていることが報じられています。

はたして、ロシアは何を考えているのか。ロシアの政治はどのようになっているのか。そしてポスト・プーチンは？

本日は、ロシア政治の本質を深掘りいただいた上月豊久先生（元駐ロシア日本国特命全権大使）の講義を紹介いたします。上月先生はロシアに全部で17年間勤務され、2023年12月までの8年間を駐ロシア大使を務めておられました。

プーチン政権にも幅広い人脈を培った上月先生が見通す、ロシアの政治の今と未来とは？

◆上月豊久：ロシア「内政・経済・外交」の真実（全3話）
（1）国民の支持を意識するプーチン政治
ウクライナ侵攻も支持率対策か…プーチン政治の実態に迫る
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5505&referer=push_mm_rcm1

最初に上月先生は、非常に印象深いお話をされます。

《皆さんのイメージとして、プーチン大統領は専制君主だから、なんでも自分の好きなようにやっているのだろうと思われるかもしれませんけれど、実はプーチン大統領の政治は、意外と国民の支持のことを意識して成り立っている》

この部分は、まさにポピュリズム的な（大衆の支持を基盤とする）独裁政権の大きな特徴といえましょう。それは、ファシズム政権であれ、共産主義政権であれ同様のところです。

言論統制も、軍国主義も、愛国教育も、そして戦争でさえ、その論理に基づいて動いている。この基本的な点を見誤ると、プーチン政権の行動について見誤ってしまいます。

そして、この体制の強化のために、「内向きな排外主義的社会」にロシアはなっていっている。ここもきわめて重要な指摘といえるでしょう。

また、この講義ではプーチン政権誕生前夜のロシアの状況が、いかにプーチン政権の政策に影響を与えたかも言及されます。さらに、対ロシア経済制裁を機に、輸入代替政策をとって、経済の足腰を強くしている点も指摘されます。このあたりは、経済制裁が効く国、効かない国の違いを考えるうえでも有益な指摘でしょう。

第二話で語られるのはロシアの外交政策とウクライナ侵略の戦況分析です。

プーチンは、西側から干渉されない大国の建設のためにウクライナ侵略を使っているが、しかし、ロシアをめぐる戦略環境は大幅に悪化している。これほどの悪化は、プーチン自身も予想しえなかった話だろうと上月先生は語りますが、はたしてどのようなことでしょうか。

また、ウクライナ侵略の戦況として、いちばん重要なのは「継戦能力」だといいます。その点で、上記したように「国民に不人気な政策を繰り返せない」プーチン政権が、どこまで動員を拡大できるかは大きな焦点といえましょう。

第3話は、ポスト・プーチンの展望です。2024年3月に投票率77パーセント、得票率87パーセントという数字でプーチン大統領が再選されましたが、その前の憲法改正により、あと12年プーチンは大統領職に留まれることになっています。

プーチンは就任式の翌々日に、2036年までの発展計画を発表し、さらにそれを受けて内閣改造を行ないました。国防大臣、さらに第一副首相の人事を見ると、プーチンは「継戦能力」「軍事産業」の強化を何より重視していることがわかるといいますが……。詳しくは、ぜひ講義第3話をご覧ください。

そして最後に上月先生は、「内向きな排外主義的社会」になっていくロシアに対して、日本はどうすべきかを論じます。ポイントは「日本からドアを閉じない」こと。その心とは？

ロシア政治の何を見れば良いか。その教訓とは何か。そして日本のあり方とは。いろいろなことについて、貴重なヒントをもらえる講義です。ぜひご覧ください。


（※アドレス再掲）
◆上月豊久：ロシア「内政・経済・外交」の真実（1）
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5505&referer=push_mm_rcm2


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